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Trademark Appeal Case

周知性の判断基準

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900472(T2009−900472/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5269277号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5269277号商標(以下「本件商標」という。)は、「錦蘭会」の文字を標準文字により書してなり、平成21年1月21日に登録出願、第41類「金魚の品評会の企画・運営又は開催,金魚の品評会の企画・運営又は開催に関する情報の提供」を指定役務として、平成21年10月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第13号証(枝番を含む。)提出している。

(1)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、申立人が、90年近くにわたって金魚の品評会の企画・運営又は開催等に関して、自己を表示するために申立人の会報「錦蘭会」や雑誌「金魚伝承」などに継続使用してきたものであり、金魚愛好者その他の者の間で周知になっている標章「錦蘭会」(以下「引用商標」という。)と同一のものであって、申立人の行っている役務と同じ役務について使用するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標である。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と同一のものであり、それを不正の目的をもって使用するものである。

3 当審の判断

(1)引用商標「錦蘭会」の周知性について

申立人提出に係る甲各号証を検討するに、本件商標と同一構成文字からなる「錦蘭会」を名称とする全国のらんちゅう魚愛好者をもって構成される法人格なき社団が、金魚の一種「らんちゅう」に係る品評会や会報発行などの活動を行い、その名称や会報の題号として「錦蘭会」の文字を、90年近くにわたって継続して使用していることが推認される。

しかしながら、当該団体は、引用商標を、その名称や会員の出陳に限られた春と秋の品評会や会報の題号としての使用以外に、不特定の需要者に対して「金魚の品評会の企画・運営又は開催,金魚の品評会の企画・運営又は開催に関する情報の提供」に関する役務を業として広く提供し使用していたような状況を見出すことができず、また、他にその役務の提供について引用商標の使用を裏付けるような証拠の提出もない。

してみると、仮に、小林保治を会長とする「錦蘭会」が、上記法人格なき社団と同一と認め得るとしても、そもそも当該団体における品評会や会報発行などの活動自体は、専ら会員相互の親睦などを目的とするものである以上、上記役務についての商標の使用とは俄に認め難く、かつ、会員の他に不特定な需要者が存在するともいい難いものであるから、引用商標「錦蘭会」が申立人に係る上記役務を表示するものとして使用され、需要者の間に広く認識されている商標というのは困難といわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

本件商標は、「錦蘭会」の文字よりなるところ、前記(1)のとおり、申立人の引用商標「錦蘭会」が申立人の業務にかかる役務「金魚の品評会の企画・運営又は開催」について使用されている事実が認められるとしても、本件商標の登録出願時である平成21年1月21日時点において、引用商標が申立人の業務に係る役務の商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものということはできない。

また、引用商標が、取引者、需要者に広く認識されているということもできないものであるから、本件商標をその指定役務について使用しても、これが申立人又は申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれはないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものともいえない。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するというためには、その要件の1つとして、本件商標の出願時及び登録査定時において、引用商標が日本国内において需要者の間に広く認識されていることが必要である。

しかしながら、上記(2)で認定したとおり、申立人提出の証拠によっては、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内において需要者の間に広く認識されていた商標とは認められないこと、加えて、本件商標が「不正の目的」に基づく登録出願であることを具体的に示す証左の提出もないことなどを総合すれば、本件商標が引用商標と同一又は類似のものであるとしても、引用商標の出所表示機能を希釈化させたり、若しくはその名声を毀損させるなど、不正の目的をもって使用するものとは認めることができない。

なお、申立人は、商標権者が自己名義で「錦蘭会」を商標登録できたことを良いことに、申立人の一般会員に対して、自ら会長におさまった別団体が、長い伝統をもつ申立人の「錦蘭会」と同一のものであるかのようにアピールし、申立人と誤認させて、申立人の正当な活動を妨害している旨述べているが、商標権者らの「錦蘭会」を標榜して活動する別団体が存在し、これが本件商標に基づき如何なることを申立人の一般会員に対して訴え、かつ、その活動を妨害している状況等を具体的に把握させるに足りる事実は見出すことができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものとはいえない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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