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Trademark Appeal Case

称呼・外観・観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900406(T2009−900406/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5250820号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5250820号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年2月23日に登録出願され、第1類、第2類、第6類、第7類、第9類、第11類、第12類、第19類、第35類ないし第37類、第39類、第40類、第42類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月18日に登録査定、同年7月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5170267号商標(以下「引用商標」という。)は、「TOMORROW’S ANSWERS TODAY」の文字を標準文字で表してなり、ベネルクス商標庁及びベネルクス意匠庁における2007年2月16日の商標登録出願に基づきパリ条約による優先権を主張して平成19年8月14日に登録出願され、第1類ないし第3類、第5類、第7類、第16類、第17類、第19類、第30類、第37類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年10月3日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標と引用商標とは、外観及び観念において相紛らわしい類似のものであり、また、両商標の指定商品又は指定役務も類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)申立人は、1969年に設立されたオランダの化学メーカーであり、欧州、北米、南米の他、日本をはじめとするアジア諸国等を含め世界80カ国において事業を展開し、その従業員数は約6万人という世界的規模を誇っている。申立人の日本法人は、1988年に設立されたアクゾノーベル株式会社であり、キレート剤、エチレンアミン、セルロース等の化学製品を取り扱っている。日本にはその他、申立人の関連会社等が存在し、申立人の日本における知名度はかなり高いものである。

引用商標は、2008年4月から継続して申立人のロゴマークと共に使用され続け、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く一般に知られているから、これに類似する本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがある。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、上段の「Tomorrow’s Technology,Today.」の文字部分と下段の「Kawakin Holdings Group」の文字部分とは、視覚上分離して看取されること、両文字部分が常に不可分一体のものとして認識されるとすべき格別の理由を見出し得ないことなどからすれば、両文字部分が、それぞれ独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。

そこで、本件商標の構成中「Tomorrow’s Technology,Today.」の文字部分と「TOMORROW’S ANSWERS TODAY」の文字からなる引用商標の類否について検討すると、両者は、称呼においては、本件商標から生ずる「トゥモローズテクノロジートゥデイ」の称呼と引用商標から生ずる「トゥモローズアンサーズトゥデイ」の称呼とは、中間における「テクノロジー」と「アンサーズ」という全く異質な音の差異により、それぞれを一連に称呼しても、全体の音感・音調が異なり、相紛れることなく明瞭に区別することができるものである。

次に、外観においては、両者は中間において、いずれも親しまれた英語であり判読が容易な「Technology」と「ANSWERS」の明らかな差異を有し、その差異により、看者は両者を別異のものとして認識し把握するとみるのが相当であるから、両者は外観上相紛れるおそれはない。

また、両者は、前者が「明日の技術は今日」、後者が「明日の答えは今日」といった意味合い(観念)を有するものであるから、観念においても相紛れるおそれがないものである。

さらに、本件商標と引用商標とが類似するとすべき事情は見出せない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く一般に知られている旨主張して証拠を提出しているので、該証拠について検討する。

(ア)甲第8号証は、「アクゾノーベル/新会社ロゴと新企業理念、新行動規範について」と題する書面であるところ、該書面には、人物の上半身をデフォルメした図形の下に「AkzoNobel」の文字を配し、さらに該文字の下に「Tomorrow’s Answers Today」の文字を小さく配した構成からなる標章(以下「使用標章1」という。)が該書面の上部右上及び中央部に表示され、「新しくなったアクゾノーベルのロゴは、人物が斜め上方に手を広げて、より躍動的で未来志向になっています。また、『Tomorrow’s Answers Today』という企業理念が加わりました。」、「『Tomorrow’s Answers Today』は、『明日の答えに今日挑戦する』というアクゾノーベルのキーメッセージです。」等の記載がある。

しかしながら、この書面の作成時期、印刷・頒布の数量、頒布の地域・期間等の具体的事実は一切明らかでない。

(イ)甲第9号証は、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の「アクゾノーベル/Akzo Nobel N.V.」の項の写しと認められるところ、これには申立人会社の概要が記載されているものの、引用商標の表示は何処にも見当たらない。

(ウ)甲第10号証ないし甲第12号証、甲第15号証及び甲第16号証は、いずれも申立人の関連会社のウェブページの写しと認められるところ、その内容は各社の会社概要、事業内容や関連会社・合弁会社の紹介等であり、いずれにも、使用標章1又は使用標章1と同じ文字と人物図形を左右に配した構成からなる標章(以下「使用標章2」いう。)が表示されているものの、これらの標章を具体的にどのような商品又は役務にどのように使用しているかは明らかでない上、これらの写しは、いずれも2010年(平成22年)1月18日にプリントアウトされたものと認められ、本件商標の登録出願の時の事情を示すものとはいえない。

(エ)甲第13号証は、「THE AKZONOBEL MAGAZINE ISSUE 1」と題する申立人発行に係る英文冊子の写しと認められるところ、これには使用標章1及び小豆色の正方形内に「A」の文字を白抜きした図形の下に「Tomorrow’s Answers Today」の文字を配した標章が表示されているものの、これらの標章を具体的にどのような商品又は役務にどのように使用しているかは明らかでない上、この冊子の発行日、印刷部数、頒布の数量・地域・期間等の具体的事実は一切不明である。

(オ)甲第14号証は、申立人のウェブページの写しと認められるところ、これには、使用標章2が表示され、また、「Tomorrow’s Answers Today」の記載があるものの、全文英文によるものであるばかりでなく、該標章を具体的にどのような商品又は役務にどのように使用しているかは明らかでないし、この写しは、2010年1月18日にプリントアウトされたものと認められ、本件商標の登録出願の時の事情を示すものとはいえない。

(カ)そして、引用商標が単独で使用されている事実を示す証拠はなく、引用商標を使用した商品又は役務の具体的な取引事実や宣伝広告の事実を示す証拠はない。

(キ)上記(ア)ないし(カ)を総合してみれば、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標は、本件商標の登録出願の時において、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは認めることはできない。

その他、引用商標が本件商標の登録出願の時において申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証拠はない。

イ してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願の時において、申立人の業務に係る商品又は役務を表すものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものではなく、また、本件商標と引用商標とは非類似の商標であること上記(1)の認定のとおりであるから、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標ないしは申立人を連想、想起させるものとは認められず、該商品及び役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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