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Trademark Appeal Case

オリンピック商標の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−685017(T2009−685017/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際商標登録第955999号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件国際登録第955999号商標(以下「本件商標」という。)は、「OLIMP」の欧文字を横書きしてなり、2007年9月21日にGermanyにおいてした商標登録に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して2008年(平成20年)1月9日に国際商標登録出願、第14類「Watches and jewellery.」を指定商品として、平成21年7月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

(1)国際登録第874343号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおり、五輪の図形と「OLYMPIC COLLECTION」の欧文字を横書きしてなり、2005年(平成17年)11月4日に国際商標登録出願、第3類「Bleaching preparations and other substances for laundry use;cleaning,polishing,scouring and abrasive preparations;soaps;perfumery,essential oils,cosmetics,hair lotions;dentifrices.」、第14類「Precious metals and their alloys and goods made of or coated with these materials not included in other classes,especially commemorative coins and medals;jewellery,precious stones;horological and chronometric instruments.」、第16類「Paper,boxes of paper,table cloths of paper,table napkins of paper,cardboard and cardboard articles;printed matter,especially postage stamps;newspapers,periodicals,books,mounted photographs,posters and playbills;bookbinding material;photographs;stationery;adhesives for stationery or household purposes;artists’ materials;paintbrushes;typewriters and office requisites(except furniture);instructional or teaching material(except apparatus);plastic materials for packaging(not included in other classes);printers’ type;printing blocks.」及び第25類「Clothing,footwear,headgear.」を指定商品として、平成19年10月26日に設定登録されたものである。

(2)登録第5013148号商標(以下「引用商標2」という。)は、「オリンピック」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年10月7日に登録出願、第41類「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,運動施設の提供,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,スポーツに関する講演会の企画・運営又は開催」を指定商品として、同9年4月4日に設定登録されたものである。

(3)登録第5013148号商標(以下「引用商標3」という。)は、「OLYMPIC」の片仮名文字を横書きしてなり、1993年4月1日にスイス連邦においてした商標登録に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成5年10月1日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,スポーツの企画・運営又は開催,映画の制作」を指定商品として、同10年2月20日に設定登録されたものである。

なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、要旨以下のように主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第124号証を提出している。

1 商標法第4条第1項第6号について

本件商標は、国際オリンピック委員会により、4年に一度開催される近代オリンピック競技大会を指標するものとして長年にわたり使用されている著名な標章「オリンピック」及び「OLYMPIC」と相紛らわしい類似商標であるから、商標法第4条第1項第6号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、本件商標の優先日である平成19年(2007年)9月21日の時点において、オリンピック競技大会を指標するものとして、わが国において著名であったのみならず、本件商標の指定商品である「Watches and jewellery(時計及び宝飾品)」と極めて関連性の高い「ピンバッジ」、「ネクタイピン」又は「腕時計」等の商品について広く用いられている。

さらに、本件商標は、「OLYMP」の欧文字からなる商標であるところ、該文字から始まる言葉は、例えば、オリンピック競技大会を指標する著名な標章「OLYMPIC」や、古代オリンピック競技会発祥の地である「OLYMPIA」、国際オリンピック大会の意味を有する「OLYMPIAD」、及び、オリンピック競技大会の出場選手の意味を有する「OLYMPIAN」等、申立人が運営するオリンピック競技大会と極めて関連性の深い語ばかりである。

したがって、本件商標に接した需要者は、本件商標から、申立人が運営する著名なオリンピック競技大会を容易に連想、想起できるというべきであり、本件商標権者により提供される商品が、恰も申立人又はその関連団体により提供されたものであるかの如く、その出所につき誤認するのは必定である。

したがって、本件登録商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 商標法第4条第1項第7号又は同第19号について

本件商標は、申立人の著名な引用商標を剽窃したものであることは明らかであり、引用商標の指標力・顧客吸引力・イメージにただ乗りし、不正の利益を得る目的をもって使用するものであるから、国際信義及び公序良俗に反するものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号又は同第19号に該当する。

4 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第6号、同第7号、同第15号、及び同第19号に該当するにも関わらず登録されたものであるから、その登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第6号について

本件商標は、前記第1に記載のとおり「OLIMP」の文字よりなるところ、該文字は特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、これよりは、その構成文字に相応して「オリンプ」の称呼を生じるものであって、観念は生じないものである。

一方、引用商標は、前記第2に記載のとおりの構成よりなるところ、これらは、その構成中に「オリンピック競技大会」を意味する著名な標章である「OLYMPIC」の文字を有し、若しくは、その構成が「OLYMPIC」又は「オリンピック」の文字からなるものであるから、これらの文字に相応して「オリンピック」の称呼及び「オリンピック競技大会」の観念を生じるものである。

そこで、本件商標と引用商標を比較するに、外観については、それぞれの構成よりみて十分に区別できるものである。称呼については、本件商標より生ずる「オリンプ」の称呼と、引用商標より生ずる「オリンピック」の称呼とは、その音構成において語頭からの「オリン」の音を共通にするも語尾音及び後半部の音の「プ」と「ピック」の音に明確な差異を有するものであり、称呼上明確に聴別し得るものである。観念については、本件商標は、特定の観念を生じ得ないものであるから、両者は観念上比較し得ないものである。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからしても十分に区別し得る非類似の商標といい得るものである。

また、申立人が主張するように、「OLYMP」の欧文字から始まる言葉、例えば、オリンピック競技大会を指標する著名な標章「OLYMPIC」、古代オリンピック競技会発祥の地である「OLYMPIA」、国際オリンピック大会の意味を有する「OLYMPIAD」及びオリンピック競技大会の出場選手の意味を有する「OLYMPIAN」の語が、申立人の運営するオリンピック競技大会と極めて関連性の深い語であるとしても、該「OLIMP」の文字がオリンピック競技大会を指標する著名な標章「OLYMPIC」の略称などとして使用されているものではないことから、本件商標は、単なる造語として理解されるものであって、「OLYMPIC」(オリンピック競技大会)を想起するものということはできない。

してみれば、本件商標は、その構成中に著名な標章「OLYMPIC」を有するものでもなく、また、その著名な略称とされる語は特別に何もないから、申立人に係る著名な標章「OLYMPIC」及び「オリンピック」と同一又は類似の商標ということはできないものであって、本件商標と引用商標とは、別異の商標であるといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当するものではない。

2 商標法第4条第1項第15号について

上記1のとおり、本件商標と引用商標とは、上記のとおり非類似の別異の商標と認識されるものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、申立人若しくは、申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所の誤認混同を生ずるおそれのある商標ということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

3 商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

本件商標は、上記1及び2のとおり、引用商標とは類似しない商標であり、かつ、申立人が主催するオリンピック競技大会を表示する標章「OLYMPIC」と同一又は類似の商標として直ちに理解し得ないものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものではなく、また、国際信義に反するものでもない。

また、本件商標は、引用商標とは類似しない商標であるから、これをその指定商品について使用しても、引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれはなく、また、不正の利益を得る目的、他人たる申立人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって使用するものともいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するものではない。

4 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第6号、同第7号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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