Trademark Appeal Case
BIOMERKとMERCKの類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−685019(T2009−685019/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第960697号商標(以下「本件商標」という。)は、「BIOMERK」及び「TUMORGRAFTS」の文字を2段に書してなり、2007年10月11日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、2008年(平成20年)4月10日に国際商標登録出願、第5類「Xenografts for pharmaceutical evaluations for pharmaceutical preparations,included in this class.」を指定商品として、平成21年8月28日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。
(1)登録第496397号商標は、「Merck」の欧文字を表してなり、昭和30年5月31日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和32年2月14日に設定登録されたものである。その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成20年7月16日に、第1類、第2類、第3類、第5類、第10類、第16類及び第30類に属する商品を指定商品する書換登録がなされている。
(2)登録第4053496号商標は、別掲1のとおり、「MERCK」の欧文字及び黒塗り長方形のなかに白抜きで「G」の文字を表し、その下に「GENERCS」の欧文字を表してなり、平成7年7月21日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成9年9月5日に設定登録されたものである。その後、商標権の存続期間の更新登録がなされている。
(3)登録第5069563号商標は、「メルク」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成18年10月19日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年8月10日に設定登録されたものである。
(4)登録第5172911号商標は、「メルク」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成18年11月2日に登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年10月10日に設定登録されたものである。
(5)登録第5172912号商標は、「MERCK」の欧文字及び「メルク」の片仮名文字を2段に書してなり、平成18年11月2日に登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年10月10日に設定登録されたものである。
(6)国際登録第734040号商標は、別掲2のとおり、「MERCK」及び「ONCOLOGY」の欧文字を2段に表し、その右に図形を配した構成よりなり、1999年12月15日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2000年(平成12年)4月17日に国際商標登録出願、第5類、第16類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成13年6月29日に設定登録されたものである。
(7)国際登録第770038号商標は、別掲3のとおり、色彩を用いた図形と「MERCK」の欧文字をややデザインして表してなり、2001年5月17日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)10月12日に国際商標登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年11月28日に設定登録されたものである。
(8)国際登録第770114号商標は、「MERCK」の欧文字をややデザインして表してなり、2001年5月17日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)10月12日に国際商標登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年3月19日に設定登録されたものである。
(9)国際登録第770115号商標は、「MERCK」の欧文字をややデザインし青の色彩を用いて表してなり、2001年5月17日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)10月12日に国際商標登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年3月19日に設定登録されたものである。
(10)国際登録第770116号商標は、別掲4のとおり、図形と「MERCK」の欧文字をややデザインして表してなり、2001年5月17日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)10月12日に国際商標登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類、第9類、第10類、第16類、第29類、第30類、第35類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年3月19日に設定登録されたものである。
(11)国際登録第861667号商標は、別掲5のとおり、図形と「MERCK」の欧文字をややデザインして表してなり、2005年4月21日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2005年(平成17年)7月11日に国際商標登録出願、第1類、第2類、第3類、第5類及び第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成20年1月18日に設定登録されたものである。
そして、引用各商標は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標と引用各商標は類似する商標であって、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし第18号証を提出した。
4 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「BIOMERK」と「TUMORGRAFTS」の文字によりなるところ、その構成中下段の「TUMORGRAFTS」は、「移植組織片」を意味することから、本件指定商品との関係では比較的識別力が弱い文字部分といえるものであり、本件商標は、構成中上段の「BIOMERK」の文字部分より、「バイオマーク」または「バイオメルク」の称呼を生ずるものである。また、該文字部分は、特定の語義を有しない造語といえるものである。
他方、引用各商標は、その構成中に「Merck」、「MERCK」及び「メルク」の文字を含んでなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して「メルク」の称呼を生ずるものである。また、該文字は特定の語義を有しない造語と認められることから観念は生じないものである。
そこで、本件商標から生ずる「バイオマーク」または「バイオメルク」の称呼と、引用各商標から生ずる「メルク」の称呼を比較するに、両者は、語頭における「バイオ」の音の有無において音構成が明らかに相違するものであるから、明瞭に区別して聴取され得るものである。
また、本件商標と引用各商標とは、全体の外観において明確な差異を有しており、本件商標の「MERK」の文字部分、引用各商標の「Merck」及び「メルク」の文字は、それぞれ特定の語義を有しないことから、観念においては、比較することができない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
なお、申立人は、異議理由補充書において「世界60ケ国で医薬品・化学品を製造販売する世界でもっとも歴史の古い企業として周知・著名な化学品・医薬品の総合メーカーである。その傘下にあるグループ企業の数は世界で200社を超えている。」、そして「申立人の周知・著名な略称『MERCK(メルク)』と同一称呼の『MERK(メルク)』に『BIO』を結合した『BIOMERK』なる商標を使用すれば、あたかも申立人と組織的・資本的な関連を有する企業より製造販売された商品であるかのように需要者・取引者に誤認され、出所の混同を招くことが明らかである。」旨、述べているが、申立人が使用する商標の周知・著名性については、何らの証拠資料等の提出がなく、また、本件商標と引用各商標は、前記のとおり別異のものと看取、理解されるものであり、他に両者を関連づけてみるべき理由もないことから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用各商標を想起又は連想するとはいえないものである。
また、本件商標の構成中「BIO」の文字部分が、「生体・生物体・生物などを意味する接頭語」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)であるとしても、「BIOMERK」と一体的に表された係る構成においては、「MERK」の欧文字部分のみが独立して看取され、該文字部分より生ずる称呼をもって取引に資されるとすべき特段の事情は見受けられない。
5 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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