Trademark Appeal Case
異表記同称呼商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−14769(T2009−14769/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「nene」の欧文字を横書きしてなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成20年12月5日に登録出願されたものである。
2 引用商標
(1)原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5212557号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成20年7月3日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同21年3月13日に設定登録されたものである。
(2)当審において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5153762号商標(以下「引用商標2」という。)は、「根々」の漢字と「ねね」の平仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年10月5日に登録出願、第14類「身飾品,時計」、第16類「文房具類,印刷物,写真,写真たて」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け」、第25類「被服,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」、第26類「頭飾品,造花(「造花の花輪」を除く。)」、第27類「畳類」、第28類「おもちゃ」、第29類「加工野菜及び加工果実,油揚げ,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,ふりかけ,豆」及び第30類「茶,コーヒー,穀物の加工品」を指定商品として、同20年7月25日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標2の類否について
本願商標は、「nene」の欧文字を書してなるところ、該文字は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。そうとすれば、本願商標からは、その構成文字に相応する「ネネ」の称呼を生ずるものであって、観念は生じないものである。
他方、引用商標2は、「根々」の漢字と「ねね」の平仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、「根々」及び「ねね」の両文字は、それぞれ特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。そうとすれば、引用商標2からは、その構成文字に相応する「ネネ」の称呼を生ずるものであって、観念は生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、外観において相違するものの、取引の実情にあって、漢字や平仮名を欧文字で表記することはごく一般的なことであるから、その点、本願商標は、引用商標2の「根々」や「ねね」の文字を欧文字で表した「nene」であって、引用商標2との比較においてその欧文字による表記としての印象を受けるものである。
また、両商標は造語であって、観念において比較すべくもないとしても、ともに「ネネ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標といい得るものである。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標2の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。
したがって、本願商標は、引用商標2に類似する商標であり、かつ、引用商標2に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると判断するのが相当である。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標と引用商標2は、実際の使用態様においても混同を生じない非類似の商標であることが明らかである。本願商標は、元オリンピック選手である奥野史子がプロデュースする水着のブランドであって、『nene』という文字を使用した態様である。これに対し引用商標2は、商標権者である島根県の株式会社石見銀山生活文化研究所が、石見銀山の生活と文化に根ざしたブランドの商品に使用している。そして、本願商標は子供を持つ女性やその子供に向けた華やかな水着について使用され、既に『ネネ』との称呼において取引され注目を集めている一方、引用商標2は石見銀山という土地に根ざしたナチュラル志向の商品について使用されており、両商標は、称呼、外観、観念を含む全体として十二分に識別可能である。」及び「本願商標と引用商標2が使用される商品は、称呼のみで流通することが考えられない分野の商品である。本願商標や引用商標2は、各々のブランドのコンセプトに沿うデザインや機能の商品に使用されていることから、取引者・需要者が両商標に接する際、商標の称呼よりも外観及び観念を含んだ商標全体で認識・記憶し、自らの嗜好に合った商品を選択するということができる。したがって、外観や観念の大きな差異が両商標の類否に与える影響は大きく、両者は彼此十分に区別可能である。」旨、主張する。
確かに、「商標の外観、観念又は称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、前記三点のうちその一において類似するものでも、他の二点において著しく相違することその他の取引の実情等によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。」(昭和39年(行ツ)第110号 最高裁判所 昭和43年2月27日判決言渡)と判示されている。
しかしながら、本願商標と引用商標2とは、称呼において共通するものであり、また、本願商標は、引用商標2の「根々」や「ねね」の文字を欧文字で表した「nene」であって、相互の文字表記の変換という連想性を有するとの印象を受けるものであるから、単に称呼のみが類似するものではなく、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標が引用商標2とは、彼此誤認混同するおそれのある類似の商標であるというのが相当である。
また、請求人は、本願商標と引用商標2を実際の商品の使用のみに限定し、水着と石見銀山という土地に根ざしたナチュラル志向の商品について対比しているけれども、両商標をその余の指定商品に使用したときに、商品の出所について誤認混同をきたすおそれがないと認めるに足る取引の実情等は見当たらない。
そうとすれば、本願商標と引用商標2がそのまま商品に表示されるとしても、必ずしもその構成全体によってのみ、取引者、需要者等に認識、把握されるということにはならず、その文字から生ずる称呼をもって、取引に資する場合も決して少なくないものといわざるを得ない。
また、請求人は、過去の判例、審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該判例、審決例等は、商標の構成及び指定役務等において本願とは事案を異にするものであり、それらの判例、審決例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえない。
よって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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