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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−5557(T2009−5557/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年3月30日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成19年12月21日付け手続補正書により、第30類「持ち帰り用調理済みのすし」及び第43類「すしの提供」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりである。

(1)登録第3124553号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成4年8月26日に登録出願され、第42類「すしの提供」を指定役務として、平成8年2月29日に特例商標として設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものであり、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4075975号商標(以下「引用商標2」という。)は、「SUSHIKO」の欧文字を横書きしてなり、平成7年6月21日に登録出願され、第42類「宿泊施設の提供,すしの提供,その他の日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶を主とする飲食物の提供,入浴施設の提供,写真の撮影,求人情報の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,デザインの考案,栄養の指導」を指定役務として、平成9年10月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新がなされたものであり、現に有効に存続しているものである。

(3)登録第4874488号商標(以下「引用商標3」という。)は、「SUSHIKO」の欧文字を横書きしてなり、平成16年3月17日に登録出願され、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),菓子及びパン,みそ,ウスターソース,食酢,マヨネーズソース,砂糖,はちみつ,角砂糖,食塩,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,サンドイッチ,すし,べんとう,酵母,即席菓子のもと,酒かす,米,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成17年6月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(以下、一括していうときは「引用商標」という。)

3 当審の判断

本願商標は、別掲1のとおり、菱形図形内の中央に筆書き風に縦書きされた「寿司幸本店」の文字と、その右上方に縦長の長方形を細い線で描いたのぼりと思しき図形内に「銀座」の文字とを配した構成からなるところ、その構成中「銀座」の文字部分は、地名を表すもので、単に商品の販売地及び役務の提供場所を表示するにすぎないから、該文字は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないか、または極めて弱い部分といわざるを得ない。

そして、「寿司幸本店」の文字の構成中、後半の「本店」の文字が「営業の本拠である店。」(広辞苑 第六版)を意味し、屋号、店名等に対し、数ある当該店舗の中で中心となる店であることを表示するために取引上普通に使用されているものであるから、これに接する取引者、需要者は、「寿司幸」の文字部分を店名の如く認識し、該部分より生ずる「スシコー」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

そうとすると、本願商標は、「寿司幸本店」の文字全体に相応して「スシコーホンテン」の一連の称呼を生ずるほか、「寿司幸」の文字部分に相応して、単に「スシコー」の称呼をも生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。

他方、引用商標1は、別掲2のとおり、上段に「SUSHIKO」の文字、下段に「築地」の文字と「すし好」の文字との間に一文字程度のスペースを設けて、あずき色様で横書きしたものを配してなるところ、「SUSHIKO」、「築地」及び「すし好」の各文字は視覚上分離して看取され、また、その構成中、「築地」の文字部分は、地名を表すもので、単に役務の提供場所を表示するにすぎず、該文字は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないか、または極めて弱い部分といわざるを得ないから、これに接する取引者、需要者は「SUSHIKO」及び「すし好」の各文字部分を要部と認識し、該文字より生ずる「スシコー」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものというべきであり、また、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。

また、引用商標2及び3は、「SUSHIKO」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「スシコー」の称呼が生じるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、その外観及び観念について考慮しても、電話等口頭による商取引も普通に行われる取引社会の実情において、両者共に「スシコー」の称呼をもって取引の指標とする場合も少なくないといえることから、称呼上類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人は、「本願商標が富裕層や接待向けの高級寿司店であるのに対し、引用商標は回転寿司に代表される大衆向けチェーン店であることから、需要者層が異なり、出所の混同を生ずることはない。」旨主張しているが、たとえ、両商標の品質、嗜好、価格等によって需要者層が異なる場合があるとしても、本願商標と引用商標の指定商品及び指定役務が、共に商品「すし」及び役務「すしの提供」という点で共通していることから、相互の店舗に関心を寄せる需要者が多いと見るのが自然であり、両商標の需要者は完全に二極化されたものとは断定し得ず、むしろ、需要者を共通にするものといえる。

そして、他に両商標の商品及び役務の出所の混同を生ずるおそれがないと考えさせる具体的な取引の実情を見いだすことはできず、かつ、請求人は、該主張を裏付ける具体的な資料も提出していない。

そうとすると、需要者が両商標に時と所を異にして接した場合、互いに紛れるおそれは極めて高いというべきであり、請求人の該主張は採用することはできない。

また、請求人は、「本願商標は、さまざまな雑誌やテレビなどで『寿司の名店』として取り上げられており、『寿司幸本店』または『銀座寿司幸本店』が、銀座の老舗の高級寿司店として、需要者・取引者に広く認識されている事実が証される。」旨述べているが、提出された資料を徴するも、「寿司幸本店」が銀座の老舗の高級寿司店であり、本願商標が使用されている事実は認められるとしても、本願商標が需要者、取引者間に、常に一体不可分のものとして認識されている事実を裏付ける具体的な証拠が提出されているとは認められない上、提出された資料中にも、本願商標を指称するものとして、例えば、単に「寿司幸」の表示で使用されている例(第7号証)、店の看板に「本店 寿司幸」のような態様で使用されている例(第10号証)や欧文字で「Ginza Sushi ko」のような態様で使用されている例(第17号証)があることからも、本願商標が「寿司幸本店」または「銀座寿司幸本店」のように常に一体不可分のものとして使用されている事実は認められない。

さらに、請求人は、「本店」を除けば同一の称呼を生ずる2つの商標が、併存登録されている過去の登録例を挙げ、「本願商標と引用商標とは類似しない。」旨主張しているが、請求人の挙げた登録例は、対比する商標の具体

的構成において本願とは事案を異にするものであり、また、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断は、個々の事案に即して個別具体的に判断されるべきものであるから、上記登録例をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当でなく、上記登録例の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではないから、請求人の該主張を採用することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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