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Trademark Appeal Case

称呼類似と役務の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−6760(T2009−6760/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年3月31日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定役務については、原審における平成21年2月4日付け手続補正書及び当審における平成21年3月31日付け手続補正書により、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(医療関連のものは除く。),電子計算機の貸与(医療関連のものは除く。),電子計算機用プログラムの提供(医療関連のものは除く。)」と補正されたものである。

第2 引用商標

原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第4365895号商標(以下「引用商標」という。)は、「INSITE」の欧文字を横書きしてなり、平成9年3月17日に登録出願され、第42類「電子計算機端末による通信を用いて行う医療機器の障害発生監視用電子計算機プログラムの遠隔監視及びそのプログラムの保守」を指定役務として平成12年3月3日に設定登録されたものである。その後、平成22年2月2日に、商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断

1 本願商標と引用商標の類否について

本願商標は、別掲のとおり、構成左側に大きさの異なる正六角形の図形を一部が重なるように三個斜めに配し、そのうち、最も大きな図形に白抜きで「ad」の欧文字を書し、そして、構成右側には、上段に、ややレタリングを施した「insight」の欧文字を、下段には、小さく書された「Advertising on demand」の欧文字をそれぞれ横書きしてなるところ、本願商標の構成にあっては、正六角形の図形と、上記各文字は、視覚上分離して観察されるとみるのが自然である。

また、本願商標構成中の正六角形の図形と、「ad」、「insight」及び「Advertising on demand」の各文字とが、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、これらを常に一体不可分のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。

そうとすれば、本願商標の構成中、明確に表された「insight」の文字部分に着目し、これより生ずる「インサイト」の称呼をもって商取引に資される場合も決して少なくないとみるのが相当であるから、本願商標は、単に「インサイト」の称呼をも生ずるものである。

また、該文字部分からは、「洞察、眼識、見識」(「ジーニアス英和大辞典2001−2002」大修館書店)の観念を生ずるものとみるのが相当である。

他方、引用商標は、前記第2のとおりの構成よりなるところ、構成文字に相応して「インサイト」の称呼を生ずるものであり、また、該文字は、特定の観念を生じない造語と認められる。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、「インサイト」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と類似する役務を含むものと認められる。

2 請求人の主張について

なお、請求人は、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務とは、同一又は類似ではない旨、主張している。

そこで、本願商標の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(医療関連のものは除く。)」(以下「本願役務」という。)と引用商標の指定役務である、第42類「電子計算機端末による通信を用いて行う医療機器の障害発生監視用電子計算機プログラムの遠隔監視及びそのプログラムの保守」との類否について検討するに、「電子計算機のプログラムの保守」とは、システムの円滑な運営管理のため、例えば、電子計算機のプログラムに問題が発生した場合の調査、回避策の提示、バグ修正、リカバリーといった技術支援等を行う役務であって、提供の手段(遠隔操作によるもの、通信を利用したもの等)、あるいは、該電子計算機のプログラムの用途(医療用、交通運行管理用、金融用等)等に関わらず、主にソフトウェア保守サービス業者、ITベンダーの保守部門等の同一の事業者により、提供されるものであって、その保守の対象物も、共に「電子計算機プログラム」であることからすれば、互いに類似する役務といえるものである。

また、請求人は、本願指定役務は、極めて高度でかつ専門的な技術と知識とに基づいて、労務及び便益を提供するものであることから、こうした役務の提供を受ける者は、その役務のブランドの僅かな違いにも、一般商品以上に敏感に対応するのが常である。したがって、本願商標中「ad insight」は図形と共に常に一体不可分のものとして把握され、これを「ad」と「insight」に分けて称呼することはない旨、主張している。

しかしながら、多種多様な機器・設備等が電子計算機のプログラムで管理されている現在においては、そのプログラムの保守が、専門的な技術と知識に基づいて行われるものであるということはいえるとしても、その取引者、需要者が、必ずしも、該役務に係る商標のわずかな違いにも敏感であるとまでは言い得ないものであり、また、本願商標は、上記1で述べたとおり、その構成態様からして、図形中に表された「ad」の文字と「insight」の文字とは自ずと分断でき、また、「ad insight」の文字部分全体として特定の観念をもって親しまれた語ともいえないのに対し、「insight」の文字が「洞察」等の意味を有する成語であることからしても、該文字部分に着目し、これをもって取引に当たる場合も少なくないというべきであるから、前記のとおり、本願商標からは「アドインサイト」、「エイデイインサイト」といった一連の称呼のほかに、「インサイト」の称呼も生ずるものである。

してみれば、請求人のこれらの主張は採用することができない。

その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

3 結論

以上からすると、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、「インサイト」の称呼を共通にする類似の商標である。

そして、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と類似する役務を含むものと認められる。

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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