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Trademark Appeal Case

欧文字商標の称呼・外観類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−8703(T2009−8703/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年10月25日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同20年5月30日付け手続補正書により、第9類「電子応用機械器具及びその部品」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。

(1)引用商標1

登録第2720645号商標は、「AMTECH」の欧文字を横書きしてなり、1988年2月1日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、昭和63年8月1日登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年4月18日に設定登録され、同19年4月24日に商標権の存続期間の更新登録がされ、その後、同20年12月10日に指定商品を第9類「自動車等の移動物に搭載されたトランスポンダー(応答器)が質問信号に応答して、回答信号を発信し、その回答信号を受信・解析することにより、その移動物の識別を行うためのトランスポンダー,コンピュータ等からなる電子応用の移動物識別装置 」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)引用商標2

登録第4273076号商標は、「ANTHEX」の欧文字を横書きしてなり、平成9年7月11日登録出願、「電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類、第16類、第35類、第36類、第37類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同11年5月14日に設定登録され、その後、商標登録の取消し審判により、指定商品中第9類の「消防車,自動車用シガーライター」について取り消すとの審決がされ、同15年4月30日にその確定審決の登録がされたものである。

以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1との類否について

本願商標は、別掲のとおり、やや変形された欧文字からなるところ、構成全体としてみれば「Antec」の欧文字を表したものと無理なく認識し得るものであり、また、該文字は親しまれた既成の観念を有しない造語と認められることから、該文字は、我が国において広く親しまれている英語読みに称呼されるとみるのが自然である。

よって、本願商標からは、「アンテック」の称呼を生ずるものといえる。 他方、引用商標1は、「AMTECH」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は特定の語義を有しない造語と認められることから、英語読みにならって称呼されるとみるのが自然であり、その構成中の「AM」の文字部分を、英語において「Amtrak」を「アムトラック」、「Amsterdam」を「アムステルダム」と発音する例にならい、「アム」と発音し、同様にその構成中の「TECH」の文字部分は、「technology」等の略語として知られ、「テク」と発音される語であるが、我が国の電子応用機械器具を取り扱う業界においては、商号又は展示会の名称中の「TECH」の文字を「テック」、又は、「テック」の文字を「TECH」と表して多用されている実情にある(メモリーテック、リテールテックJAPAN、テックナガオカ、日立電線ファインテック等)ことから、該文字は、「テック」又は「テク」と発音され得るものであり、引用商標1は「アムテック」又は「アムテク」の二つの称呼を自然に生ずるものといわなければならない。

そこで、本願商標から生ずる「アンテック」と引用商標1から生ずる「アムテック」の称呼を比較するに、両者は「ア」及び「テック」の音を共通にし、相違する第2音の「ン」と「ム」は、共に弱く発音される有声の通鼻音であって、比較的近似した音であるばかりでなく、語の中間に位置することもあって、必ずしもその差異を明確に聴取し難いものであると認められ、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに相紛れるおそれがあるというのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標1は、共に特定の語義を有しない造語であるから観念は比較することはできないが、称呼上類似するものであり、また、その構成上、欧文字の「n」と「M」及び「H」の有無に差異があるが他の構成文字の綴りは共通し、外観上近似した印象を与えるものであるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品には、引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているものである。

(2)本願商標と引用商標2との類否について

本願商標は、別掲のとおりの構成からなるものであり、前記(1)のとおり、特定の語義を有しない造語と認められ、「アンテック」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標2は、「ANTHEX」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は特定の語義を有しない造語であることから、一般には英語読みの称呼を生ずるといえるが、該商標の権利者はフランス法人であって、その名称を「アンテックス」と表している実情等を考慮すれば、該文字は、フランス語読みで「アンテックス」の称呼をも生ずるとみるのが相当である。

そこで、本願商標から生ずる「アンテック」と引用商標2から生ずる「アンテックス」の称呼を比較するに、両者は、語頭から続く「アンテック」の音を共通にし、語尾における「ス」の有無という差異を有するにすぎないものである。

そして、該差異音「ス」は、それ自体響きの弱い無声摩擦音であるばかりでなく、比較的聴取され難い語尾に位置することも相まって、極めて弱く聴取されることから、該「ス」の音の有無が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものということはできない。

そうとすれば、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が近似し、互いに相紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標と引用商標2とは、共に造語であることから観念においては比較できないが、称呼において類似するものである。そして、両者は、外観において、「H」の有無及び「c」と「X」の相違があり、他の構成文字の綴りを共通にするものであるところ、これらの外観上の相違点が両者の称呼の類似性を凌駕する程著しく相違するものとはいい難く、本願商標と引用商標2とは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定商品には、引用商標2の指定商品と同一の商品が含まれているものである。

(3)請求人の主張について

請求人は、平成21年6月12日付け手続補正書において、「社名の略称である本願商標は、長年にわたり本願指定商品について使用されており、常に、本願商標の態様での使用を行っていることから、本願商標はその外観及び称呼とが相まって、出願人の業務にかかる商品の出所を表示する標章として、取引者及び需要者間において、十分認識・理解されている」旨主張し、その証拠として、「その使用を示す書類」(甲第1号証の1ないし同14)、「秋葉原ショールームに関する記事」(甲第2号証の1及び同2)、「インターネット『antec』検索結果」(甲第3号証の1ないし同4)及び「アメリカ商標権に関する公報」(甲第4号証)を提出している。

これらの証拠からは、パソコンの部品に本願商標が使用されていること、英語の商品カタログに本願商標が記載されていること、「Antecショールーム」が2007年8月10日に秋葉原にオープンすることがウェブサイトに掲載されていること、アメリカにおいて本願商標が登録されていることは認められる。

しかしながら、インターネット「antec」の検索結果(甲第3号証の1ないし同4)は、「antec」の文字が含まれるウェブサイトの検索リストを表示するものであって、本願商標がコンピュータハードウェア及びアクセサリを含む指定商品全てについて使用されている事実を示すものとはいい難い。

また、提出された証拠を総合的に検討しても、本願商標が、我が国の取引者及び需要者間において、指定商品「電子応用機械器具及びその部品」との関係において、十分認識、理解されているとの証左は見い出しえないものである。

したがって、本願商標が、商品「電子応用機械器具及びその部品」に付されて取引者、需要者に広く知られていることを前提に、本願商標と引用商標が類似しないとする請求人の主張は、採用することができない。

さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例は、商標の構成及び指定商品等において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のこの主張も採用することはできない。

(4)結語

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして

本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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