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Trademark Appeal Case

おいしさ体感のキャッチフレーズ性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−6432(T2009−6432/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「おいしさ体感」の文字を書してなり、第29類及び第30類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成20年1月21日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、同年9月16日付けの手続補正書により、第29類「にんにくと卵黄を原材料としてなるソフトカプセル状の加工食品,ケフィアを主原料とする顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,乳製品を主成分とする顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,加工水産物を主成分とする顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,野菜又は果実を主成分とする顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,食用油脂,ケフィア,その他の乳製品,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと,豆」及び第30類「きな粉・ハトムギエキス末・デキストリン・乳果オリゴ糖を主原料とする粉状の加工食品,玄米・麦及び雑穀を原材料とした顆粒状・粉末状・液体状・ゲル状・カプセル状・錠剤状・煎餅状の加工食品,穀物を主成分とする顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,茶,調味料,香辛料,電子レンジ加工用米飯パック,穀物の加工品,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,発芽させてまぜ合せた雑穀,もちきび・もちあわ・押麦・ハト麦・玄米・胚麦・玄ソバ・アマランサス・洗い黒ごまを混合させた雑穀米」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『おいしさ体感』の文字を普通に横書きしてなるところ、該文字は、『おいしさを体感する』程の意味合いを認識させるものである。そして、食品を取扱う業界において、『おいしさ体感』の文字は、『おいしさを体感できる』ことを誇称的に表示する語として使用されている。そうとすれば、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者等は、商品の販売促進のためのキャッチフレーズの一種と理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 本願商標の商標法第3条第1項第6号の該当性について

本願商標は、前記第1のとおり、「おいしさ体感」の文字からなるところ、その構成中の「体感」の文字は、「身体に受ける感じ。自分の体の存在に対するやや漠然とした感覚。内部感覚の総合によって形成され、身体的自我の基礎をなす。」(広辞苑第六版)を意味するものであるから、該文字に「おいしさ」の文字を冠した構成文字全体からは「おいしさを身体(全体)で感じる」程の意味合いを理解・認識させるものである。

また、本願の指定商品を取り扱う業界のみならず、他の業界においても、食品等のおいしさをPRする目的のイベント、キャンペーン等が実施されており、これらのイベント等において、参加者が実際に食品等を手に取って、見て、触れ、嗅ぎ、味わえることができる試食・試飲等を通じて、商品の販売促進が図られているところであり、その際に、「おいしさ体感」、「美味しさ体感」あるいは、「おいしさ」と「体感」とを「を」で連結した「おいしさを体感」の語が、「おいしさを身体(全体)で感じる」程を意味する語として、広く採択・使用されている実情が、例えば、別掲に示す新聞記事情報及びインターネット情報からも認められる。

そうすると、本願商標は、全体として「おいしさを身体(全体)で感じる」程の意味合いを認識させるものであって、かつ、上記使用の実情をも考慮すれば、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「おいしさを視覚・味覚・嗅覚等を通じて感じる」、すなわち、「おいしさを身体(全体)で感じる」程を意味する、商品の販売促進を図る際の宣伝文句ないしはキャッチフレーズの一種として理解、把握させるに止まり、結局、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというべきである。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、「日本語で『おいしさ』は、『味に関する感覚』であり、通常は体感、即ち、身体で感じるものではなく、一般には『実感』するものであると考えられるところからすれば、本願商標は、『おいしさを身体全体で感じる』程の意味合いを意味する語ではあるが、日本語本来の表現からは逸脱した比喩的・暗示的な表現の造語であると判断する方が自然である」旨主張する。

確かに、「おいしさ(美味しさ)実感」が一般的に用いられている語であることは認められる。

しかしながら、請求人も認めるとおり、本願商標は、「おいしさを身体全体で感じる」程の意味合いを有する語であって、その意味合いとして、実際に「おいしさ体感」「美味しさ体感」「おいしさを体感」の語が広く採択・使用されているのが実情であることは、上記1のとおりである。

そうとすると、本願商標が、日本語本来の表現からは逸脱した比喩的・暗示的な表現の造語であるということはできない。

(2)また、請求人は、「本願商標は、その使用実態(甲第4号証及び甲第7号証−1、2)から見てキャッチフレーズと断定することはできず、むしろ自他商品の識別力があるとの判断の方が商取引の実体に合っていて自然である」旨主張する。

しかしながら、本願商標が、実際に、キャッチフレーズとして一般に使用されているか否かによって、キャッチフレーズと断定するのではなく、本願商標に接した取引者,需要者がこれをキャッチフレーズとして理解するのか否かによるものといえるものである(平成13年(行ケ)第00045号 東京高裁 平成13年6月28日判決言渡参照)。

そして、本願商標は、上記1のとおり、商品の販売促進を図る際の宣伝文句ないしはキャッチフレーズの一種として認定・判断したものである。

(3)さらに、請求人は、「過去の登録例を調査したところ、いずれの登録例についてもキャッチフレーズと見ることが可能であるにもかかわらず登録されている。したがって、本願商標がたとえキャッチフレーズと見る人がいたとしても、全体として自他商品の識別力が有れば登録されるべきであり、上記登録例と同様の判断がなされるべきである」旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に前記認定が左右されるものではない。

(4)したがって、請求人の上記(1)ないし(3)の主張は、いずれも採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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