Trademark Appeal Case
Power PRICEの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−9070(T2009−9070/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年6月28日に登録出願されたものである。
その後、指定役務については、原審における平成20年9月29日付け及び当審における平成21年6月25日付け手続補正書により、最終的に、別掲2のとおりの指定役務に補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定において、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願指定役務のうち、「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、一般的に百貨店、総合スーパー、総合商社等の事業に関するものであるが、出願人がその指定役務について出願に係る商標を使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるといわざるを得ない。また、全く業種が異なり、類似の関係にもない小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)を指定しているため、出願人が本願商標をこれらの小売等役務のいずれにも使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
(2)本願商標は、橙色の長方形内に、「Power PRICE」と書してなるところ、該文字は「低価格」等の意味合いで、一般に使用されていることから、これを本願指定役務に使用しても、これに接する需要者は、単に該役務が安い商品を提供する役務等であることの意味合いを認識するに止まり、結局、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項柱書の該当性について
本願の指定役務は、別掲2のとおり補正された結果、商標の使用又は使用の意思があることについての疑義がなくなったものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、橙色の矩形図形(以下、「図形」という。)内に、赤色の「Power」の欧文字及び白色の「PRICE」の欧文字をそれぞれ、やや右肩上がりに横書きしてなるところ、「power」が「力、能力」等を意味する語として、また、「price」は、「価格、値段」等(いずれも、ジーニアス英和大辞典)を意味する語として、それぞれよく知られているところである。
そして、本願指定役務を提供する業界では、本願商標の文字部分全体から容易に認識される「power price(パワープライス)」の文字が、「商品の価格を抑えた,商品を値下げした」程の意味合いにおいて、一般に採択・使用されている実情は、原審で提示した使用例以外にも、別掲3に示す新聞記事情報及びインターネット・ホームページの記載からも窺い知ることができる。
そうしてみると、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「取扱いにかかる商品が価格を抑えたものであること,取扱いにかかる商品が値下げしたものであること」を認識するにとどまるものである。
なお、本願商標は全体として、ややデザイン化されているとはいえ、構成中の図形部分は、ありふれた矩形の背景と認められ、該図形が特に強い印象を与えるというものではなく、また、各文字部分は、ややレタリングが施されているものの、この程度の図案化は、通常行われている手法であり、容易にローマ文字を表したものとして理解し得るものである。
したがって、本願商標全体として、ありふれた背景に「Power PRICE」の文字を横書きしてなるものと容易に認められるものとみるのが相当であるから、本願商標は、構成全体をもってしても上記意味合いを認識させるにすぎないものである。
すなわち、本願商標全体として、取引者等が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものというのが相当である。
(3)請求人の主張(要旨)について
請求人は、本願商標は、朱色の背景に強い色彩の赤と、明度差のある白色の文字を配置しており、これに接する取引者・需要者は特徴ある図形から強い印象を受けることは明らかである旨、主張している。
しかしながら、本願商標の図形部分と文字部分とが、色彩において明度差があるものであるとしても、既に述べたとおり、その図形部分が特に顕著な印象を与えるものではなく、構成全体としても上記(2)で認定したとおりの意味合いを認識させる以上に自他商品の識別標識としての機能を発揮するとはいえないから、請求人の主張は採用できない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定の理由は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、本願商標が商標法第3条第1項柱書きに該当するとした原査定の理由は、補正により解消した。
よって、結論のとおり審決する。
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