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Trademark Appeal Case

不使用取消における商標使用の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300506(T2009−300506/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2482340号商標(以下「本件商標」という。)は、「CASH AND CARRY」の文字を横書きしてなり、平成2年2月20日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録され、その後、平成15年1月14日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、平成16年4月14日に、指定商品を第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中、第20類『全指定商品』、第24類『全指定商品』及び第25類『全指定商品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、継続して過去3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中の第20類、第24類及び第25類の全指定商品について使用した事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 商標使用者

被請求人の主張によれば、商標使用者は、商標権者と解される。

イ 乙各号証について

(ア)乙第1号証(株式会社伊藤商店よりのインボイスのコピー)、乙第2号証(2009年6月27日よりのセール用化粧箱)及び乙第3号証(店舗用化粧箱)には、「(株)キャッシュアンドキャリー」、「株式会社キャッシュアンドキャリー」が表示されているが、これは、被請求人(商標権者)の商号を表示しているにすぎない。特に、化粧箱(乙第2号証、乙第3号証)については、被請求人の店舗で購入した商品を持ち帰るための包装箱であって、特定の商品の包装ではないので、現実に商品が収納されている包装箱とは認められない。

したがって、商標の「使用」(商標法第2条第3項各号)には該当しない。

(イ)乙第4号証(2008年 TOC徳の市ちらし)、乙第7号証(2007年秋セール時のCASH&CARRYメンバーヘのダイレクトメール)には、「CASH AND CARRY」、「Cash and Carry」が表示されているが、これも、被請求人の商号又は店舗名の表示にすぎず、特定の商品についての商標の「使用」(商標法第2条第3項各号)には該当しない。

(ウ)乙第5号証(五反田店舗風景)には、「CASH AND CARRY」の店舗看板が掲げられているが、これも、上記と同様に、被請求人の商号又は店舗名の表示にすぎず、特定の商品についての商標の「使用」(商標法第2条第3項各号)には該当しない。

(エ)乙第6号証(CASH&CARRY ニット)には、本件請求に係る指定商品(第25類 全指定商品)に含有されるものと推察される商品と、その下げ札に、本件商標が付されている。

しかしながら、乙第6号証は、撮影対象物件名、撮影日時等を明記していないため、何の商品を、いつ撮影したか全く不明である。特に、被請求人のウェブサイト(甲第1号証)を見ると、現在、被請求人は、ほとんど営業実態がないものと推察され、被請求人が「CASH&CARRY ニット」と呼んでいる乙第6号証に写っている商品が、被請求人の商品であるのかもわからない。

したがって、乙第6号証からは、商標の「使用」(商標法第2条第3項各号)とは認められないのみならず、「3年以内」(同法第50条第2項)の証明があったものとも認められない。

ウ むすび

以上のとおり、被請求人の答弁は、商標法第50条第2項の要件を満たすべきものではなく、指定商品「第25類 全指定商品」に係る商標登録は、取り消されるべきものである。

(3)再送付された乙第4号証に対する弁駁

乙第4号証は送付された欠損部分(日付部分)を考慮したとしても、被請求人の商号または店舗名の表示に過ぎず、特定の商品についての商標の「使用」(商標法第2条第3号各号)に該当せず、先の弁駁を覆すものではない。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。

被請求人は、昭和56年の創業以来、本日まで社名である「キャッシュアンドキャリー」、「CASH AND CARRY」などの名称を使用し、指定商品の卸売、小売をしている。

また、TV、雑誌などメディアでの露出も多くあり、多くの業者、消費者に上記名において広く認識されており高い評価を得ている。

4 当審の判断

(1)乙第4号証、乙第6号証及び乙第7各証によれば、以下の事実を認めることができる。

ア 乙第4号証は、B3の大きさのもの2枚を2つ折りにしたチラシであるところ、チラシの内容を表示した、いわば表面にあたる部分には、上段に「メーカー・卸売り TOC冬の徳の市」などの文字が表示され、下段に「東京卸売りセンター五反田TOCビル・AM10:00−Start」、「2008/11月28Fri.29Sat.30Sun.」の文字が表示されている。

また、2枚目の見開き右頁の「7F」と表示された部分には、「CASH AND」、「CARRY」の各文字を2段に表し、該「CARRY」の文字の右に、やや小さく「婦人服・靴・鞄」の文字を横書きにした表示のもとに、婦人服や鞄の写真が掲載されている。

イ 乙第6号証は、「CASH&CARRYCO.,LTD」の表示のある下げ札が付された商品「ニット」の現物である。

ウ 乙第7号証は、「2006 SUMMER CLEARANCE SALE」、「7/21(FRI)〜7/30(SUN)」などの記載があるダイレクトメールと認められ、この下部右端には、「Cash and Carry」の文字とその下に電話番号が記載されている。

(2)前記(1)で認定した事実を総合すると、被請求人は、婦人服等の小売等を業とする会社と認められるところ、本件審判の請求の登録(平成21年5月20日)前3年以内である2008年(平成20年)11月28日から30日にかけて東京・五反田で開催された特別売り出しに際して発行されたチラシ(乙第4号証)において、その取扱いに係る商品「婦人服・靴・鞄」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示し、広告をしたことが認められる。

また、それ以前の2006年(平成18年)7月21日から30日にかけて行われたクリアランスセールに際し、その顧客に宛てたダイレクトメール(乙第7号証)において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示したことが認められ、乙第4号証及び乙第6号証を併せ考慮すると、該ダイレクトメールは、被請求人の取扱いに係る婦人服等の広告をするために顧客に発送されたものと推認することができる。

そして、上記広告における商品中の「婦人服」は、本件請求に係る指定商品中、第25類に含まれる商品と認めることができる。

そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を請求に係る指定商品中の「婦人服」について使用をしていたというべきである。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、乙第4号証及び乙第7号証に表示されている「CASH AND CARRY」、「Cash and Carry」は、被請求人の商号又は店舗名の表示にすぎず、特定の商品についての商標の「使用」には該当しない旨主張する。

しかし、本件商標は、被請求人の名称である「株式会社キャッシュアンドキャリー」の文字中の「株式会社」の文字部分を除いた部分を英文字で表したものであるから、被請求人の名称を知る者にとっては、本件商標が商号の略称を表したものと理解する場合があることは否定できないとしても、そのような者がほとんどであるとは考えにくいこと、そもそも本件商標は、その指定商品に使用した場合に自他商品の識別標識としての機能を有する商標として登録されたものであり、上記使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であること、などを考慮すれば、上記使用に係る商標は、その需要者をして、被請求人の取扱いに係る商品「婦人服」等を表示する商標として理解され、出所表示機能、品質保証機能等を果たしていることは明らかである。

そして、これらの商標をチラシなどに表示し、頒布することは、商標法第2条第3項第8号に規定する「商品若しくは役務に関する広告・・取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する・・行為」に該当し、商標の使用にあたるというべきである。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

イ 請求人は、乙第6号証に関連して、現在、被請求人は、ほとんど営業実態がないものと推察される旨主張する。

しかし、仮に現在において、被請求人の営業がほとんどされていないものであるとしても、商標法第50条第2項は、「審判の請求の登録前3年以内に」と規定しているのであるから、上記期間内に、商標権者等により本件商標が使用されていれば、本件商標の登録が取り消されることはないものである。

そして、本件商標は、乙第4号証、乙第6号証及び乙第7各証を総合して勘案すれば、審判の請求の登録前3年以内に商標権者により請求に係る指定商品に含まれる「婦人服」に使用されていたと認め得ることは、前記認定のとおりである。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(4)むすび

以上のとおり、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件請求に係る指定商品中の「婦人服」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。

したがって、本件商標の指定商品中、取消請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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