Trademark Appeal Case
図形商標の外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900431(T2009−900431/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5256908号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年7月11日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年7月8日に登録査定、同年8月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人シャネル エス アー エール エル(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、後掲のとおりの商標であり、現に有効に存続しているものである(以下、申立人の引用する商標を順次「引用商標1」ないし「引用商標18」といい、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標とは、いずれも欧文字のアルファベット2文字をバランス良く背中合わせに交差させている点において構成の軌を同じくするものであり、本件商標構成中の「G」の文字と引用各商標構成中の「C」の文字との外観上の相違は非常に微細なものであることから、本件商標の図形部分は、引用各商標と外観上極めて近似した印象を与える図形であるということができる。
したがって、本件商標は、引用商標1ないし引用商標6と類似する商標であり、本件商標の指定商品中「被服、履物」は、引用商標1ないし引用商標6に係る指定商品の一部と同一の商品について使用するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人がファッション関連の商品等に使用して著名な引用各商標とその構成及び態様が酷似するものであり、本件商標から引用各商標を容易に連想できる商標である。また、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品は、互いに同一であるか、または、非常に高い関連性を有しており、その流通経路や取引者・需要者を同じくするものである。
したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合には、あたかも申立人若しくは申立人と何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人がファッション関連商品等に使用して著名であり、かつ構成上顕著な特徴を有する引用各商標と外観の印象を共通にする類似商標であるから、本件商標は、申立人の著名な引用各商標を不正の目的をもって使用するものと推認されるものである。また、本件商標は引用各商標に化体した高い名声・信用・評判にフリーライドする目的で出願した商標というべきであり、引用各商標の出所表示機能を稀釈化し、その名声を毀損させる商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、黒塗りの長方形の内部に、欧文字の「G」を背中合わせに結合させたかの如きモノグラム状の図形を大きく表し、該図形の上部に「GAZIANO」の欧文字を配し、該図形の下部に「GIRLING」の欧文字を配した構成からなるものである。
他方、引用各商標は、別掲(2)ないし別掲(9)に示したとおり、アルファベットの「C」を背中合わせに交差させたかの如き図形を基本とするものである。
そこで、本件商標の図形部分と引用各商標とを比較するに、両商標は、共に、アルファベット2文字を背中合わせに配した構成からなるとしても、本件商標の図形部分は、明らかに欧文字の「G」を組み合わせたものと理解・認識し得るものであり、しかも、その組合せ方も緊密に背中合わせにした構成からなるものである。これに対して、引用各商標の「C」字状の図形は、むしろ、2つの円を交差させ、その交差させた円の左右の一部を欠落させたかの如き態様のものであって、背中合わせに交差させた部分には、明瞭なる空白部分を有するものである。
そうとすれば、本件商標の図形部分と引用各商標とは、その構成態様において著しい差異を有しており、この差異は、比較的簡潔な構成よりなる両商標の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象を全く異にするものというべきであるから、これを時と所を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、少なくとも、本件商標の図形部分からは特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められるから、両商標の図形部分は、称呼及び観念については比較すべくもないものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、他に商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき格別の事情も見いだし得ないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
上記(1)のとおり、本件商標と引用各商標とは、非類似の商標であるから、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
なお、申立人は、審判決例等を挙げているが、それらの審判決例等で争われている商標は、本件商標とは商標の構成を異にするものであって、事案を異にするものというべきであるから、上記認定に影響を及ぼすものとは認められない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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