結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2009−900368(T2009−900368/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、 本件商標はその指定商品中第3類に属する全指定商品について商標法第3条第1項第6号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
また、手洗い、歯みがき等に、本件商標の指定商品である石けん、歯磨き等が使用されることも明白なところである。
これらのことからすれば、「清潔習慣」の語は、石けんをはじめとする本件商標の指定商品の広告等に広く使用されているものである。
商標権者に対して、平成22年4月5日付け取消理由通知書で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)一般的な使用
ア 「Y・Y NET」と称する横浜市教育委員会のウェブサイトにおいて、「ほけんだより」を見出しとするウェブページに、「*ほけんだより4月号PDFファイル2009,4,24発行 クリックしてね→」「テーマ『清潔習慣について考えよう』」との記載があり、その遷移先と認められる「保健だより4月」をタイトルとする資料には、タイトルの右下に「H21.4.24」「浦舟特別支援学校 保健室」の記載があり、文中には「・・・ 清潔習慣について考えよう」「朝起きてから、夜寝るまでにはどんな清潔習慣があるのか。」の記載があり、「みんなが考えた清潔習慣」として、「洗顔(顔を洗う)」「歯みがき」「髪をとかす」「うがい・手洗い」「お風呂」「爪切り」があげられ、「手洗い」「うがい」「おふろ・洗髪」「歯みがき」「爪切り」の説明が記載されている。
イ 「全国保健所長会」と称するウェブサイトに、表題を「新型インフルエンザ事業継続計画の手引き 第一版」とし、その下に「平成21年1月」「特別区保健所長会」と表示されたPDFファイルがあり、そこには「資料7 職員が身につけるべき衛生習慣」の見出しの下、「清潔習慣(清掃、手洗い、咳エチケット)」との記載がある。
ウ 表題を「ほけんだより 12月号」とし、「平成19年11月30日」「北区立王子第三小学校 校長...」とするお知らせにおいて、「12月1日 世界エイズデー」の見出しの下、「...日頃から、清潔習慣を身につける...」との記載がある。
エ いずれも本件商標の登録査定前に発表されたと認められる「基本生活習慣の定着をめざし、幼・保、小の連続性をふまえた生活指導の工夫」を表題とする論文及び「看護系大学生の日常の生活習慣について −看護技術履修前の1年生の実態調査−」を表題とする論文に、手洗いやうがいなどを清潔習慣としているる旨の記載がある。
オ 右上に「コスメトロジー研究報告 第11号(2003)」との表示がされた「日本の化粧意識の近代化をめぐる比較史的考察−清潔習慣の展開をめぐって」を表題とする資料には、「...『清潔』と『化粧』の関係の仕方との比較を行う。」の記載がある。
(2)本件取消請求に係る商品等についての使用
ア ユニ・チャーム株式会社の「『サマーキャンペーン』実施のご案内」を見出しとするウェブページに、商品「ウェットティッシュ(タイプの洗浄剤)」について、「2000年6月8日」の日付とともに、「夏 到来!ユニ・チャームは、『ソフイデリケートウェット』で、新しい清潔習慣を提案します」との記載がある。
イ 呉工業株式会社の「NEWS RELEASE 呉工業株式会社」を見出しとするウェブページに、ハンドケアにかかる商品について、「2006年9月15日 新発売」「...手ゆびの除菌・消毒ができるハンドケアで、新しい予防対策”新清潔習慣”をスタートさせましょう。」の記載がある。
ウ ライオン株式会社の「『キレイキレイ ブクブクガラガラ液』新発売」を見出しとするウェブページに、「LION 会社案内」として、「2005年10月5日」付けの「−発表資料−」があり、そこには「家族の清潔と...親子の清潔習慣『外から帰ったら”手洗い&うがい”』を新提案...」との表題の下、「...うがい薬『キレイキレイ ブクブクガラガラ液』を2005年11月23日(水)より全国にて新発売し、親子の清潔習慣として『外から帰ったら“手洗い&うがい”』を新提案いたします。」の記載がある。さらに、「1.発売の狙い」には、「...主婦に『清潔習慣としての子供のしつけ』について聞いたところ、『お風呂に入らせる』、『外から帰ったら手を洗わせる』、『外から帰ったらうがいをさせる』などをあげています」との記載があり、文末の「【『キレイキレイ』ブランドのラインナップ】には、商品名として「ブクブクガラガラ液」「薬用せっけん」「薬用ハンドソープ」「薬用ボディソープ」「お手ふきウェットシート」などの記載がある。
エ 同じくライオン株式会社の「プレスリリース|会社案内|ライオン株式会社」を見出しとするウェブページに、「2008年11月12日」付けの「−発表資料−」があり、そこには「家族の清潔習慣『外から帰ったら“手洗い&うがい”』を提案する『キレイキレイ』ブランドから...うがい薬『キレイキレイうがい薬』新発売」の表題の下、「親子で使えるうがい薬『キレイキレイうがい薬』を2008年11月19日(水)より全国にて新発売いたします。」の記載がある。さらに「1.発売の狙い」には、「...親の約7割が、『清潔習慣としての子供にしつけてる事』として『外出後のうがい』をあげており...」との記載があり、「6.『キレイキレイ』ブランドのラインナップ」には、商品名として「うがい薬」「薬用せっけん」「薬用ハンドソープ」「せいけつボディソープ」「お手ふきウェットシート」「薬用泡で出る消毒液」などの記載がある。
オ 「『フケ・かゆみをカビごとを洗おう』『新・清潔習慣体感』...So−net blog」を見出しとする2009年6月5日にプリントアウトされたウェブページに、「新 清潔習慣」及び「コラージュフルフル液体石鹸」と表示された商品パッケージの写真が掲載され、その下に「持田ヘルスケア『フケ・かゆみをカビごとを洗おう』キャンペーン」の記載及び投稿日時と推認される「2007−07−09 17:11」の記載がある。
ア 2008年12月1日付け「化学工業日報」(9頁)に、「ライオン、手洗いとうがいの清潔習慣づくりで啓発活動開始」の見出しの下、「...楽しく“手洗いとうがい”の清潔習慣づくりを啓発する活動を始めた。」との記載がある。
イ 1998年3月23日付け「Pharmaweek」(13頁)に、「<新製品>【OTC】」の見出しの下、「...肌の殺菌消毒ローション ゼリア新薬は、お肌の清潔習慣をコンセプトにした『アポスティーローション』を発売した。...」との記載がある(本件商標権者にかかる記事)。
ウ 1997年2月13日付け「日刊薬業」(9頁)に、「サンスター レッグケアシリーズ「ViViV(ヴィヴィーブ)」新発売」の見出しの下、「...また同日、子供の清潔習慣を提案する『ミッフィー フォームシリーズ』を新発売する。『フォームシャンプー(フルーツの香り/お花の香り)』、『薬用フォームハンドソープ』いずれも...」との記載がある。
エ 1989年10月27日付け「化学工業日報」(3頁)に、「日本石鹸洗剤工業会、若い女性向けの情報冊子を発行」の見出しの下、「この冊子は...最近の若い女性の清潔習慣に合わせて実用的に編集されている。ボディ編では肌や髪の手入れについての基本から応用までを解説、洗濯編では上手な洗濯の仕方、住まいと台所編は...」との記載がある。
オ 1989年2月3日付け「化学工業日報」(7頁)に、「健康は口から サンスター刊(化学工業図書館)」の見出しの下、「...最終の第四章の『歯をみがく』では、最も効果的な予防法は日常的な清潔習慣であることを強調、清潔の習慣化を推進しようとしている。...」との記載がある。
そして、「せっけん類」「歯磨き」「化粧品」など本件異議申立てに係る指定商品は、いずれも身体を清潔にする、あるいは清潔さを保つ商品といい得るものである。
そうとすると、「清潔習慣」の文字を標準文字で表してなる本件商標は、その登録査定時において、これを本件異議申立てに係る指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該文字を手洗い、うがい、歯みがきなどの清潔習慣(身体や身の回りを清潔にするための習慣)に欠かせない商品、または用いられる商品であることを表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、本件異議申立てに係る指定商品について使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
上記第3の取消理由通知に対し、商標権者は要旨次のとおり意見を述べている。
取消理由通知の使用証拠中に、「手洗い」「うがい」「歯磨き」などの体を清潔する行為及びそれに用いる商品「せっけん類」「うがい薬」「歯磨き」に、「清潔習慣」の表示が用いられている事実はいくつか認められた。
一方、取消理由に係る指定商品中「化粧品,香料類,一般化粧水,オーデコロン,スキンローション,乳液,粘液性化粧水,ハンドローション,ひげそり用化粧水,薬用化粧水,皮膚保護クリーム」については、普通に「清潔習慣」の表示が用いられている事実は認められなかった。
また、「清潔習慣」の文字が、うがい、手洗い、歯磨きなどの行為を指す用例は認められるものの、その意味は一定せず特定の観念を生ずるとは認められないし、さらに、化粧品または化粧品の使用を指す若しくは暗示すると認めるに足る事実は見いだせない。
「せっけん類」「歯磨き」を使用する目的の一つは身体を清潔にすることであるが、「化粧品」は体を清潔にする、あるいは清潔さを保つための商品ではない。一般に、「化粧品」は身体、顔などを美しくする、奇麗に見せることを主目的とする商品であり、「せっけん類」「歯磨き」とは求められるものが全く異なる。
取消理由通知の各証拠においても、「化粧品」について「清潔習慣」の文字は使用されていないし、化粧することと「清潔習慣」との間に関連が認められないことは、すでに述べたとおりである。
すなわち、「せっけん類」「歯磨き」と「化粧品」とを同列に扱って認定している点に誤りがある。取消理由通知の「・・・これに接する取引者、需要者は、当該文字を手洗い、うがい、歯磨きなどの清潔習慣(身体や身の回りを清潔にするための習慣)に欠かせない商品、または用いられる商品であることを表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないものと判断するのが相当です」との認定の中に「化粧品」「香料類」は含まれるべきではない。
商標の自他商品識別力は指定商品ごとに判断されるべきものである。
仮に、「清潔習慣」の文字(語)が、手洗い、うがい、入浴、洗髪及び歯磨きなど身体や身の回りを清潔にするための習慣を総称するものだとしても、「せっけん類」「歯磨き」「化粧品」「香料類」のそれぞれについて期待される品質は全く異なり、仮に「せっけん類」について、「清潔習慣」の文字が自他商品識別力を有さないとしても、他の指定商品について一律に判断されるべきではないから、この部分の認定に誤りがある。
本件商標を「化粧品」「香料類」に使用したとしても、用途や使用する場所を連想する表示とは認められず、事実「化粧品」「香料類」について普通に使用されている証拠もない。
したがって、取消理由通知の指定商品のうち少なくとも「化粧品,香料類,一般化粧水,オーデコロン,スキンローション,乳液,粘液性化粧水,ハンドローション,ひげそり用化粧水,薬用化粧水,皮膚保護クリーム」については商標法第3条第1項第6号に該当しない。
以上のとおり、本件商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの認定には誤りがあるので、本件商標の登録は維持されるべきである。
上記第3 1及び2で認定した事実によれば、「清潔習慣」の文字(語)は、1989年(平成元年)には既に新聞で使用され、少なくとも本件商標の登録査定前(登録査定日は平成21年4月27日)には、既に手洗い、うがい、入浴、洗髪及び歯みがきなど身体や身の回りを清潔にするための習慣を総称するものとして、一般に使用されていたものといえる。
また、当該文字(語)は、上記第3 1(2)ア、ウ、エ、オ及び同2 ウの事実からすれば、本件商標の登録査定前(登録査定日は平成21年4月27日)には、洗浄剤、うがい薬、せっけん、シャンプーなどの洗いやうがいなどに用いられる商品の説明においても同様の意味で使用されていたものといえる。
そして、「せっけん類」「歯磨き」は、いずれも身体を清潔にする、あるいは清潔さを保つ商品である。
そうとすると、「清潔習慣」の文字を標準文字で表してなる本件商標は、その登録査定時において、これを本件異議申立てに係る指定商品中「せっけん類」及び「歯磨き」について使用をした場合、これに接する取引者、需要者は、当該文字を手洗い、歯みがきなどの清潔習慣(身体を清潔にするための習慣)に、欠かせない、または用いられる商品であることを表示したものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
なお、商標権者は本件商標の登録は維持されるべきである旨主張するところがあるが、本件商標はこれを「せっけん類」及び「歯磨き」について使用をするときは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であること上述のとおりであるから、これらの指定商品についての商標権者の主張は採用することができない。
「清潔習慣」の文字(語)が、手洗い、うがい、入浴、洗髪及び歯みがきなど身体や身の回りを清潔にするための習慣を総称するものとして一般に使用されていたものといえること、上記2のとおりであるが、申立人提出の証拠のよっては、本件商標は、これをその指定商品中「化粧品,香料類,一般化粧水,オーデコロン,スキンローション,乳液,粘液性化粧水,ハンドローション,ひげそり用化粧水,薬用化粧水,皮膚保護クリーム」について使用をした場合、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とは認めることはできず、また、認めるに足る証左も発見できなかった。
そうとすれば、本件商標は、これをその指定商品中当該商品について使用するときは、自他商品の識別標識としての機能を有するものといわなければならない。
そして、その余の登録異議の申立てに係る指定商品については、本件商標は自他商品の識別標識としての機能を有するものとして認識されるというべきであって、その登録を取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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