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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900408(T2009−900408/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5250889号商標の指定商品中「第25類 洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5250889号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成20年7月28日に登録出願、第9類「業務用テレビゲーム機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」及び第41類「ダンスの興行の企画・運営又は開催,ダンス競技会の企画・運営又は開催,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,ダンスの演出又は上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」を指定商品又は指定役務として、同21年5月12日に登録査定、同年7月24日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に該当するから、同法第43条の2第1項第1号により、取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第35号証を提出している。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)引用商標

申立人が引用する登録第1717747号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示したとおり、「arena」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年5月2日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年9月26日に設定登録され、平成17年10月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、その後、指定商品については、平成17年10月12日に、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換登録がなされているものである。

上記引用商標1ほかに、別掲(3)ないし(10)に示したとおりの8件の登録商標(以下「引用商標2」ないし「引用商標9」という。)を引用している(以下引用商標1ないし9をまとめて「引用商標」という。)。そして、引用商標は、現に有効に存続しているものである。

(2)引用標章

申立人は、自ら「水泳着、運動着」などに使用する標章として引用する標章は以下のとおりである。

ア 引用標章1は、別掲(11)のとおり、「arena」の欧文字を横書きした構成からなるものである。

イ 引用標章2は、別掲(12)のとおり、「arena」の欧文字を横書きしその下に図形を配した構成の結合商標よりなるものである。

ウ 引用標章3は、別掲(13)のとおり、「AREANA」の欧文字を横書きした構成からなるものである。

エ 引用標章4は、別掲(14)のとおり、「アリーナ」の片仮名を横書きした構成からなるものである。

なお、引用標章1及び引用標章2を併せて、以下「引用標章」という。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、指定商品との関係において、「ダンス/Dance」の文字部分は識別力のある語とはいえず、識別力を有するのは、「ARENA/アリーナ」の文字部分であるから、該部分から「アリーナ」の称呼をも生ずる。

一方、引用商標は、その構成文字から「アリーナ」の称呼を生ずるものである。

したがって、本件商標と引用商標とは「アリーナ」の称呼を共通にする類似の商標であり、指定商品も互いに抵触するから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

引用商標1、4、5、7及び8は、申立人商標として、広く一般に知られているものであるから、これと類似する本件商標が申立人に係る指定商品に使用された場合、商品の出所に混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 商標法第4条第1項第10号、同第19号及び同第7号について

引用標章1ないし4は、別掲(11)ないし(14)の示す構成からなるところ、「スイムウェア,スポーツウェア」について、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、これらと類似する本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。

また、本件商標をその指定商品に使用することは、申立人が長年の営業努力により、引用標章1ないし4に蓄積した業務上の信用にフリーライドする意思が推認されるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

さらに、そのことは、客観的に公正な競業秩序維持を害し、公共の秩序を害するおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

第3 本件商標に対する取消理由の要旨

当審において、平成22年3月3日付けで商標権者に対し通知した取消理由は次のとおりである。

1 引用標章の著名性について

甲第15号証ないし甲第33号証によれば、引用標章1及び引用標章2などのブランドは1970年代初期「アリーナ」ブランドとしてドイツアディダス社の子会社で使用が開始されたものであり(フリー百科事典「Wikipedia」の「デサント」の項)、1972年ミュンヘンオリンピックで金メダル7個を獲得したマーク・スピッツが着用していたことで有名となったこと、昭和51(1976)年に申立人は前記社とのライセンス契約を結び競泳用水着のテストセールを開始したこと、以後申立人は今日まで「水泳着、運動着」などの製造、販売を継続して行っており、引用標章は各商品に付され、また商品カタログに掲載するなどして使用されていること(甲第15号証、甲第23号証ないし甲第28号証)、申立人の事業概況は2006年度ないし2007年度において、「スポーツアパレル/メーカー別国内出荷金額ランキング」及び「スポーツアパレル/ブランド別国内出荷金額ランキング」では業界トップクラスであり、「スイムスーツ/メーカー別国内出荷額」については業界トップであり、引用標章についての「スイムスーツ/ブランド別国内出荷額」、「競泳用水着 ブランドシェア」では「アリーナ」はトップブランドとなっていること(甲第18号証、甲第19号証)、自社のホームページに引用標章を使用し水着などの広告がなされていること(甲第15号証、甲第32号証)、2004(平成16)年AIPPI・JAPAN発行の「日本有名商標集」には引用標章2が掲載されていること(甲第22号証)の各事実が認められる。

以上の事実によれば、引用標章は、申立人の業務に係る商品「水泳着、運動着」を表示する標章として、遅くとも本件商標の登録出願前には、その取引者・需要者の間において、広く認識されていたものである。

本件商標の登録出願後においても、引用標章は、申立人が商品カタログに掲載するなど(甲第29号証)、申立人の業務に係る商品「水泳着,運動着」を表示する標章として継続して使用し、2009年4月27日付け日経産業新聞に高速水着に関する記事(甲第33号証)として引用標章が取り上げられていることが認められ、本件商標の登録査定当時に至るまでその著名性が継続していたものである。

2 本件商標の商標法第4条第1項第15号の該当性について

本件商標は、別掲(1)のとおり、下段に「Dance Arena」の欧文字をやや大きく表し、その上段に前記欧文字に比較して小さく「ダンス アリーナ」の片仮名文字を表した構成よりなるところ、構成中の「ダンス」と「アリーナ」の片仮名文字及び「Dance」と「Arena」の欧文字とが1文字文の空白をもった結合商標よりなるものであるが、これらを一連に表した「ダンス アリーナ」の片仮名文字及び「Dance Arena」の欧文字が、我が国において既成語を表すものとして知られているものではない。

そして、その構成中の「ダンス/Dance」の文字部分は、片仮名文字部分の「ダンス」が「社交ダンス」の意味を有する外来語(コンサイス外来語辞典)及び下段に表された欧文字部分の「Dance」が「ダンス」(研究社新英和中辞典)の意味を有する英語として我が国において良く知られている。

また、構成中の「アリーナ/Arena」の文字部分は、片仮名文字部分が欧文字部分の読みを表すものであり、片仮名文字部分及び欧文字部分が近時我が国において「競技場、屋内競技場」などの意味を有する外来語(コンサイス外来語辞典)でもあり、英語としてよく知られるようになったものであり、上記1のとおり申立人の業務に係る商品「水泳着、運動着」について使用され、著名となっている引用標章と同一の綴り字よりなるものである。

そうすると、本件商標に接する需要者は、その構成中の「アリーナ」及び「Arena」の文字部分に強く印象づけられ、記憶するものとみるのが相当であるから、これをその指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして引用標章を想起、連想させ、その商品が申立人若しくは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものである。

第4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)の構成からなるところ、構成各文字は、同書、同大に外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ダンスアリーナ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。

そうとすれば、本件商標構成中の「ダンス/Dance」の文字部分がその指定商品の用途等を表す語として用いられているとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

してみれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ダンスアリーナ」の称呼のみを生ずるものであって、単に「アリーナ」の称呼が生ずることはないものといわなければならないから、本件商標から単に「アリーナ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

また、本件商標と引用商標の構成は、上記のとおりであるから、外観上、互いに区別し得るものであるし、さらに、本件商標は特定の観念を生じない造語と認められるから、観念上も比較すべくもないものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第10号、同第19号及び同第7号について

本件商標は、別掲(1)のとおり、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であるから、「arena」、「ARENA」の各欧文字を構成要素とする引用標章1ないし4とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

してみれば、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

さらに、本件商標と引用標章1ないし4とは、非類似の商標であること上記のとおりであり、本件商標を不正の目的をもって使用するものともいえないし、また、公正な競業秩序維持を害し、公共の秩序を害するものということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同第7号にも該当しないものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

平成22年3月3日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、所定の期間が経過するも商標権者からは何らの応答もない。そして、上記第3の取消理由は妥当なものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものである。

(4)結語

以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」について、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。

また、その余の指定商品及び指定役務については、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号、同第19号及び同第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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