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Trademark Appeal Case

周知商標の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900334(T2009−900334/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5233428号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5233428号商標(以下「本件商標」という。)は、「強強打破」の漢字を標準文字で表してなり、平成20年9月17日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同21年4月17日に登録査定、同年5月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要旨)

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、50ml瓶詰めの栄養ドリンク「眠眠打破」を1997年より販売を開始し、覚せい効果のある栄養ドリンクの代表作といわれるまでに周知著名になった。そして、2006年に「眠眠打破」にガラナ成分を配合し、カフェイン量を120mgから150mgにパワーアップした強化版として新商品「強強打破」を追加して、これにより更に営業実績を拡大することとなった。

本件商標の出願ないし登録の日には、引用商標「強強打破」は、我が国において申立人の業務にかかる機能性ドリンク剤を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標となっていて、本件商標は、この申立人の周知商標と同一ないし類似するため商標法第4条第1項第10号に該当し、登録することができないにもかかわらず、誤って登録されたものである。

(2)引用商標「強強打破」は、本件商標の出願ないし登録の日には、我が国において申立人の商標として周知著名となっていて、また、本件指定商品である「薬剤」は、申立人が「強強打破」として著名性を獲得している機能性ドリンク剤と、その販売部門・生産部門・原材料・需要者の範囲を同じくする極めて関連性の高い商品であり、本件商標をその指定商品に使用すると、「強強打破」の表示に係る商品が、申立人の商品と混同するため商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができないにもかかわらず、誤って登録されたものである。

(3)引用商標「強強打破」は、申立人の製造販売商品を表示するものとして日本国内の需要者の間に広く認識されているが、商標権者は、引用商標が商品「薬剤」において商標登録されていないことを奇貨として、引用商標の名声・信用等にただ乗りして不正な利益を得る目的ないしは申立人に損害を与える目的をもって、本件商標を登録出願したものと推認されるから、商標法第4条第1項第19号に該当し、登録することができないにもかかわらず、誤って登録されたものである。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、商標権者に対し、平成22年2月23日付け取消理由通知書をもって通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。

(1)引用商標の著名性について

申立人の提出した甲各号証によれば、引用商標に関して、以下の事実が認められる。

ア H・Bフーズマーケティング便覧2008 No.1−健康志向食品編−(2007年10月28日株式会社富士経済発行:甲第5号証)抜粋によれば、覚せい効果を訴求する商品(「明らか食品」及びドリンク類)の動向分析として、「2006年10月に常磐薬品工業が『強強打破』を発売し、大きく実績を拡大していることから、ドリンク類のウエイトが高まる傾向にある。」と記載されているほか、上記商品分野における「強強打破」の販売額及びシェアについて、2006年は、3億3千万円、1.8%、2007年(見込み)は、13億4千万円7.0%とする記載がある。

イ 「強強打破売上実績」(甲第6号証)によれば、2006年9月から2007年6月の間は、販売個数4,656,614、上代売上額¥1,857,988,986、2007年7月から2008年6月の間は、販売個数6,828,766、上代売上額¥2,724,677,634、及び2008年7月から2009年6月の間は、販売個数6,930,688、上代売上額¥2,765,344,512との記載がされている。

ウ 清涼飲料水「強強打破」の2006年10月9日からの発売について、「読売新聞」(掲載日2006年10月4日)、「岡山日日新聞」(掲載日2006年10月5日)、「東京新聞」(掲載日2006年10月3日)、「防長新聞」(掲載日2006年10月7日)「釧路新聞」(掲載日2006年10月11日)及び「十勝毎日新聞」(掲載日2006年10月11日)に商品紹介の記事が掲載された(甲第7号証)。

また、ニュースサイト「ITmedia Biz.ID」(掲載日2006年10月2日 甲第10号証)及び「J-CASTニュース」(掲載日2006年9月30日 甲第11号証)に、上記同様の記事が掲載された。

エ 雑誌「Begin」(2007年1月号 甲第9号証)に商品「強強打破」の紹介記事が写真と共に掲載され、同じく「Gainer」(2007年10月号 甲第8号証)に商品「強強打破」に関連した記事が掲載されている。

オ 放送確認書(スポット)(甲第12号証)によれば、FM局「FM802」において2006年12月ないし2007年4月、2007年7月、2008年2月及び3月の間に、「J−WAVE」において2007年1月ないし4月、2007年7月、2008年2月及び3月、「四国放送」において2007年7月に、及び「ラジオ日本」において2008年2月に「強強打破」について、ラジオ放送によるコマーシャルが行われた。

カ 2008年5月24日に全国ロードショーされた映画「ランボー〜最後の戦場〜」との上映に当たってのタイアップ広告として、タクシーステッカー広告やフリーペーパー、交通広告、劇場スクリーン広告において、「強強打破」及びシリーズ商品「眠眠打破」に関連した「強強打破する?」との宣伝文句と共に「強強打破」の商品写真を掲載し、その宣伝、広告を行ったことが認められる(甲第14ないし16号証)。

以上の認定事実によれば、申立人は、引用商標「強強打破」を付した、「カフェイン」等の覚醒成分ほか、滋養強壮に効くとされるガラナ、高麗ニンジンなどを配合し、訴求効能を覚醒効果とする清涼飲料水を2006年10月に発売し、それが全国紙や地方紙、雑誌などに取り上げられたばかりでなく、ラジオ放送やロードショーされた映画とのタイアップ広告に係る各媒体を利用した宣伝、広告などを行い、その上代売上実績は、2006年9月から2007年6月の間は、約18億円、2007年7月から2008年6月の間は、約27億円、2008年7月から2009年6月の間は、約27億円であることが認められる。

してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時(平成20(2008)年9月17日)はもとより登録査定時(平成21(2009)年4月17日)を含むその後においても、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く知られていたというのが相当である。

(2)混同を生ずるおそれについて

本件商標及び引用商標は、共に「強強打破」の漢字4字から構成されるものであるから、「キョウキョウダハ」の称呼を生じる略同一の商標というべきものである。

そして、「強強打破」の文字及び前半部の「強強」の文字は、特定の意味を有する語として知られているものではなく、引用商標の創造性は高いものと認められる。

また、本件商標の指定商品「薬剤」は、一般消費者を需要者としコンビニエンスストアなどにおいて販売されている滋養強壮剤などの医薬部外品を含むものであり、引用商標の使用に係る覚せい効果のための清涼飲料も一般消費者を需要者とし、コンビニエンスストアなどにおいて販売されている商品であるから、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品とは、その需要者、販売場所等を共通にすることが多く、少なからぬ関連性を有するものというべきである。

そうとすると、本件商標と引用商標は、共に「強強打破」の文字からなる略同一の商標であり、引用商標の周知著名性、使用される商品の関連性、需要者の共通性、引用商標の独創性等を総合してみれば、本件商標の登録査定時はもとよりその出願時において、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人若しくは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

商標権者は、前記3の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本件商標についてした前記3の取消理由は妥当であって、本件登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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