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Trademark Appeal Case

欧文字屋号の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−32825(T2008−32825/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「FUKUSHIMAYA」の欧文字を標準文字で表してなり、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年6月27日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、ありふれた氏の一つである『福島』に通ずる『FUKUSHIMA』の文字と、屋号を表す『屋』に通ずる『YA』の文字を一連にして『FUKUSHIMAYA』と表したものであるから、本願商標は、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋

当審において、平成21年7月13日付けの審尋において、要旨以下の内容を通知し、相当の期間を指定して請求人に意見を求めたものである。

本願商標は、「FUKUSHIMAYA」の文字を標準文字で表してなるところ、「FUKUSHIMAYA」の文字は、「福島屋」の語を単にローマ字で表示したにすぎないものと容易に認識し得るものである。

そして、「iタウンページ」(http://itp.ne.jp/)において、キーワード「福島屋」の文字で検索すると、別掲の「『福島屋』の文字を店名として使用している一例」に示すとおり、「福島屋」の語は、店名を表示するものとして多数の者が使用していることからすれば、「福島屋」の文字は、ありふれた名称であることが認められるものである。

してみれば、本願商標は、ありふれた名称である「福島屋」を、ローマ字で表示したにすぎないものであるから、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。

第4 当審における審尋に対する請求人の意見

前記第3の「審尋」に対して、請求人は、平成21年8月21日付けの回答書において、要旨以下のように述べている。

1 古くから屋号として、「氏+屋」の態様が用いられていることは周知の事実であるが、このような態様の屋号であると一般に認識されるのは、あくまでそれがすべて漢字表記されている場合である。

しかしながら、「福島屋」のような伝統的な和風イメージのある名称を、あえてローマ字表記することは、決して一般的ではなく、たとえ「福島屋」がありふれた名称であったとしても、ローマ字の「FUKUSHIMAYA」は決してありふれた名称ではない。

2 平成21年3月3日付提出の手続補正書等において示した先例の他、登録第4629875号商標(商標「Matsuzakaya」)、登録第3189305号商標(商標「yosHInoyA」)も、商標法第3条第2項の規定によることなく、登録となっており、これらの商標と本願商標は、構成態様を同一にしているものである。

3 原査定において、本願商標と例示した先登録商標は、本願と事案を同一にするものであり、事案を多少異にすると考えたとしても、根本的な考え方は同一であるから、本願についてもそれら先登録商標と同一に扱われるべきである。

4 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号には該当しないと認定されるべきである。

第5 当審の判断

本願商標は、「FUKUSHIMAYA」の欧文字からなるものである。

ところで、「福島」は、「広辞苑第六版」によれば、「姓氏の一つ。」と記載されており、また、「福島」の姓は、「日本人の姓」(佐久間英著、1972年3月8日 六藝書房発行)によれば、約10万人で全国92位に位置づけられる姓であることが記載されていることから、ありふれた氏といい得るものである。

また、「屋」は、「その職業の家またはその人を表す語。」等を意味する語(広辞苑第六版)を意味するものであり、屋号や店名に広く使用されるものである。

そして、これらを結合してなる「福島屋」は、全体として、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示するものとして理解されるとみるのが相当であって、また、別掲に示す「『福島屋』の文字を店名として使用している一例」のとおり、「福島屋」の語は、多数の者が、これを店名として使用していることが認められるものである。

さらに、屋号を表記する際、漢字のみに限らず、平仮名、欧文字等をもって表わすことも普通に行われているものである。

そうとすると、本願商標は、ありふれた名称である「福島屋」の文字を欧文字で表したものと容易に理解・認識されるとみるのが相当である。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第4号に該当するものである。

なお、請求人は、「例え、『福島屋』がありふれた名称であったとしても、ローマ字の『FUKUSHIMAYA』は決してありふれた名称ではない。また、本願商標と同様にありふれた名称と『屋』を結合したものを、ローマ字で表した商標が、商標法第3条第1項第4号に該当することなく登録となっている。そうとすれば、本願商標『FUKUSHIMAYA』は、ありふれた名称を表示するものとはいえず、商標法第3条第1項第4号には該当しない。」旨、主張する。

しかしながら、実際に、店名を表記する際に、漢字のみに限らず、欧文字をもって表わしている実情が、例えば、「上州屋/JOHSHUYA」(http://www.johshuya.co.jp/)「岩田屋/IWATAYA」(http://www.iwataya.co.jp/shopping/shop_base_items.asp?genre=1&category1=590&category2=1531)「河内屋/KAWACHIYA」(http://www.rakuten.co.jp/kawachi/info.html)「松風屋/Matsukazeya」(http://www.matsukazeya.co.jp/)のインターネット情報から窺えるものである。

そうとすると、前記したとおり、本願商標「FUKUSHIMAYA」の文字は、ありふれた名称である「福島屋」を欧文字で表記したにすぎないものと認識し、かつ、商取引の実情において、店名を欧文字で表記する場合も、決して少なくないといえるものである。

してみれば、請求人の「『福島屋』がありふれた名称であったとしても、ローマ字の『FUKUSHIMAYA』は決してありふれた名称ではない。」とする主張は、採用することができない。

また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第4号に該当するものであるかどうかの判断は、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標と同一の構成態様ではない、他の登録例の存在によって、本願商標の同号の適用性の判断が左右されるものではない。

よって、請求人のかかる主張も採用できない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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