Trademark Appeal Case
旧国名と屋号の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−6464(T2009−6464/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「讃岐庵」の文字を標準文字で表してなり、第30類「穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,調味料」を指定商品として、平成19年12月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『讃岐庵』の文字を標準文字により書してなるところ、その構成中、『讃岐』の文字部分は、香川県の旧国名を表し、『庵』の文字部分は、飲食店や食品を販売する店の屋号として一般に使用されている語であるから、全体として『香川県産の商品を販売する店』程の意味合いを認識するにすぎず、これをその指定商品中、例えば『香川県産の穀物の加工品,香川県に由来する穀物の加工品』等に使用しても、これに接する需要者等は、単に『香川県産の穀物の加工品等を販売、提供する店,香川県に由来する穀物の加工品等を販売、提供する店』等として認識するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないと判断するのが相当であるから、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり「讃岐庵」の文字を標準文字で表してなり、その構成中「讃岐」の文字(語)が、「旧国名。今の香川県。」(岩波書店 広辞苑 第六版)の意味を有する語である。
また、「讃岐」の文字(語)は、指定商品中に含まれる「うどんのめん」との関係において、「讃岐うどん」を容易に想起させる語である。
このことは、別掲1のとおり、原査定において示した【参考情報】中の(1)、(2)及び(4)からも明らかである。
そして、「庵」の語は飲食店の屋号として一般的に使用されていることが、原査定において示した同(5)から明らかである。
さらに、職権による調査によれば、本願指定商品中「穀物の加工品」との関係において、例えば別掲2のとおり、「うどん店」等の店舗において、自宅でも同じ味を楽しめるように「麺及びスープのセット」又は「麺」の商品として、店頭販売が広く行われている取引きの事実がある。
これらの事実からすれば、うどんの産地として有名な香川県の旧国名として認識される「讃岐」の文字と飲食店等の屋号として容易に認識される「庵」の文字を結合した本願商標は、これを、その指定商品中、「うどんのめん」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は「讃岐うどんを販売している店」と認識するものであり、また、これをその指定商品中、「穀物の加工品」に使用しても、「香川県産の穀物の加工品を販売する店」程の意味を表わしたにすぎず、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと判断するのが相当であり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
ところで、請求人は、「『旧国名』+『庵、屋、亭』等の旧国名屋号は、多種多様の業種の屋号に適応しているため、これに接する需要者が、直ちに『○○(旧国名)県産の商品を販売する店』として認識するようなことはない。旧国名屋号であっても、『○○(旧国名)庵』は、基本的にはありふれた名称ではない。使用例も少ない。」旨主張する。
しかしながら、本願商標が、全体として「香川県産の穀物の加工品を販売する店」程の意味を表したものと理解されるにとどまるものであることは前記のとおりである。
また、商標法第3条第1項各号は、当該商標が、自他商品の識別標識として機能する部分を有していない場合は、登録できない旨を定めたものであるところ、その判断に当たっては、「取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことのゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、適用する時点において、当該表示態様が、現実に使用されていることは必ずしも必要でないものと解すべきである。」(平成13年12月26日 東京高等裁判所 平成13年(行ケ)第207号)と判示していることから、本願商標「讃岐庵」と同一の使用例が少ないからといって、商標登録を受けることはできない。
さらに、請求人があげた過去の登録例については、商標の構成及び使用されている語と指定商品との関連性や結びつきの強さが異なるなど、事案を異にするものであり、また、ある商標が識別力を有するか否かの判断は、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから、本願の判断に影響を与えるものとは認められない。
よって、請求人の前記主張はいずれも採用できない。
したがって、原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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