結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300454(T2009−300454/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2723314号商標(以下「本件商標」という。)は、「ECOPAC」の欧文字で表してなり、昭和63年4月26日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年10月24日に設定登録、その後、同19年5月1日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、同19年10月10日に指定商品を第6類「金属製包装用容器(金属製栓,金属製ふたを除く。)」、第16類「紙製包装用容器」及び第20類「プラスチック製包装用葉,その他の木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、その指定商品中の「第16類 紙製包装用容器」「第20類 プラスチック製包装用葉,その他の木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」ついて継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「第16類 紙製包装用容器」「第20類 プラスチック製包装用葉,その他の木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」について、取り消されるべきものである。
(1)通常使用権者による使用について
被請求人は、本件商標に関し、プラスチック製包装用容器について、本件商標の使用を認める使用許諾契約を株式会社アテニア(以下「本件使用権者」という。)との間で締結し、当該使用許諾契約に基づき、本件使用権者が本件商標を使用している旨主張している。
そして、本件使用権者による本件商標の使用の事実の裏付けとなる証拠として、乙第7号証ないし乙第10号証を提出している。
かかる乙第7号証ないし乙第10号証を見ると、そこでは、いずれもカタカナ表記で記載された「エコパック」との表示のみ確認することができる。
ところで、本件商標は、その構成がアルファベット表記のみからなる「ECOPAC」であるが、請求人は、実際に使用されている「エコパック」と本件商標「ECOPAC」とが社会通念上同一であると主張する。
しかしながら、かかる主張は、以下の理由により失当である。
すなわち、登録された商標と実際に使用された商標とが社会通念上同一であると言い得るためには、少なくとも、両商標が同一の称呼及び観念を生ずるものでなければならない。
しかるに、本件商標は、その構成を見るに、「ECOPAC」の文字全体が、同書、同体、同間隔をもって調和よく軽重の差がない態様で一連に表示してなるものであって、その構成上、全体の称呼においてもさほど冗長にわたるものではないといえるものである。
また、「包装物、荷造り、包装」等いわゆる「包装用容器」を指称する外来語として商取引上普通に採択されている語は、「Package」あるいは「Pack」であるところ(甲第1の1号証)、本件商標の構成中の後半部の文字は、「PAC」の文字よりなるものであり、よって、当該「PAC」の文字は、これを商品の「プラスチック製包装用容器」に使用しても、その商品の品質、用途、用法等を直接に表す記述的なものであるとは、言い得ない。
したがって、本件商標の前半部の「ECO」の文字と一連に表記した本件商標「ECOPAC」は、特異の構成よりなるもので、特定の観念を生じえない創造語よりなるものというべきである。
この点に関し、被請求人自身が、本件商標の審査段階における意見書(甲第2の1号証)、拒絶査定不服審判段階における審判請求書(甲第3号証)、及び、本件商標に対する登録異議申立における答弁書(甲第4号証)の中で、本件商標「ECOPAC」が特異の構成よりなるもので、特定の観念を生じえない創造語である旨を繰り返し述べている。
また、被請求人は、本件答弁書の中で、「PAC」の文字が「パッケージ(PACKAGE)すなわち包装、包装容器」の省略形として通用していることを特許庁が認めている旨主張する。
しかしながら、かかる特許庁の判断というものは、本件商標の審査段階において、一審査官によりなされた拒絶査定の中で述べられているにすぎず、その後の拒絶査定不服審判における審決(甲第5号証)、及び、登録異議申立における決定(甲第6号証)においては、前記拒絶査定の判断を覆し、「本願商標は、『エコパック』と一連にのみ称呼され特定の観念を有しない造語よりなるものと判断するのが相当である。」との判断が示されている。
以上のとおり、本件商標「ECOPAC」は、その構成より、特定の観念を生じえない創造語であるということができる。
一方、本件使用権者により使用されている商標「エコパック」について見るに、かかる商標を包装容器に使用した場合、その構成から、「エコロジーな包装、環境にやさしい包装」との観念を生じる。
すなわち、商標「エコパック」を包装容器に使用した場合、当該商標に接した一般需要者及び取引者は、その構成より、商標の前半部分の「エコ」が「エコロジー」を省略したものであり、後半部分の「パック」が「包装用容器」を意味する英語の「Pack」をカタカナ表記としたものであると容易に理解できる。
そして、実際の取引実情においても、昨今のいわゆるエコブームの中、需要者・取引者の環境問題意識はますます高まっており、量販店などにおいて、包装袋の代わりとなるマイバッグを持参することを消費者に推奨することが一般的になっている。
このような流れの中、個別の商品の包装・梱包もなるべく無駄を排し、商品の包装を簡易化する、また、一包装あたりの内容量を増やして、無駄な包装を出さないようにするということがなされており、具体的には、このような包装の簡易化、削減に貢献する商品について「エコパック」との表記を商品名(包装の内容物)と併記して販売する例が多数見られる。
例えば、「しょくこストアー」というウェブサイト中、商品「ソルレオーネ ダイストマト390g(エコパック)」を販売するホームページでは、「ダイス・トマトを『エコ・タイプ』の紙パックに充填、保存のしやすさ、使いやすさが特徴です。」との記載が見られる(甲第7号証)。
また、「死海の海の水嶋屋」というウェブサイト中、商品「死海の塩エコパック5kg」を販売するホームページでは、「当店では死海の塩5kgを販売させて頂きましたが、繰り返し、ケースと軽量カップをご提供することが無駄であるというお声を頂戴いたしました。そこで、この度死海の塩5kgの簡素型である『死海の塩エコパック5kg』をご用意させて頂きました。」との記載が見られる(甲第8号証)。
また、「Vegefru」というウェブサイト中、商品「野菜ソース」を販売するホームページでは、「お得なエコパックが新登場。2倍の量で割安。」との記載が見られる(甲第9号証)。
また、「京都・舞鶴かまぼこ 株式会社嶋七」のウェブサイト中、商品「さつま揚げ業務用エコパック」を販売するホームページでは、「ゴミ問題の環境に配慮した天ぷら(さつま揚げ)の業務用エコパックを販売することになりました。1袋に、通常パックの倍ほどの量が入っており、お客さまの環境への思いへの感謝を込めて、通常商品より、少しお得になっております。」との記載が見られる(甲第10号証)。
さらに、「勝僖梅」のウェブサイト中、商品「甘仕立て【エコパック(M)】」を販売するホームページでは、「最高級【特A級】の紀州南高梅のみを使った勝僖梅自慢のお味をもっと手軽に味いたい。そんなお声から生まれた『ご自宅用お買い得エコパック』。A級の中でも最高品質の『特A級』のみを使った高級紀州南高梅を、重量いっぱいに詰めました。環境のことを考え、自宅用なのでプラスチック容器やきれいな化粧箱はいらない・・・という方に」との記載が見られる(甲第11号証)。
以上のとおりであるから、「エコパック」という文字からは、「環境にやさしい包装」という観念が生ずることが明らかである。
その点、本件商標「ECOPAC」は、上述のとおり、一般的には、「PACK」と記載されるところをあえて「PAC」とすることで特異な構成をなし、商標全体として特定の観念を有さないものであるから、使用商標「エコパック」とは、明らかに観念が異なるものである。
また、請求人が調べたところによると、「PAC」の文字が「パッケージ(PACKAGE)すなわち包装、包装容器」の省略形として通用しているという事実は、確認できなかったが、仮に、「PAC」がそのような形で使用される場合があるとしても、本件商標「ECOPAC」と使用商標「エコパック」とが社会通念上同一であると言い得るためには、カタカナ表記の「エコパック」より、アルファベット表記の「ECOPAC」が一義的に置き換えられなければならない。
すなわち、登録取消審判事件(取消2005−31108)においても、「翼」の文字を標準文字で書してなる登録商標(商標登録第4591789号)に対し、「TSUBASA」の商標が使用されていた事例で、「該『TSUBASA』の文字は、漢字の『翼』を欧文字表記したものと認められ、かつ、『TSUBASA』に相当する漢字は『翼』以外には想起し得ないものであり、しかも、何れも『ツバサ』の称呼を共通にするものである。」と認定し、よって、「TSUBASA」の欧文字商標の使用は、登録商標「翼」と社会通念上同一の商標である旨、認めている(甲第12号証)。
このように、登録商標と使用商標とが、アルファベット表記(欧文字表記)と日本語表記との間で互換されている場合、使用商標から登録商標の文字以外に想起できない場合には、社会通念上同一と言い得るが、本件の場合、使用商標「エコパック」から想起されるのは、本件商標「ECOPAC」というよりは、むしろ「ECOPACK」の綴りであることが予想される以上、両者を社会通念上同一とする余地はないものと思料する。
(2)被請求人による本件商標の使用について
被請求人は、自身が本件商標を使用した証拠として、「包装容器エコパック(ECOPAC)シリーズ」なる写真入りパンフレットを提出している(乙第13号証)。
しかしながら、この手のパンフレットは、いつ何時であっても比較的容易に作成できる類のものである上、その作成時期が不明であり、具体的に、取引者、需要者に対して、いかなる所で、どの程度、どのような方法で頒布されたものであるのか、その事実を示す証拠又は説明等を確認することができない以上、かかる証拠をもって、本件審判請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に日本国内において、被請求人が取消請求に係る商品に本件商標を使用した事実を客観的に裏付けるものということができないことは、明らかである。
なお、被請求人は、外装袋と内容袋及び注出口とを使用後に分離できる構造にしたものを「エコパック(ECOPAC)」と銘打ち、タイプに応じて「フジテーナー」、「Zテーナー」などと区別して販売している旨主張している。
しかしながら、請求人が入手した本件商標の使用状況についての調査報告書(甲第13号証)によると、以下の事実が判明している。
「藤森工業(株)のHP上で掲載されている“エコパック”は、昭和32年にスキムミルク等の食品用の包装用気密紙函として、大手食品メーカー向けに製造・販売していたが、廃盤となって40年以上経過すると関係者は、話している。
この気密紙函“エコパック”は、製品の性質上“粉末”程度しか封入できないことから、後の昭和37年にスウェーデンのテトラ社から技術導入を行い、紙函の内部に特殊コーティングを施し、液体も封入できる気密紙函“テトラパック”へと進化したもので、これを機に気密紙函“エコパック”も姿を消すこととなった。
また、当該商標の「ECOPAC」は、かつて展開していた気密紙函“エコパック”の関係で商標登録を行っているが、現行品として“ECOPAC\エコパック”を名称とする製品の展開はなく、過去3年内に製品化したこともないと関係者は話している。
かかる報告書の記載から分かるとおり、「エコパック」は、昭和32年に気密紙函として製造開始されたものの、その後間もなく、昭和37年の「テトラパック」の導入と共に商品としては、姿を消しているのである。
一方、被請求人が主張するところの「包装容器エコパック(ECOPAC)シリーズ」には、「フローパック」、「フジテーナー」、「Zテーナー」などが含まれているが、商品「フローパック」は、平成9年、商品「フジテーナー」は、昭和51年、商品「Zテーナー」は、平成12年にそれぞれ製造開始されているものである(甲第14号証)。
そして、製造開始が最も遅い「Zテーナー」であっても、既に製造開始から10年近く経過しており、それにも関わらず、上記商品を総称する「包装容器エコパック(ECOPAC)シリーズ」という表記は、上記各商品を紹介するにあたり、被請求人の会社HPやカタログなどのいずれにおいても過去一度も使用されず、唯一、今回証拠として提出されたパンフレットのみに表示されているというのは、いかにも不自然であるといわねばならない。
以上のとおり、被請求人が提出した写真入りパンフレット(乙第13号証)は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が取消請求に係る商品に本件商標を使用した事実を客観的に裏付ける根拠としては、極めて不十分なものであって、よって、被請求人による、本件商標が平成18年後期より現在に至るまでの間に使用されていたとの主張は、理由がない。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第21号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)プラスチック製包装用容器について、被請求人は、本件使用権者と本件商標の使用許諾契約を平成14年9月26日に締結し(乙第2号証)、同契約は、平成16年9月27日に契約内容を若干変更したうえ、当該契約第6条第1項に基づく自動更新条項により、現在に至るまで継続している(乙第3号証)。
当該契約が現在に至るまで継続している事実は、2008年(平成20年)9月26日から2009年(平成21年)9月25日までの1年間の、契約に基づく商標使用許諾料の請求書(乙第4号証)及びその入金に係る会計伝票計上表(乙第5号証)により裏付けられている。
本件使用権者は、東証第一部上場の大手化粧品メーカーである株式会社ファンケルの連結子会社であり(乙第6号証)、高級化粧品の開発・販売を行なっている。
同社と被請求人は、平成14年9月26日以降、同社の販売する基礎化粧品「モイスチャーローションI」及び「モイスチャーローションII」の二商品を対象に、また、平成16年9月27日以降、「アミノボディーケアソープ」を追加した三商品を対象に、その容器について本件商標を使用する契約を締結しており(乙第2号証、乙第3号証)、当該契約に基づき、同社が現在に至るまで商標「エコパック」を使用していることは、同社ホームページの通信販売の広告から明らかである(乙第7号証)。
2007年(平成19年)1月17日に「モイスチャーローションII」を本通信販売により購入し、送付された納品書(乙第8号証)が存在することも、これを裏付けている。
なお、化粧品の包装容器には、容器の内容である化粧品そのものの商標が表示されるのが通常であり、これら三商品にも、包装容器自体の商標は表示されていないが、その包装容器が、内容物たる化粧品を使用する毎に潰れて小さくなり、捨てる際のゴミの容量が少なく環境に優しいことをセールスポイントにしている関係から、商標「エコパック」を、包装容器の商標として、化粧品のホームページの中に使用している。
例えば、「ゴミがこんなにコンパクト!ぺちゃんこになったエコパック。」、「気になる詰替時の不満を解決しました!<アテニアのエコパック> ◎ワンタッチで詰替完了! ◎エコパック毎に詰替るから・・・」との表現に見られる(乙第7号証)。
また、例えば「モイスチャーローションI」の商品説明書、及び当該化粧品容器の専用ホルダーの商品説明書には、「エコパックは、地球環境に配慮した、小さく捨てられるアテニアオリジナル容器です」との記載があり、同社がこの商標を化粧品の商標でなく、包装容器の商標として使用していることを明示している(乙第9号証、乙第10号証)。
なお、商標「エコパック」は、本件商標「ECOPAC」と社会通念上同一である。何故なら、両者の称呼は、「エコパック」で共通しており、観念も、その前半部「ECO」及び「エコ」がいずれも、「経済的」及び「環境にやさしい」の意味を持ち、後半部「PAC」及び「パック」も、「パッケージ(PACKAGE)すなわち包装、包装用容器」の省略形として通用しており、合わせて「経済的、あるいは環境にやさしい包装容器」となり、共通しているからである。
ちなみに、「PAC」の文字が、上記の意味で通用していることは、特許庁自身も認めている事実がある(乙第11号証)。
以上のとおり、被請求人は、本件商標と社会通念上同一の商標「エコパック」を、平成18年5月7日以降現在に至るまで、プラスチック製包装用容器の商標として使用していることは、明らかである。
(2)紙製包装用容器について、被請求人は、昭和32年より気密紙函「エコパック」として、製造を開始しており(乙第12号証)、現在に至るまで紙製包装用容器の製造・販売を行なっていることは、包装容器「エコパック(ECOPAC)」/小 容量BIB(バッグインボックス)の写真入りパンフレットが存在することから、明らかである(乙第13号証)。
本パンフレットの頒布時期は、詳らかではないが、同じパンフレット中に「フローパックRC」の記載があり、同商品が2006年(平成18年)10月3日から同年10月7日まで開催された、「東京パック2006」に出展されていること(乙第14号証)、そして現在の被請求人のホームページに、「フローパックシリーズに、新開発の『RC』タイプが加わりました」と、新規開発の製品として紹介されていること(乙第15号証)から、2006年後半から現在までの間に頒布された可能性が極めて高いといえる。
バッグインボックス(BIB)とは、外装袋と内装袋の二重構造になった包装容器を示す普通名称であるが、被請求人は、外装袋をダンボール製、内装袋及び注出口をプラスチック製にし、両者を使用後に分離できる構造にして、資源の分別回収に対応できるものを開発して「エコパック(ECOPAC)」と銘打ち(乙第13号証)、プラスチック製内装袋のタイプに応じて、「フジテーナー」、「Zテーナー」などと区別して販売しており(乙第16号証)、「Zテーナー」については、「東京パック2006」にも出展している(乙第14号証)。
以上より、バッグインボックスタイプの包装容器の商標として、本件商標及び本件商標と同一視できる「エコパック」が、平成18年後期より現在に至るまでの間に使用されていたことは、これらの証拠より明らかである。
以上のとおり、本件商標あるいは本件商標と同一視できる「エコパック」が、第20類の指定商品中「プラスチック製包装用容器」については、被請求人の通常使用権者である本件使用権者により平成18年5月7日より現在に至るまでの期間内に使用され、第16類の指定商品たる「紙製包装用容器」については、被請求人により、少なくとも平成18年後期から現在に至るまでの間に使用されているのであるから、商標法第50条第1項の規定の適用はなく、本件審判請求は、理由がない。
(1)通常使用権者による本件商標の使用について
請求人は、本件商標から特定の観念を生じないことを裏付ける証拠として、本件商標出願に係る被請求人の意見書、審判請求書、異議答弁書、これらの審決公報を、甲第2号証ないし甲第6号証として提出した。
しかしながら、被請求人が、本件商標の出願・登録過程、或いは異議答弁に際して、本件商標が特定の観念を生じ得ないと主張し、その主張に即した審決が出されたとしても、主張時から16年ないし19年も経過した現時点において、需要者・取引者の本件商標を巡る受け止め方が、当該主張時と大きく変化する可能性があることは明らかである。
まして、直近3年間の商標使用事実の立証を要件とする不使用取消審判に際し、はるか昔の、不使用取消審判とは性格の異なる拒絶査定不服審判、異議申立審判を持ち出して、禁反言を根拠に両商標の関係を論ずるのは誤りであると言わざるを得ない。両商標の同一性は、あくまで、使用立証期間における取引の現状を踏まえて客観的に判断されるべき事柄である。
そこで、両商標が如何なる観念を生ずるか、改めて吟味すると、使用商標「エコパック」が「環境にやさしい包装容器」の観念を想起させることは、被請求人が答弁書においてかねて主張しており、請求人も、甲第7号証ないし甲第11号証を提出して「環境にやさしい包装」を意味すると認めているのであるから、使用商標の観念について、両者に相違はない。
次に、本件商標「ECOPAC」については、「ECO」は「ecology」或いは「economic」の省略形を、「PAC」は「package」或いは「pack」の省略形を暗示させ、合わせて「環境に優しい包装」の観念を想起させることは明らかである。
「PAC」について、請求人は、「包装容器」を示す外来語として商取引上採用されているのは「Package」或いは「Pack」であって「PAC」ではないと主張し、その根拠として英和辞典の記載を上げているが、英和辞典は、英単語の意味を日本語で説明しているものに過ぎず、「包装容器」を示す語として、商取引上「PAC」が使用されていないことの証拠にならないことは明白である。
「PAC」が、「package」或いは「pack」の省略形として、「包装容器」を示す語として商取引上数多く使用されていることは、インターネット記事例から容易に推察でき(乙第17号証)、「ECO」と結合した「ECO PAC」から、「環境にやさしい包装」の観念が導き出されるのも自明の理であるといえる。
海外においてすら、包装に関連する業界、或いは製品に「ECO PAC」が使用されていることがインターネット記事例から看取される(乙第18号証)。
なお、請求人は、「エコパック」と「ECOPAC」が、社会通念上同一と言えるためには、「エコパック」より、「ECOPAC」が一義的に置き換えられねばならないとして甲第12号証を上げ、また、実際に想起されるのは「ECOPACK」と予想されると主張する。
しかしながら、甲第12号証の審決例は、登録商標「翼」と使用商標 「TSUBASA」、即ち、漢字の登録商標と欧文字の使用商標との同一性の例であり、欧文字の登録商標とカタカナの使用商標の同一性の問題である本事件とは、文字の種類が異なり、また、審決例は単一商標であるのに対し、本事件の商標は結合商標であって性格が異なるのであるから、当該審決例を本事件に当てはめるのは、不適当である。
さらに、商標法第50条第1項は、登録商標と同一と見なされる商標として、「・・・片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標を含む」と規定し、審判便覧上、片仮名及びローマ字の相互変更について、同一の商標と見なされない事例が、文字の表示を変更した場合に別異の観念が生じうる場合に限定していることにかんがみれば、片仮名をローマ字に変更した場合に別異のスペルが生じ得るときも同一の商標とは見なさないという論は、同一の範囲を不当に制限するものと言わざるを得ない。
「ECOPAC」であろうと「ECOPACK」であろうと、生ずる観念は「エコパック」と変わらないのであるから、本件商標「ECOPAC」を「エコパック」に変えて使用した場合は、称呼同一、観念同一であって、商標法第50条第1項の同一の商標の使用に当たるのは明らかである。
また、請求人は、「エコパック」から実際に想起されるのは、「ECOPAC」でなくて「ECOPACK」であると予想されるとするが、その根拠は示されていない。逆に、簡易迅速を旨とする現代の商取引において、「エコパック」から想起される欧文字が、「ECOPAC」であるケースが数多くあることは、インターネット記事例から容易に推察できる(乙第19号証)。
以上より「エコパック」も「ECOPAC」も、「環境にやさしい包装」との共通の観念を想起させ、また称呼「エコパック」も共通であることから、両商標は社会通念上同一の商標である。
(2)被請求人による本件商標の使用について
被請求人は、乙第13号証のパンフレットに示すフローパックBF等の詰替可能なプラスチック製包装容器(洗剤等を詰める容器)の製造・販売を行なっており、要証期間内に、当該包装容器を本件商標「ECOPAC」を付したダンボール容器に入れて納入していた事実があるので、これを立証する。
以下の内部帳票に記されている「エコパック」ダンボール容器は、乙第20号証の1に示すとおり、「ECOPAC」及び「(エコパック)」が付されており、プラスチック製包装容器の当該ダンボール容器への収納は、乙第20号証の2に示す如き方法により行なわれる。
乙第20号証の1の写真の撮影時期は詳らかではないが、2007年5月30日制定の日付のある作業手順書に掲載されていることから、それに近い時期であることが伺われ、また、当該時期に本ダンボールが使用されていたことが分かる(乙第20号証の3)。
プラスチック製包装容器の具体的な製造指示は、個別規格書によってなされ、完成商品の包装方法もその中で指示される(乙第20号証の4)。本規格書は、2007年10月15日に作成され、受注番号74991に係る、××ジャパン株式会社(一部黒塗、以下「ジャパン社」という。)向けの商品名「SHCO 800JP 95853593」(一部黒塗)の製造指示を内容とし、商品を詰めるダンボール容器の種別として、「エコパック」ダンボールを指示している。乙第20号証の5に示す作業註文書(被請求人名張事業所への製造指示書)により、本規格書に基づいて、同商品50,000枚を製造する指示がなされている。
本規格書及び作業註文書に基づき製造した製品の入庫票(製品LOT表)を、乙第20号証の6に示す。本表により、2007年の10月18日に10,000枚(ダンボール20C/S分)、19日に6,000枚(ダンボール12C/S分)、22日に10,000枚(ダンボール20C/S分)、23日に8,000枚(ダンボール16C/S分)、24日に15,470枚(ダンボール31C/S分)、合計49,470枚(ダンボール換算で99C/S分)の製品が製造・検品を経てダンボール詰めされた事実が示されている。
当該製品を収納するダンボールは、その在庫量を抑えるため、その日の作業に必要な数量毎にその都度発注しており、本製造ロットにおいては、発注先ダンボールメーカー大村紙業株式会社に対し、2007年10月19日付発注書により10月22日に50枚、10月23日に50枚納入するよう希望し、現実に22日に50枚、23日に53枚の納入が確認されている(乙第20号証の7)。当該発注書に応じて納品した大村紙業株式会社の納品書を乙第20号証の8に示す。
また、本規格書により製造され「エコパック」ダンボール99C/Sに詰められた49,470枚の製品が、納入先に出荷されたことを示すのが出荷御案内書(乙第20号証の9)である。本案内書により、2007年10月19日に16,000枚、22日に10,000枚、23日に8,000枚、24日に8,000枚、25日に7,470枚合計49,470枚が出荷されたことがわかる。
また、乙第20号証の1に示した「ECOPAC」及び「(エコパック)」が付されたダンボールの発注先である大村紙業株式会社の納品に係る証明書を乙第21号証として提出する。
以上により、被請求人が、平成18年(2006年)5月から平成21年(2009年)5月の期間内の特定時期に、「ECOPAC」を付したダンボールにプラスチック製包装容器を梱包して得意先に出荷していたのであるから、本件商標を使用していた事実は明白である。
乙第20号証の2「梱包方法(MKセカンド)」に記載の「クロージャー」及び写真の商品を個体で説明するとともに、「口付個別規格書」(乙第20号証の4)に記載の「品名 SHCO 800JP 95853593」がどのような商品であるか説明されたい。
なお、乙第20号証の4「口付個別規格書」とは如何なるものかを説明されたい。
その他に、「ジャパン社」が被請求人へ「品名 SHCO 800JP 95853593」を発注したことを証する書類、及び、被請求人が「品名 SHCO 800JP 95853593」を「ジャパン社」に販売したことを証する取引書類(請求書、納品書、領収書等)を提出されたい。
乙第20号証の1ないし同号証の5、同号証の7、同号証の8及び乙第21号証の1に記載の段ボール「エコパック」の使用時期及び仕様枚数を明らかにされたい。また、当該段ボールの仕様書を提出されたい。
被請求人は、上記第4の審尋に対して、平成21年12月24日付けで、要旨以下のとおり回答するとともに、証拠方法として、乙第20号証及び乙第21号証(枝番号を含む。)を提出した。
「クロージャー」とは、包装容器を密閉する機能を有するもの全てを指しており、具体的な包装容器の部品としては、蓋、キャップ、栓、バルブ(閉止弁)などが該当する。
例えば、スタンディングパウチ形式の包装容器の場合には、パウチ本体に取り付けるスパウト(注出口)のことをクロージャー部と説明することがある。
また、スパウト(注出口)に取り付ける注出栓のことをクロージャーと呼ぶことも一般的に行なわれている。
乙第20号証の2は、「ECOPAC」表示の段ボールヘの収納態様の一例を示したものであって、詰め替え用の包装袋は多種類製造されており、本写真の包装袋は、「品名 SHCO 800JP 95853593」とは異なる商品である。
本写真の包装袋の用途は、入院している高齢患者などが食事を取れないときに投与される、経管経腸栄養剤や経管経腸流動食等を充填する包装袋である。
当該包装袋は、プラスチック製の注出口を1つ持っており、この包装袋を略して社内では「一口(ひとくち)」と呼んでいる。同じ流動食用の包装では二つの注出口を持つタイプも最近の主流となっており、こちらは「二口(ふたくち)」と略称されている。
また、包装袋を段ボール箱に梱包する時の梱包作業の、注意すべきポイントとして、「パウチの注出口の部分が嵩張っていて凸状になっていることから、複数のパウチを重ねると並びの見た目も悪く、複数のパウチを重ねた山が崩れてしまうほか、運送中の振動によりパウチを重ねた山が崩れて注出口のキャップ同士がひっかかると誤開封(注出口のキャップが開いて、包装袋に内容物を充填する際中味がもれてしまう)の可能性が生じることになる。
このため、パウチの注出口の部分が嵩張っていて凸状となっている注出口部を少しずっずらす工夫を行い、これらの不具合が発生する可能性を最大限に低くすることが求められるため、とくに「クロージャー」(注出口)についての注意事項を細かに記載した作業指示書となっている。
なお、「品名 SHCO 800JP 95853593」そのものについては、現品見本、収納態様を表示する写真等を提出する。
また、従来、本品の名称の一部をマスキングして「品名 SHCO 800JP 95853593」と称していたが、証拠との関連をより明確化するため、マスキング(墨塗)を中止し、以下「品名 BIOTCH SHCO 800JP 95853593」と称する。
「品名 BIOTCH SHCO 800JP 95853593」は、包装袋であり、内容物として液体の流動体、具体的には液体のシャンプー/リンスが充填される。本品に充填された液体のシャンプー/リンスは、プラスチック製のボトルヘ詰め替えられる。
つまり、本品は使用後には捨てられるものであって、詰め替え用の液体内容物を充填するためのものです。納入先において内容物等を示した表示のラペルを貼り製品として出荷されるため、本品自体には印刷はされていない。
本品は、一般にスタンディングパウチと呼称される形式で、サイズは280ミリ ×158ミリ、一対の側面フィルムと、下部に挟み込まれる底面フィルムとをヒートシールして製造され、上部に注出口(スパウト)を備えている。
また、折り畳んだ底面のフィルムが開くようになっており、自立させることが可能です。現在、ドラッグストアなどの量販店の店頭でもよく見られる、詰替え用の液体シャンプー、リンス、液体洗剤などが充填されている包装袋である。
本品の現品(乙第20号証の10)を提出するとともに、本品を段ボールに収容した写真(乙第20行の11)及びその段ボールに「ECOPAC」の記載がある段ボール(乙第20号証の12)を提出する。
これらの写真は、営業担当者のコンピューターに残されていたものであり、段ボール内での本品(バイオタッチ800と略称)の梱包形態及び段ボールそのものの写真を、納入先「ジャパン社」へ紹介する2007年10月16日付のメール(乙第20号証の13)に添付されていたものである。写真自体の撮影日は2007年6月10日であることが確認できる(乙第20号証の14)。
「口付個別規格書」の「個別規格書」とは、「それぞれの製品に対して、個別の」製造条件などの「規格」値が示された作業指示書という意味である。
本規格書の対象製品である本品は、前述のとおり、スタンディングパウチ形式の包装袋であるが、このような注出口が付いている包装袋の作り方は、
ア まず、プラスチック製のフィルムを使って、一対の側面フィルムと、下部に挟み込まれる底面フィルムとをヒートシールして製造される包装袋の本体を作る。
この時、包装袋の注出口が取付けられる予定の部分は、ピートシールをせずに、口を開けて残したままで一旦、包装袋を作り上げる。(この工程を「製袋工程」という。)
イ 上記製袋工程で作成された包装袋に対して、注出口を取り付ける予定の部分に注出口を挿入して取り付ける。(この工程を「口付け工程」と呼ぶ。)
上記の2つの工程で、注出口が付いた包装袋が作られる。
このうち、イの工程での製造機械の操作条件、各種の作業指示を示したものが、「口付個別規格書」である。
発注書により、「ジャパン社」が被請求人へ「品名 BIOTCH SHCO800JP 95853593」を発注したことを、また、運送会社の納品書により、被請求人が当該品を「ジャパン社」に納入したことを証明する。
(1)発注書(乙第20号証の15)
本品合計171,000枚を発注する旨の2007年8月21日付の注文書、同日及びその後三回に亘って出された納入日程表4枚を示す。具体的な納入日については、最後の日程表に記載された被請求人営業担当者のメモにあるとおり、その時の状況に合わせて調整の上行なうのが実情である。本品合計171,000枚の一部49,470枚が納入された事実を次に示す納品書(荷物受領原票)により証明する。
(2)運送会社の荷物受領原票(納品書の写し)(乙第20号証の16)
納品書の写しである荷物受領原票により、運送会社の近物レックス株式会社が決定した納人指定日に応じて、被請求人より出庫して「ジャパン社」に納品したことを証明する(納品書そのものは、納品先に渡される)。
なお、出庫した枚数、2007年10月19日に16,000枚、22日に10,000枚、23日に8,000枚、24日に8,000枚、26日に7,470枚は、乙20号証の9の被請求人の出荷案内書と一致する。
段ボールメーカー大村紙業株式会社により作成された段ボール「エコパック」の製造仕様書(乙第21号証の3)から、外寸ベースで690ミリ×390ミリ×285ミリのサイズで、発行日は平成14年(2002年)12月18日となっていることがわかる。
平成15年より平成19年までの期間の「エコパック」段ボールの月別納品実績を「ECOPAC(エコパック)」シリーズの専用段ボール箱の納入数量(乙第21号証の4)で示す。
納品書で確認できた段ボールの使用枚数は3万枚を超えている。
本表に記載された納品が実際あったことを納品書(古い期間のものは、納品即請求であったため請求書になっている)で立証する(乙第21号証の5)。
以上により、被請求人が、商標「ECOPAC」を、商品「包装袋」をパッケージした段ボールに、要証期間内に使用したことは明白である。
被請求人の提出に係る乙各号証を以下に検討する。
(1)乙第2号証及び乙第3号証は、被請求人と本件使用権者との間で締結された平成14年9月26日付け及び平成16年9月27日付けの商標権使用許諾契約書の写しであるが、被請求人は、本件使用権者に被請求人の所有する登録商標「ECOPAC」(本件商標)を使用対象製品(モイスチャーローションI<エコパック>、モイスチャーローションII<エコパック>、アミノボディーケアソープ<エコパック>)に使用することを許諾していたことが認められる。
乙第4号証は、商標権使用許諾料に係る2008年(平成20年)8月19日付け請求書の写しであるが、本件使用権者である「株式会社 アテニア」、商標権者である「藤森工業株式会社」、出荷年月日欄には「2008.9.26」、「品名 規格寸法」欄には「商標権使用許諾料」、「※許諾商標権:『エコパック』」、「※許諾期間:2008年9月26日〜2009年9月25日」、「1(丸付き)モイスチャーローションI<エコパック> 2(丸付き)モイスチャーローションII<エコパック> 3(丸付き)アミノボディーケアソープ<エコパック>」等が記載されている。
乙第5号証は、商標権使用許諾料収入の計上に係る会計伝票計上一覧表であって、そこには、「藤森工業株式会社」、「(株)アテニア商標権使用料」、手書きで「ZACROS保有商標『エコパック』使用料(2008/9/26〜2009/9/25)」等が記載されている。
乙第6号証は、株式会社ファンケルのホームページに掲載された「グループ会社一覧」の写しであるが、本件使用権者が、株式会社ファンケルの連結子会社であり、化粧品の開発・販売を行なっていることが分かる。
以上のとおり、株式会社アテニアは、本件商標権の通常使用権者であり、使用対象製品(1)モイスチャーローションI<エコパック>、(2)モイスチャーローションII<エコパック>、(3)アミノボディーケアソープ<エコパック>」に「エコパック」の片仮名文字を使用しているが、商標権使用許諾契約書(乙第2号証、乙第3号証)で使用許諾された本件商標を使用していないことは明らかである。
乙第7号証は、本件使用権者のホームページの打ち出しであるが、1枚目及び2枚目は、「2009/5/19」の表示から「2009年5月19日」に印刷されたものであるが、使用対象製品「モイスチャーローション<エコパック>」中に「エコパック」の片仮名文字を使用しているが、本件商標の表示は見当たらない。
1枚目の上部には、別掲のとおり、エコマークの表示から、本件使用権者の製造販売に係る使用対象製品「モイスチャーローション<エコパック>」が詰替タイプなどのエコ対応商品であることが認められる。
さらに、「Reduce(へらす)」、「Reuse(つかう)」、「Recycle(資源にする)」の見出しと、「Reduce(へらす)」の説明では「ゴミがこんなにコンパクト!ぺちゃんこになったエコパック。毎日使う化粧水だからこそ最後の一滴まで使い切れて、小さく捨てられるのがうれしいですね。」と記載されている(1枚目)。
その他、「減容化率は83% 使用後の容器の減容(容積の減少)化率を83%にすることに成功しました。」(1枚目)、「<アテニアのエコパック>◎ワンタッチで詰替完了!◎エコパックごと詰め替えるから、中身が外気や手に触れたり、こぼれたりしない。◎もちろんホルダーも中身も清潔なまま!」と記載されている(2枚目、4枚目)。
そして、3枚目及び4枚目は、「2009/6/12」の表示から「2009年6月12日」に印刷されたものであるが、「アミノボディケアソープ〜ハーブエッセンス〜<エコパック>」の記載から、「エコパック」の片仮名文字を「アミノボディケアソープ」といっしょに使用していることが認められるが、本件商標の表示は見当たらない。
以上のことから、使用対象製品「モイスチャーローション<エコパック>」「アミノボディケアソープ<エコパック>」は、専用ホルダー(後述)に取り付けて使用する環境に配慮した詰替用商品であることが認められる。
なお、1枚目及び2枚目には、最下行には、「file://C:DOCUME~・・・」のアドレスが記載されているが、これによっては取引者、需要者がアクセスできないものであるから、本件商標の使用を証明する書証とは認められない。
乙第8号証は、2007年(平成19年)1月17日の購入日付き納品書であるが、その「お届け商品名」欄には、「エコパック 専用 ホルダー」中に「エコパック」の片仮名文字が表示されているが、本件商標の表示は見当たらない。
乙第9号証は、本件使用権者の化粧品(化粧水)の商品説明書写しであるが、そこには、「MOISTURE LOTION I」「ATTENIR」「エコパック」「アテニア モイスチャーローション I エコパック(化粧水)150ml」の記載と「エコパックは地球環境に配慮した、小さく捨てられるアテニアオリジナル容器です。」のタイトルの下「エコパック専用ホルダー」の商品説明「・・・エアレスポンプを採用しているので、使うごとにエコパックつぶれて小さくなっていきます。使い終わったら小さくなったエコパックのみを捨て、ホルダーは繰り返しお使いいただけます。」中に「エコパック」の片仮名文字が表示されているが、本件商標の表示は見当たらない。
乙第10号証は、上記商品の容器の専用ホルダーの商品説明書写しであるが、そこには、「アテニア モイスチャーローション Iエコパック」、「アテニア モイスチャーローション IIエコパック」、「アテニア モイスチャーローション/エコパック専用ホルダー」中に「エコパック」の片仮名文字が表示されているが、本件商標の表示は見当たらない。
その他、本件使用権者が本件商標をその指定商品「プラスチック製包装用容器」について使用していたことを認めるに足る証拠の提出はない。
(2)本件商標と「エコパック」の片仮名文字について
本件使用権者は、上記のとおり本件商標を使用していないが、被請求人は、本件商標と称呼、観念を同じくする社会通念上同一の商標である「エコパック」の文字を使用をしている旨主張しているので以下に検討する。
ア 本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「ECOPAC」の文字を同書、同大、等間隔に構成上一体的に表示してなるから、その構成文字に相応して「エコパック」の称呼を生ずるが、これが「ECOLOGY」の省略形の「ECO」の文字と「PACKAGE」の省略形の「PAC」の文字を結合してなるものと理解されるべき特段の理由も見当たらないから、特定の観念を有しない造語よりなるものと判断するのが相当である。
イ 本件使用権者がプラスチック製包装用容器に使用する「エコパック」について
乙第2号証及び乙第3号証によれば、被請求人は、本件使用権者に本件商標「ECOPAC」の使用を許諾しているが、実際に本件使用権者が使用しているとするものは、すべて「エコパック」の片仮名文字よりなるものである(乙第7号証ないし乙第10号証)。
そして、乙第4号証の「請求書」によれば、被請求人は、使用対象製品(1)モイスチャーローションI<エコパック>、(2)モイスチャーローションII<エコパック>、(3)アミノボディーケアソープ<エコパック>に「エコパック」商標の使用許諾費用を本件使用権者に請求していることが認められる。
また、「エコパック」の片仮名文字は、本件使用権者のホームページ中のリンク先の「ATTENIR ecology」の見出しの下「モイスチャーローション<エコパック>」「アミノボディーケアソープ<エコパック>」のように商品名を冠したり、商品説明中に「<アテニアのエコパック> エコパックごと詰替るから中身が外気や手に触れたりこぼれたりしない。」と記述的に使用されている。
そうとすれば、取引者、需要者は、使用対象製品に使用される「エコパック」の文字に接した場合、前半部分の「エコ」が「エコロジー」を省略したものであり、後半部分の「パック」が「包装用容器」を意味する英語の「Pack」の文字の表音を片仮名文字で表記したものであり、全体から「環境に優しい包装」の意味合いを容易に理解するものと認められる。
なお、被請求人は、「エコパック」の片仮名文字から「環境に優しい包装」の観念が生ずることを自認している。
してみれば、取引者、需要者は、本件使用権者の製造販売に係る「モイスチャーローション」「アミノボディーケアソープ」に使用されている「エコパック」に接した場合、本件商標「ECOPAC」を想起するというよりは「環境に優しい包装」の意味を有する「ECOPACK」を想起すると判断するのが相当であるから、被請求人は、本件使用権者の製造・販売に係る商品「モイスチャーローション」「アミノボディーケアソープ」のプラスチック製包装用容器に本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているとはいい得ないところである。
なお、化粧品業界においても、例えば「シャンプー」について「エコパック」を検索してみても、多数の「シャンプー詰替用エコパック」商品が検索されることから、この種業界において「エコパック」といえば、エコ対応の詰替用商品であることを表す語として普通に採択、使用されているところでもある。
また、「『エコ・タイプ』の紙パック」(甲第7号証)、「繰り返し、ケースと計量パックをご提供することが無駄であるというお声・・・簡素型である『死海の塩エコパック5kg』をご用意・・・」(甲第8号証)、「RE・PAC(2000)再利用でき環境に優しい、輸送用の段ボールケースを提案」(乙第17号証の(t))、「Enviro Pac エコパック New!廃物となるプラスチック・カップをなくした待望のエコバージョン。」(同号証の(u)、「250μ!ピペットチップ“エコパック”特長・使用済みラックの廃棄量が少ないエコロジーラック入りです。」(乙第19号証の(e))、「環境対応 クッション付封筒 エコパックメール『エコパックメール』は、封筒部分に約70%の再生紙を使用し、使用後は分別・再利用ができる環境対応のエコ商品です。」(同号証の(i))、「サービスキャンペーン実施中 エコパック 緑茶 麦茶がついてくる!」(同号証の(k))、の各記載に照らしても、「エコパック」の片仮名文字が「経済的、あるいは環境にやさしい包装容器」の意で使用されていることは明らかなところである。
そうとすれば、本件商標「ECOPAC」と本件使用権者の使用する「エコパック」とは、本件商標が特定の観念が生じないのに対し、「エコパック」の片仮名文字は「経済的、環境にやさしい包装容器」という程の観念が生じるから、同一の観念を生じるということはできず、称呼において、両者は「エコパック」の称呼を同じくするとしても、本件商標と使用に係る「エコパック」とは、社会通念上同一の商標とはいえない。
また、仮に、本件商標と使用商標「エコパック」が、「エコパック」の称呼及び「経済的、環境にやさしい容器包装」の観念を同じくする場合、両者は、プラスチック製包装容器の品質を表示するものとして認識されるものであって、該商品の出所を表示するものと機能を果たし得ないから、本件商標の使用とは認められない。
したがって、被請求人は、使用対象製品の包装用容器に本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていることを証明していない。
(3)小括
以上のとおり、通常使用権者である株式会社アテニアは、プラスチック製包装用容器に本件商標の使用をしているとは認められない。
(1)被請求人が本件商標を使用したとする乙第12号証ないし乙第16号証について
ア 乙第12号証は、被請求人の会社案内の表紙、18頁(会社履歴)及び裏表紙の写しであるが、被請求人は、「昭和32年に気密紙函『エコパック』を製造開始。」旨記載されている。
乙第13号証は、包装容器エコパック(ECOPAC)(最後の“C”の右肩に丸付きの“R”、以下同じ)シリーズのパンフレットとするものであるが、同パンフレットには、「当社の環境に配慮した『包装容器エコパック(ECOPAC)』シリーズは、包装容器の省資源化、減容量化、材料の分別回収に配慮したものです。」、同「○包装容器エコパック(ECOPAC)/詰替用スタンディングパウチ:フローパック(“ク”の右に丸付きの“R”、以下同じ)シリーズ」の項には、「当社の環境に配慮した『包装容器エコパック(ECOPAC)』シリーズに、液体シャンプーなどの液体ボトル詰替用スタンディングパウチの代表的存在となった【フローパックシリーズ】が有ります。」、同「○包装容器エコパック(ECOPAC)(最後の“C”の右肩に丸付きの“R”、以下同じ)/小容量BIB(バッグインボックス)」の項には、「当社の環境に配慮した『包装容器エコパック(ECOPAC)』シリーズに、内容量が5L以下の小容量BIB(バッグインボックス:紙製外箱容器,フィルム内袋が分別可能)加わりました。」と記載されている。
乙第14号証は、「2009/6/12」の表示から、請求人ホームページが2009年6月12日に印刷されたものであるが、「○東京パック2006」の見出しの下に「10月3日〜7日の5日間にわたって開催された『2006東京国際包装展−東京パック2006−』」、「◆展示品」の項には、「新たなコンセプトの注出口パウチ『フローパックRC』」「取って付バッグ・イン・ボックス『Zテーナー』」と記載されている。
乙第15号証は、「2009/6/12」の表示から、請求人ホームページが2009年6月12日に印刷されたものであるが、「○詰替用スタンディングパウチ:フローパックRC(“ク”の右に丸付きの“R”、以下同じ)」の見出しの下に、「環境対応・省資源化といわれる中で詰め替え用パウチの代表的存在となった【フローパックシリーズ】に、新開発の【RC】タイプが加わりました。」と記載されている。
乙第16号証は、「2009/6/12」の表示から、請求人ホームページが2009年6月12日に印刷されたものであるが、「○フィルム液体容器:フジテーナー(最後の“ー”の右に丸付きの“R”、以下同じ)」(1枚目)、同「○フィルム液体容器:Zテーナー(最後の“ー”の右に丸付きの“R”、以下同じ)」(2枚目)と記載されている。
以上のことから、乙第12号証の「会社履歴」によっては、要証期間内に本件商標の使用をしているとは認められない。
乙第13号証の「パンフレット」によっては、同パンフレットに記載の商標「フローパック」が、商標登録原簿によれば、平成18年6月16日に登録出願、平成19年1月5日に設定登録されていることから、この間に作成されたものと推認されるが、当該パンフレットが頒布されたかについては不明であって、パンフレットの発注、納品の取引書類、パンフレットの頒布先書類等の提出もないから、本件商標の使用を包装用容器に使用をしているとは認められない。
乙第14号証ないし乙第16号証の「藤森工業株式会社のホームページのプリントアウト」には、本件商標の記載は見当たらないから、本件商標の使用をしているとは認められない。
よって、被請求人は、「包装用容器」に本件商標の使用をしていたことを証明していない。
(2)被請求人が本件商標を使用したとする乙第20号証の1ないし16及び乙第21号証の1ないし5について
乙第20号証の1は、コンテナ上に6段に積まれた段ボール箱の写真を印刷したものであるが、段ボール箱表面には「ECOPAC」(エコパック)及び「藤森工業株式会社/名張事業所」の文字が表示されている。
乙第20号証の2は、丸判で「’02.6.17」が押印された「梱包方法(MKセカンド)」であるが、項番1には「ポリ袋入りダンボール(エコパック680×380×265)」と記載されている。
乙第20号証の3(1枚目)は、2007年5月30日を制定日とする「作業手順書」であるが、急所要点(図示、写真貼付、特記事項等)の欄には、乙第20号証の1の写真と同様にコンテナ上に6段に積まれた段ボール箱の写真であるが、箱表面には「ECOPAC」(エコパック)及び「藤森工業株式会社/名張事業所」の文字が表示されている。
なお、同号証の「6段積みの段ボール箱」の写真と記載内容「4列×5段積み」とは、一致しないから、その内容は信憑性に乏しいものといわざるを得ない。
同2枚目は、作業手順書の急所要点(図示、写真貼付、特記事項等)欄には、段ボール1箱の写真であるが、箱表面には「ECOPAC」(エコパック)及び「藤森工業株式会社/名張事業所」の文字が表示されている。
乙第20号証の4は、2007年10月15日作成の「口付個別規格書」であるが、「品名 SHCO 800JP 95853593」(以下「バイオタッチ800」という場合がある。)、「工注番号:1000074991」、「受注番号:0000074991」、「得意先 ジャパン社」、「外装ダンボール種 エコパック」等の文字が記載されている。
乙第20号証の5は、藤森工業株式会社名張事業所宛の平成19年10月16日発行の「作業註文書」であるが、「品名 SHCO 800JP 95853593」、「工註No:74991」、「数量 50,000袋」、「荷造 ダンボール」、「得意先名 ジャパン社」等の文字が記載されている。
乙第20号証の6(1枚目)は、藤森工業株式会社名張事業所の2007年10月18日付け「製品LOT表」であるが、「品名 SHCO 800JP 95853593」、「工註No:100−0074991」、「数量 合計10000枚」等の文字が記載されている。
同(2枚目ないし5枚目)は、藤森工業株式会社名張事業所の2007年10月19日付け(2枚目)、同年10月22日付け(3枚目)、同年10月23日付け(4枚目)、同年10月24日付け(5枚目)の「製品LOT表」(入庫票)であるが、「品名 SHCO 800JP 95853593」、「工註No:100−0074991」、「数量 合計6000枚」(2枚目)、「数量 合計10000枚」(3枚目)、「数量 合計8000枚」(4枚目)、「数量 合計15470枚」(5枚目)等の文字が記載されている。
乙第20号証の7は、藤森工業株式会社名張事業所から大村紙業株式会社宛の2007年10月19日付け「ダンボールケース購買発注書」であるが、「発注品目 エコパック」、「発注数 50枚」、「希望納期 10月22日朝一」等の文字が記載されている。
乙第20号証の8は、大村紙業株式会社から藤森工業株式会社名張事業所宛の平成19年10月22日及び23日付け「納品書」であるが、「品名 エコパック」、「数量 50枚」(22日付け)、「数量 53枚」(23日付け)等の文字が記載されている。
乙第20号証の9(1枚目ないし5枚目)は、藤森工業株式会社から「ジャパン社」宛の2007年10月19日付け(1枚目)、22日ないし24日付け(2枚目ないし4枚目)、26日付け(5枚目)、「出荷御案内書」であるが、「受注No.74991」、「品名・規格 SHCO 800JP 95853593」、「出荷数量/販売数量 16000枚」(1枚目)、「出荷数量/販売数量 10000枚」(2枚目)、「出荷数量/販売数量 8000枚」(3枚目、4枚目)、「出荷数量/販売数量 7470枚」(5枚目)等の文字が記載されている。
乙第20号証の10は、1口タイプのプラスチック製包装用容器の現品である。
乙第20号証の11は、段ボール箱に詰め込まれた、ビニール袋中の積み重ねられた1口タイプのプラスチック製包装容器の写真を印刷したものである。
乙第20号証の12は、段ボール箱正面に「ECOPAC(エコパック)」(なお、最後の“C”の右肩には丸付きの“R”が表示されている)、「藤森工業株式会社」、「名張事業所」の文字が表示された箱を、人が持ち上げている写真を印刷したものである。
乙第20号証の13は、コンピュータ画面を印刷したものであるが、「NIFTY MANAGER メール版 for Windows version 1.06−」の「[キャビネット]」及び「[送信メール]」のタイトルが表示されているが、メールは、作成日「07/10/16」、題名「バイオタッチ梱包仕様の件」とするものであるが、文中には「ウエラジャパン 茨城工場 斉藤様、弊社にて口付けいたしますバイオタッチ800mlについて、弊社の梱包形態と段ボールの写真を添付します。」と記載されている。
乙第20号証の14は、コンピュータ画面を印刷したものであるが、左側には「ウエラさま向け当時メールと写真」のタイトルと乙第12号証の11及び12と同様な写真が表示されている。また、右側には「ウエラ様ダンボール.JPGのプロパティ」には、「写真の撮影日 2007/06/10」が表示されている。
乙第20号証の15は、「日付:2007.08.21」、「納入先住所:・・・ジャパン社・・・」、「藤森工業(株)御中」、「品目コード 95853593/品目テキスト PO BIOTCH SH CO 800 JP」、「数量171,000PC」、「発注請書 納入日、売買条件をご確認後、著名され郵送又はファックスで返送をお願いします。日付 2007.8.21 署名:藤森工業 久保田の押印」(1枚目)等が記載されている。
乙第20号証の16は、「荷物受領原票」、「近物レックス株式会社」、「出荷日07年10月19日」、「1000074991」、「品名・記事 PO BIOTCH SHCO 800JP 95853593 500P×32 16000枚」、「お届け先 ジャパン(株)」、「荷送人 藤森工業株式会社 名張事業所」(1枚目)等の文字が記載されている。
乙第21号証の1は、大村紙業株式会社三重事業部から藤森工業株式会社名張事業所宛の2009年11月25日付けの証明書であるが、乙第20号証の1に示すダンボールを平成12年から平成19年10月までの期間に、被請求人に納品していた事実を立証する旨が記載されている。
乙第21号証の2は、大村紙業株式会社のホームページの会社概要のプリントアウトであるが、「事業内容 段ボール製品」、「事業部及び営業部 三重事業所」等の文字が記載されている。
乙第21号証の3は、「平成14年12月18日発行」、「製造仕様書図(A式用)」、「大村紙業株式会社」、「得意先名 藤森工業」の記載、及び仕様書図中には、箱の展開図、箱の寸法(外寸)、「品名 エコパック」の記載され、箱の表裏面に「ECOPAC(エコパック)」、「藤森工業株式会社 名張事業所」が表示されている。
乙第21号証の4は、「『ECOPAC(エコパック)』シリーズの専用段ボール箱の納入数量について」と称する資料であるが、2枚目には、平成19年7月5日(50箱)、同年7月6日(51箱)、「段ボールサイズ(外寸)690×390×285【/mm】」及び「段ボール箱に収納している袋の数量:600袋/箱」と記載されている。
乙第21号証の5は、「請求書」、「15年1月10」、「大村紙業株式会社」、「藤森工業株式会社 名張事業所 御中」、「品名 エコパック」、「金額・・・」、「振込銀行・・・」等の文字が記載されているが、その6枚目には、「納品書」、「平成19年7月6日」「大村紙業株式会社」、「藤森工業株式会社 名張事業所 御中」、「品名 エコパック」、「金額・・・」、「数量51枚」の文字が記載されている。
以上のことから、以下のア及びイが認められる。
ア 被請求人は、要証期間内に、「ジャパン社」からプラスチック製包装用容器バイオタッチ800を171,000袋を受注し、被請求人の名張事業所が製造し、その一部49,470袋を「ジャパン社」へ出荷し、納品したものと認められる。
しかしながら、被請求人と「ジャパン社」との間のプラスチック製包装用容器バイオタッチ800の取引きでは、「BIOTCH SHCO800JP 95853593」又は「SHCO 800JP 95853593」の記載をもって取引きされていたから、被請求人は、「プラスチック製包装容器」について本件商標の使用を証明していない。
イ 被請求人は、要証期間内に、上記のプラスチック製包装用容器を梱包するために使用する段ボール箱を大村紙業株式会社に発注し、被請求人の名張事業所に納品されたものと認められる。
しかしながら、段ボール箱は、「紙製包装用容器」の範ちゅうに属するが、段ボール箱に表示される「ECOPAC(エコパック)」(なお、最後の“C”の右肩に丸付きの“R”)は、その使用態様は段ボールの表裏に見やすい位置に見やすい形態で大きく表示しているから、通常このような表示方法は、段ボール箱自体についての商標の使用とはいえず、段ボール箱の出所を表示するものとして機能を果たしていない。また、この段ボール箱が商品そのものとして取引きされているものではないから、紙製包装用容器である段ボール箱における本件商標の使用を証明していない。
そして、この段ボール箱は、プラスチック製包装用容器バイオタッチ800を梱包するために使用されているが、そのプラスチック製包装用容器は、梱包された商品が「ECOPAC(エコパック)」という商品ではないから、段ボール箱に表示される「ECOPAC(エコパック)」は、その内容物を表示するための使用とは認められない。
以上のとおり、被請求人(商標権者)は、紙製包装用容器に本件商標の使用をしていることを証明していない。
以上によれば、被請求人は、その審判の請求の登録前3年以内に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品についての使用をしていることを証明していないものといわざるを得ず、また、被請求人は、使用をしていないことについて正当な理由があると述べるものでもない。
その他、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品、第16類「紙製包装用容器」及び第20類「プラスチック製包装用葉,その他の木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」について本件商標が使用されていることを認めるに足る証拠はない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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