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Trademark Appeal Case

記号と普通名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−5287(T2009−5287/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MXナイロン」の文字を標準文字で表してなり、第1類「化学品,原料プラスチック」を指定商品として、平成20年2月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『MXナイロン』の文字を標準文字で表示してなるところ、その構成中『MX』の文字は、一般に商品の品番、型番等を表示する記号、符号として採択・使用されている欧文字2字の一類型と認められ、また、『ナイロン』の文字は、ポリアミド系の合成高分子化合物の総称であり、絹に似た光沢をもつ、強度の高い合成繊維として広く用いられている『ナイロン』を直観させることから、全体として『型番がMXのナイロン(に関する商品)』という程の意味合いを理解させるにすぎないものであるから、本願商標をその指定商品中、前記文字に照応する商品、例えば『ナイロン樹脂』や『ナイロン繊維製造工程用化学品』などに使用しても、単に商品の品質や原材料を表示するにとどまるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、標準文字により表された「MXナイロン」の文字よりなるものであるところ、構成全体をもって特段の意味を有するものではないこと、「MX」と「ナイロン」とは欧文字と片仮名という異なる種類の文字であって視覚的に分離されて認識されるものであり、「ナイロン」は、本件指定商品中の商品「ナイロン樹脂」の普通名称といえるものであることから、本願商標は、「MX」及び「ナイロン」からなるものと容易に理解されるものである。

そして、「MX」は、欧文字「M」と「X」のわずか2文字にすぎないから、それのみでは、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章」(商標法第3条第1項第5号参照)といわざるをえないものであって、かつ、本願指定商品に係る化学品及び原料プラスチック分野においては、欧文字2字が商品の品番等を表す記号、符号として頻繁に使用されているものである(このことは、例えば、プラスチック工業連盟等の団体の加盟各社のウェブサイトなどを見ても明らかである)。

そうとすると、本願商標中の「MX」は、本願商標から生じる意味合いとして、格別に印象に残るものではなく、「ナイロン」は、上記「ナイロン樹脂」の普通名称といえるものであることから、本願商標「MXナイロン」をその指定商品中、ナイロン樹脂に係る商品に使用する場合には、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであるというべきであって、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」であるというのが相当であり、また、本願商標は、その構成中に顕著に「ナイロン」の文字を有してなるものであるから、上記商品以外の商品に使用する場合には、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

請求人は、本願商標は、外観上まとまりよく一体的に把握し得るものであり、全体の構成文字から生ずる「エムエックスナイロン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るとして、格別の意味を生じない一種の造語と見るべきである旨主張している。

しかしながら、本願商標は、外観上、同書、同大、同間隔でまとまりよく表され、これより生ずる称呼が一連に称呼し得るとしても、前述のとおり、本願商標は、容易に「MX」と「ナイロン」の文字よりなるものと認識されるのであるから、その主張は採用できない。

請求人は、「MX」が、本願指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、型番等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実を見いだせなかったとし、本願商標は、格別の意味を生じない一種の造語と見るべきである旨主張している。

しかしながら、上記のとおり、「MX」は、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章」といえるものであって、かつ、欧文字2字に係る前記取引の実情からすると、「MX」の文字自体が使用されていないとしても、それにより前記認定を左右するものではない。

請求人は、審判例を挙げ、本願商標も同様に登録すべきである旨主張しているが、本願商標は、欧文字2字と商品の普通名称を組み合わせてなるものであって、上記のように認定し得るものである。したがって、請求人の主張は採用できない。

なお、当審は、上記のとおり判断するものであり、原査定と適用条項は異なるが、原査定は、本願商標はその構成中の「MX」がありふれて使用されている欧文字2字の一類型であり、「ナイロン」は本願指定商品に係る商品の普通名称であることを前提として、自他商品の識別力を有しないとしているものであり、その判断の内容において実質的に相違するものではない。

また、請求人は、平成21年4月28日付け上申書において、「請求人は1985年から本願商標をその指定商品について使用している。使用状況及び使用証拠をとりまとめ中であるので、本件の最終処分を猶予していただきたい」旨述べており、当審はそれに対して平成21年10月15日付けで審尋をしたが、請求人からは、使用状況に係る証拠の提出はなかった。

よって、結論のとおり審決する。

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