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Trademark Appeal Case

ハングル文字の称呼・観念

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2009−890076(T2009−890076/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4876520号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成16年12月16日に登録出願、第29類「かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を指定商品として、同17年5月24日に登録査定、同年7月1日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張(要旨)

1 請求の趣旨

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第6号証を提出した。

2 請求の理由

(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項第1号により無効とされるべきものである。

(2)請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録の無効の理由に引用する登録第4881323号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成16年12月15日に登録出願、第29類「味付けのり・焼きのりその他の加工水産物」を指定商品として、同17年7月22日に設定登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第11号について

引用商標は、本件商標の先出願に係るものであり、このような形態のものは、本件指定商品を扱っている業界ではめずらしいものである。

引用商標は、ハングル文字をもって書してなるものであり、「サンブジャ」の呼称を生ずる。これに対し、本件商標は、「ソムンナン サンブジャ」の称呼を生ずるが、「サンブジャ」は漢字で表記すると「三父子」であり、「ソムンナン」は「うわさの」という意味である。

したがって、本件商標は、引用商標に「うわさの」という修飾語をつけたことと、絵を付け加えたというだけであって、「サンブジャ」の呼称を共通にする類似のものである。

そして、本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品とは、販売並びに需要者が同一であり類似する商品ということができる。

なお、引用商標の出願は、2004年12月15日にしたものであるが、請求人は、ハングル文字からなり、「ソムンナン サンブジャ(うわさの三父子)」と呼称する甲第4号証の商標を、2001年2月9日に出願した実績がある。その商標は、提出後、慎重に検討した結果、「うわさの」という修飾語をつけることによって、修飾語を変えた類似商標が登録されるおそれがあるため、出願はしたものの登録は見合わせ、引用商標を商標登録するに至ったものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件無効審判の審議の保留を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、引用に係る登録第4881323号商標権についての商標法第50条第1項の規定による取消審判の請求書の写しを提出した。

本件無効審判の理由として引用されている登録第4881323号商標に対しては、平成21年8月19日に取消審判が請求されている。

このため、引用商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるものと考える。

よって、本無効審判の審議の保留を求める。

第4 当審の判断

1 商標法第8条第1項について

請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張しているが、引用商標は本件商標の先願に係るものではあるが、本件商標の登録査定時には未だ登録されていなかったものであるから、商標法第8条第1項違背を理由とする主張として、以下のとおり判断する。

(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、緑色の方形内に目や口を表し、これに手足を付け、口の下部に赤色の蝶ネクタイを配した構成からなる図形を大きく表し、該図形の上部に、赤色で表したハングル文字を二段に表してなるものである。

他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、ハングル文字を書してなるものである。

この点について、請求人は、引用商標は「サンブジャ」と称呼されるハングル文字であって「三父子」の意味を表すものであり、本件商標はこれに、「うわさの」という意味を表す「ソムンナン」と称呼されるハングル文字と図形を付加したにすぎないものであるから、両商標は「サンブジャ」の呼称を共通にする類似の商標である旨主張している。

しかしながら、我が国における一般的な需要者・取引者において、ハングル語が親しまれた外国語とはいい難いから、引用商標及び本件商標の文字部分がハングル文字であると認識することは出来るとしても、これを正しく発音し、その意味までを理解することはかなり困難であるといわなければならない。

そうとすれば、本件商標及び引用商標の各ハングル文字部分からは、特定の称呼及び観念を生じないとみるのが相当である。

(2)次に、本件商標と引用商標の外観を比較するに、本件商標は、別掲(1)のとおりハングル文字と図形からなるところ、構成中の該図形部分は、緑に着色された擬人化された縦長方形状の図形であるのに対し、構成中の赤く着色され二段に表されたハングル文字部分は、上記(1)のとおり我が国においては、親しまれた文字とはいえず、その意味も理解し得ないことよりすれば、これに接する取引者、需要者が、構成中のハングル文字部分の下段部分のみを抽出し記憶するとは言い難く、本件商標の構成全体又は、顕著な特徴を有する図形部分に強く注意が惹かれ、この部分をもって取引されるとみるのが相当である。

また、本件商標のハングル文字部分中の下段のハングル文字と引用商標とは、これを詳細に対比観察すれば、その字形において同じものといえる。しかしながら、上記したとおり、我が国においては、一般にハングル文字は親しまれた文字とはいえないことから、ハングル文字に接しても、その読み及び意味合いを理解、把握することができないことと相俟って、その下段のハングル文字の字形を記憶しておくことは困難であるといわなければならない。しかも、本件商標のハングル文字部分は、上段と下段とが同一の書体をもってまとまりよく表現されていることから、一体として把握、認識されるのに対して、引用商標は、ハングル文字3文字を横書きした商標であるから、ハングル文字部分の外観においても、別異のものといわなければならない。

(3)してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念においては比較すべくもないものであり、外観においても明らかな差異を有するものであるから、互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

そして、他に引用商標が、外観、称呼及び観念においては相紛らわしいものと認められる特段の事情も認められない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものということはできない。

2 商標法第4条第1項第15号について

請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号にも該当する旨主張しているが、本件商標が引用商標に係る商品と混同を生ずるおそれがあることを判断する前提となる引用商標の具体的な使用状況(例えば、引用商標の使用開始時期、使用期間、使用地域、引用商標に係る商品の売上高、広告宣伝の方法・回数・内容等)について、請求人は何ら述べておらず、引用商標の著名性を裏付ける証拠も何ら提出していない。

してみれば、引用商標が請求人の業務に係る商品を表す商標として、本件商標の登録出願時において、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。しかも、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が請求人若しくは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものということはできない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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