sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼と外観の類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−19711(T2009−19711/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成20年7月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、登録第4732349号商標(以下『引用商標』という。)と『キョウヤ』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

そして、引用商標は、「饗家」の漢字と「きょうや」の平仮名文字とを上下二段に書してなり、平成14年10月17日に登録出願、第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取り次ぎ」を指定役務として、同15年12月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について

本願商標は、別掲1に示すとおり、筆書体風に書された円内に、左上から右下にかけて、大きく「京や」の文字を書し、該文字の下に「きょうや」の平仮名文字を配し、また、「京や」の文字中の「京」の左側に「丸に梅鉢」の家紋風の図形(以下「家紋風図形」という。)を配してなるものである。

しかして、本願商標構成中の「京や」の文字及び「京や」の読み方を特定したものと無理なく認識される「きょうや」の文字と家紋風図形とは、同一円内に配置されているものであるとしても、「京や」及び「きょうや」の文字部分と家紋風図形とは、視覚上分離して観察されるとみるのが自然である。

また、本願商標構成中の「京や」及び「きょうや」の文字と家紋風図形が、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、これらを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。

そうとすると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、大きく書された「京や」の文字及び「きょうや」の文字を捉え、これをもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

してみれば、本願商標は、該文字部分に相応した「キョウヤ」の称呼を生じるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。

他方、引用商標は、「饗家」の文字と「きょうや」の文字からなるものである。

しかして、引用商標構成中の「饗」の文字は、「酒食を用意してもてなす。」等を意味する語であり、「キョウ」とも称される語(漢字源改訂第四版 株式会社学習研究社発行)であるから、当該「饗」と「家」を結合した「饗家」の文字からは、「キョウヤ」の称呼を生ずるものである。

そして、引用商標構成中の「きょうや」の平仮名文字は、構成中の「饗家」の文字部分の読みを特定したものと無理なく認識し得るものである。

してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して、「キョウヤ」の称呼のみを生ずるものであり、かつ、特定の観念は生じないものである。

そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、共に特定の意味合いを看取させないものであるから、観念において比較することはできないとしても、「キョウヤ」の称呼を共通にするものである。

また、本願商標構成中の「きょうや」の文字と引用商標構成中の「きょうや」の文字とは、外観上類似するものである。

そして、引用商標の指定役務は、本願の指定役務と同一又は類似する役務を含むものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、本願商標構成中の「きょうや」と引用商標構成中の「きょうや」とは外観において類似し、かつ、両商標は、「キョウヤ」の称呼を共通にする類似の商標であることから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について

請求人は、「本願商標は、『きょうや』あるいは、『マルニキョウヤ』とか、『ウメバチキョウヤ』という称呼が生じる。他方、引用商標は、漢字の読みのバリエーションにしたがって、『ヒビキヤ』『ヒビキイエ』『キョウヤ』等の称呼が生じ得るものであって、唯一絶対の称呼として『キョウヤ』の称呼のみが生じるものではない。してみれば、両商標は、共に『キョウヤ』と称呼された場合にのみ、称呼が重複すると言える。したがって、称呼においては、一部近似する場合が生じる可能性があることは否定しないが、恒常的にそのような状態となって、称呼が相紛らわしいという状況とは言えない。してみれば、両商標は、称呼において、一部重複する可能性があるとはいえ、外観及び観念が、著しく相違する以上、実際の取引に用いられた場合、両商標が同一の出所を表示するものと誤信される事態はおよそ考えられないから、両商標は類似しない。」旨主張する。

しかしながら、本願商標は、その構成中の家紋風図形と文字部分とを必ずしも、一体不可分のものとしてのみ認識しなければならない特段の事情もないものである。

また、引用商標構成中の「饗」の文字は、漢字源改訂第四版1769頁を参照すると、「響」の文字とは相違し、「ヒビキ」と読まれる漢字ではないことから、引用商標からは、「ヒビキヤ」又は「ヒビキイエ」の称呼を生ずるものではなく、「キョウヤ」の称呼のみを生ずるものである。

よって、前記(1)の認定のとおり、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、本願商標構成中の「きょうや」と引用商標構成中の「きょうや」とは外観において類似し、かつ、両商標は、「キョウヤ」の称呼を共通にする類似の商標であるから、請求人の上記主張は、採用することができない。

また、請求人は、「本願を引用商標の『響家(きょうや)』(なお、『響家』の文字は、『饗家』の誤記である。)で拒絶するのは、引用商標自体が、その先行商標である『響屋』(登録第4452586号)の存在にも拘わらず、登録されている事とも整合が取れない。」旨、主張する。

しかしながら、請求人が掲げる登録第4452586号商標は、別掲2に示すとおり、「ひびきや」の平仮名文字と「響屋」の漢字を上下二段に書してなるものであり、その構成中の「ひびきや」の文字が、「響屋」の読み方を特定したものと無理なく認識されるものであることから、「ヒビキヤ」の称呼のみを生ずるものであり、「キョウヤ」の称呼のみが生ずる引用商標とは、非類似の商標である判断するのが相当である。

また、前記のとおり、登録第4452586号商標は、その構成中に「ひびきや」の平仮名文字を有するものであるところ、請求人は、該商標をあたかも「響屋」の漢字のみからなる商標であるかの如き主張をしているものであるから、請求人のかかる主張は、失当であると言わざるを得ない。

したがって、請求人の前記主張も採用することはできない。

その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

(3)まとめ

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。