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Trademark Appeal Case

容器名と商品名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−8582(T2009−8582/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「バケツプリン」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第30類「プリン,プリンのもと,プリンの風味を有してなる菓子及びパン,プリンの風味を有してなるアイスクリームのもと,プリンの風味を有してなるシャーベットのもと,プリンの風味を有してなる即席菓子のもと」を指定商品として、平成20年7月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『バケツプリン』と書したものであるが、インターネットに公開された情報を調べたところ、バケツに入ったプリンが『バケツプリン』と称されて多数販売されていたという事実が見出せる。また、そのような『バケツプリン』のレシピも見出せた。このような事情を考慮すると、プリンについて『バケツプリン』という表示は『バケツプリン』と称されて多数販売されていたプリンの『バケツプリン』を理解、認識させる表示であると認められる。そして、本願商標は、『バケツプリン』と書したものであるから、指定商品中『バケツに入れたプリン』に使用するときには、バケツに入れたプリンというような意味を理解させるにとどまり、商品の品質、形状を表示したものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外のプリンに使用するときは、バケツに入れたプリンであるかのように商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成22年5月19日付けで証拠調べの結果を通知した。

4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)

本願の出願人は、「バケツプリン株式会社」であり、本願商標「バケツプリン」は、本願の出願人の会社の商号である「バケツプリン株式会社」の略称である。そうとすると、この商標「バケツプリン」については、商品への使用はもちろんのこと、様々な場面で使用するものであるため、出所表示機能を有するものである。

本願商標「バケツプリン」をその指定商品中「バケツに入ったプリン」に使用した場合であっても、本願商標は、独創的かつ斬新な表示であって、特異ないいまわしの語句で構成されているものであるため、需要者の注意を引き、需要者に本願商標を印象付け・記憶させ、商取引に寄与するものといえるものであるから、本願商標をその指定商品中「バケツに入ったプリン」に使用する場合であっても、単に商品の品質、形状を表示したものとはいえない。

本願商標「バケツプリン」は「バケツ」と「プリン」を分離して判断すべきものではなく、商標全体で一つの商標であり、「バケツ」と「プリン」を一体として「バケツプリン」とすることに意味があり、全体で一体とすることで一種の造語となる。

よって、本願商標をその指定商品に使用した場合であっても、単に商品の品質、形状を表示するにすぎないとはいえず、本願商標「バケツプリン」は、自他商品の識別機能としての機能を果たしているといえる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。

5 当審の判断

(1)本願商標は、上記1のとおり、「バケツプリン」の片仮名文字よりなるところ、前記3で示した証拠調べ通知に記載のとおり、該構成中の「バケツ」の文字は、「「(bucketの転訛)金属や合成樹脂などで作った、水などを入れる把手付きの桶状の器。」等の意味を、また、「プリン」の文字は、「プディングの訛。カスタード‐プディングのこと(イギリス式の菓子の一種)。」等の意味をそれぞれ有する語(「広辞苑第六版」「コンサイスカタカナ語辞典」)として一般に親しまれているものであり、本願商標はこれらの語を結合してなるから、「バケツのプリン」すなわち、「バケツに入ったプリン」の意味を容易に想起させるものと認められる。

そして、前記3で示した証拠調べ通知(別掲)中の第1 2(1)ないし(14)、第1 3(1)ないし(13)、及び第1 4(1)ないし(5)に記載のとおり、新聞、雑誌、インターネットにおいて「バケツプリン」の文字は、通常のプリンの15個分といった「バケツに入った巨大なプリン」を表す語として、使用されているものである。

してみれば、本願商標は、「バケツプリン」の文字を書してなるにすぎないものであり、これよりは「バケツに入ったプリン」の意味を容易に理解、認識させるものであり、また、上記のとおり一般に使用されているものであるから、これをその指定商品中「バケツに入ったプリン」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「バケツに入ったプリン」であること、すなわち、商品の品質、量、形状を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては機能し得ないものというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、これを上記商品以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものと認められる。

(2)なお、請求人は、本願商標「バケツプリン」は、本願の出願人の会社の商号である「バケツプリン株式会社」の略称である。そうとすると、この商標「バケツプリン」については、商品への使用はもちろんのこと、様々な場面で使用するものであるため、出所表示機能を有するものである旨主張している。

しかしながら、本願の出願人が「バケツプリン株式会社」であったとしても、出願人を「バケツプリン」と略称され広く一般に知られているものとは認められないものであり、また、その証拠も提出されていない。そして、本願商標「バケツプリン」は、「バケツに入ったプリン」の意味を容易に想起させるものであり、本願商標が、自他商品の識別標識としての機能を有しないことは、前記認定のとおりである。

また、請求人は、本願商標は、独創的かつ斬新な表示であって、特異ないいまわしの語句で構成されているものであるため、需要者の注意を引き、需要者に本願商標を印象付け・記憶させ、商取引に寄与するものといえるものであるから、単に商品の品質、形状を表示したものとはいえない旨、さらに、本願商標「バケツプリン」は「バケツ」と「プリン」を分離して判断すべきものではなく、商標全体で一つの商標であり、「バケツ」と「プリン」を一体として「バケツプリン」とすることに意味があり、全体で一体とすることで一種の造語となる旨主張している。

しかしながら、「バケツ」の語も「プリン」の語も前記認定のとおり一般に親しまれているものであり、本願商標はこれらの語を結合してなるにずぎないから、本願商標の「バケツプリン」の語は独創的かつ斬新な表示とはいえない。また、「バケツ」の語も「プリン」の語も親しまれているから、それぞれの語を分離して認識されものであり、本願商標「バケツプリン」は、全体で一体のものと理解されるものとは認めることができない。

さらに、請求人は、平成21年1月19日付け及び平成21年5月21日付け物件提出書において、物件1及び物件12を提出し、「バケツプリン」といえば出願人の商品であることが示唆される旨主張している。

しかしながら、これらは同じ内容のもので、1か月分の請求書のみであって、継続して発送しているのか不明であり、それらに記載されている発送先の数によっては、一般の取引者、需要者にまで全国的に知られているということはできないものである。また、出願人名義変更届がその後の平成21年9月18日に提出されているから、これら物件1及び物件12では、一般の取引者、需要者に知られているという証拠として認め難い。

さらにまた、請求人は、既登録例を挙げて、本願商標もそれと同様に登録されるべきである旨主張している。

しかしながら、商標の識別性の判断は、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた登録例は、本願商標と事案を異にするものといわざるを得ない。そして、その登録例によって、本願商標が、前記3のように使用されている事実が否定されるとはいえないから、本願商標が、自他商品の識別標識としての機能を有しないことは前記のとおりであり、請求人の挙げた登録例の存在によってその認定が左右されるものではない。

そうとすれば、請求人のいずれの主張も採用することはできない。

(3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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