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Trademark Appeal Case

記述的表示の普通使用態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−14388(T2009−14388/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「せんべい」を指定商品として、平成20年7月11日に登録出願されたものであり、その後、原審において同21年2月5日付けの手続補正書により、第30類「枝豆風味のせんべい」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『枝豆風』の文字の左側に『せんべい』の文字を二行に書してなるところ、その構成中『枝豆』の文字部分は『大豆の未熟なうちに茎ごと切り取ったもの。』を表す語であり、『風』の文字部分は『おもむき。あじわい。風味。』等の意味を有する語であり、『せんべい』の文字部分は『干菓子の一種。小麦粉または粳米・糯米の粉に砂糖などを加えて種を作り、鉄製の焼型に入れて焼いたもの。』を表す語であることよりすれば、本願商標全体として『枝豆風味のせんべい』程の意味合いが容易に認識される。そして、本願指定商品を取り扱う食品業界において、何らかの食材の風味を付けたせんべいを『○○風せんべい』のように称することが一般に行われていること及び習字風のデザイン文字が一般に使用され、文字の大きさや文字配置が統一的でないものも存在している実情がある。そうとすれば、単に、商品の品質を普通に用いられる域を脱しない方法で表示するにすぎないものと認められる本願商標を補正後の指定商品『枝豆風味のせんべい』に使用しても、これに接する需要者等は、該商品が『枝豆風味のせんべい』であると認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、筆文字書き風に「枝豆風」(なお、「風」の文字は他の文字に比べて小さい。)の文字の左側に「せんべい」の文字を多少デザイン化して縦書きにしてなるものである。

しかして、近時、レタリング技法の進展により、商品の包装、広告等において、筆文字風に表現する手法は広く採用されているところであって、特に、煎餅を取り扱う業界においては、より顕著に使用されているものである。そして、本願商標の文字部分は「枝豆風せんべい」の文字を表してなるものと容易に認識、把握され得るものであり、さらに、本願商標を構成する文字の配置が多少ずれているとしても、この程度のデザイン化は、商品の包装袋などにおいては普通に採択、使用されており、決して特殊な態様からなるものということはできず、単なる装飾とみるのが相当である。

そうすると、本願商標は、普通に用いられる域を出ない方法で「枝豆風せんべい」の文字を表してなるから、全体として「枝豆風味のせんべい」の意味合いを認識させるものである。

また、文字の大きさや配置が統一的ではない筆文字風に書された態様の文字が、煎餅を取り扱う業界において一般に使用されている事実は、原審において提示した証拠に加えて、次のインターネットのウェブサイト上でも、普通に使用されている事実が裏付けられるものである。

(1)「東海キヨスク株式会社」の「東海道おみやげ道中by Kiosk」と称するウェブサイトにおいて、筆文字風で文字配置が統一的ではない「たまりせんべい」の文字が包装袋に使用されている。

(http://item.rakuten.co.jp/tokaikiosk/05-min-1829//)

(2)「有限会社林田本店」のウェブサイトにおいて、「手焼き醤油おせんべい『堅焼』」の見出しのもと、筆文字風で文字配置が統一的ではない「林田のおせんべい」の文字が包装袋に使用されている。

(http://shop.yumetenpo.jp/goods/d/kaiun-senbei.com/g/1/index.shtml/)

(3)「株式会社瑞花」のウェブサイトにおいて、「新発売商品」の項に、筆文字風で文字の大きさや配置が統一的ではない「瑞花のおせんべい」の文字が包装袋に使用されている。

(http://www.zuika.jp/products/494.html/)

(4)「小藤屋」のウェブサイトにおいて、筆文字風で文字の大きさや配置が統一的ではない「こふじの焼きもちぬれせんべい」の文字が包装袋に使用されている。

(http://6922.teacup.com/kofujiya/shop/01_01_03/2-14//)

(5)「株式会社渋川製菓」のウェブサイトにおいて、「渋川の津軽せんべいオンラインショップ」の見出しのもと、「厚焼きせんべい」の項に、筆文字風で文字の大きさや配置が統一的ではない「津軽せんべい」の文字が包装袋に使用されている。

(http://www.shibusen.co.jp/shop_item1.htm/)

以上の事実よりすれば、煎餅を取り扱う業界においては、商品の包装袋等には、商品の品質を表示する内容を筆文字風の文字を使用して、文字の大きさや文字配置が統一的ではない態様で表すことは、普通に用いられている手法であることからすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、単に「枝豆風味のせんべい」を理解するにとどまり、その構成態様からも自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、商品の品質を表示したにすぎない商標といわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

なお、請求人は、「習字風デザイン文字で表された独特の態様からなる本件商標の『枝豆風せんべい』は、各文字の大きさ及び文字配置が大きく入り乱れ、全体として踊るが如き躍動感に溢れた特異のデザインからなり、普通に用いられる域を優に脱した独特の印象感を需要者、取引者に与え、自他商品の識別機能を発揮する商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。」旨、主張している。

しかしながら、指定商品をそのまま表示するような図案化された文字が特異な字体とは認められないとして、特別顕著性がないとされた裁判(昭和29年(行ナ)第35号 東京高等裁判所 昭和30年9月27日)の判決では、「商標は、字体等外観により目に訴えて、商品を区別させる作用を営むだけでなく、一般口頭の注文の場合を考えて明らかなように、音によってその商品を指示し、他の商品とを区別するに使われ、また観念によって記憶されるものであるから、ひとり字体等の外観ばかりでなく、称呼、観念において、指定商品をそのままに表しているような商標は、やはりこれに特別顕著性ありとして、これを登録して排他的使用権を与えるに適さないものと解さなければならない。」と判示しているところである。

そうとすれば、本願商標は一見して「枝豆風せんべい」と認識される態様で表され、それが「枝豆風味のせんべい」を意味するものと容易に把握できることから、本願商標の態様が多少の装飾が施されていたとしても、指定商品の内容を直接的に表示してなるものであり、特定の生産者、販売者によって製造、販売されたことを明らかにするといった出所表示機能は果たし得ないものであると判断するのが相当である。

したがって、かかる請求人の主張については採用することができない。

4 まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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