Trademark Appeal Case
結合商標の類否と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−65049(T2005−65049/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「VODAFONE LIVE」の欧文字を横書きにしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類、第35類、第36類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2002年3月15日にUnited Kingdomにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2002年6月27日に国際商標登録出願されたものである。
そして、指定商品及び指定役務については、原審において、平成16年8月13日付け手続補正書及び当審において、2005年8月31日に国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、別掲1に示すとおりの商品及び役務に補正及び限定されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、以下に掲げる登録商標1ないし13(以下、これらをそれぞれにいうときは、『引用商標1』等といい、また、これらをまとめていうときは『引用各商標』という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 登録第2444825号商標は、「LIVE」の欧文字と「ライブ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、昭和63年10月12日に登録出願、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録、その後、平成14年4月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品については、平成15年11月5日に、別掲2に示すとおりの商品に書換登録され、現に有効に存続しているものである。
2 登録第2707815号商標は、「LIVE」の欧文字を横書きにしてなり、昭和62年2月23日に登録出願、第9類「金属加工機械器具、その他本類に属する商品、(但し、かいばおけ、養鶏用かご、印刷又は製本機械器具、鐘、機械要素を除く。)」を指定商品として、平成7年6月30日に設定登録、その後、平成17年4月12日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 登録第3018537号商標は、「ライブ」の片仮名文字を横書きにしてなり、平成4年9月24日に登録出願、第36類「土地の売買,建物の貸与,建物の売買」を指定役務として、平成7年1月31日に設定登録、その後、平成17年2月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
4 登録第3042168号商標は、「ライブ」の片仮名文字を横書きにしてなり、平成4年9月18日に登録出願、第36類「生命保険の引受け」を指定役務として、平成7年5月31日に設定登録、その後、平成16年12月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
5 登録第3128142号商標は、別掲3のとおり、「Live」の欧文字を書し、該文字中「ve」の文字部分の上に、小さく「befree[laiv]」の文字を配してなり、平成4年9月24日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の売買」を指定役務として、平成8年3月29日に設定登録、その後、平成18年3月14日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
6 登録第3242396号商標は、「LIVE」の欧文字を横書きにしてなり、平成4年9月24日に登録出願、第36類「土地の売買,建物の貸与,建物の売買」を指定役務として、平成8年12月25日に設定登録、その後、平成19年6月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
7 登録第3280779号商標は、「LIVE」の欧文字と「ライブ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、平成6年5月31日に登録出願、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」を指定商品として、平成9年4月11日に設定登録、その後、平成18年11月28日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
8 登録第4352036号商標は、「LIVE」の欧文字と「ライブ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、平成10年3月4日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,ロケット,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,計算尺」を指定商品として、平成12年1月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
9 登録第4400452号商標は、「LIVE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年2月17日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,事故防護用手袋,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,計算尺」を指定商品として、平成12年7月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
10 登録第4400551号商標は、「LIVE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年5月11日に登録出願、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」を指定役務として、平成12年7月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
11 登録第4427999号商標は、「LIVE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年5月11日に登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」を指定役務として、平成12年10月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
12 登録第4428003号商標は、「LIVE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年5月11日に登録出願、第41類「庭園の供覧,洞窟の供覧,サッカーの興行の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」を指定役務として、平成12年10月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
13 登録第4527803号商標は、「LIVE!」と「ライブ!」の文字を上下二段に書してなり、平成11年7月29日に登録出願、第38類「移動体電話による通信,無線呼出し,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成13年12月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
本願商標は、前記第1のとおり、「VODAFONE LIVE」の文字を書してなるところ、構成中の「VODAFONE」と「LIVE」の文字の間にスペースを有するものであることから、視覚上分離して看取されるとみるのが自然である。
また、「VODAFONE」と「LIVE」の文字部分とが、全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情はないものである。
さらに、構成中の「VODAFONE」の文字部分は、請求人(出願人)の取扱い商品及び役務ないし商号の略称を表示する代表的な出所表示標識として、取引者、需要者間において広く認識された標章と認められるものであるから、本願商標を、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「VODAFONE」の文字を当該業務主体を表す、いわゆるハウスマークととらえ、「LIVE」の文字部分をその取扱いに係る商品及び役務の名称を表す、いわゆるペットネームと認識し、把握すると見るのが相当である。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、代表的出所表示部分を省略して個別商標部分である「LIVE」の文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。
したがって、本願商標は、構成文字全体に相応した「ボーダフォンライブ」の一連の称呼の他、「LIVE」の文字部分に相応した「ライブ」の称呼をも生じ、かつ、「生存する、住む、生きている、生の」などの観念を生ずるものである。
他方、引用各商標は、「LIVE」または「ライブ」の文字からなる、あるいは、その構成中に顕著に示された「LIVE」の文字を有してなるものであるから、該文字部分から「ライブ」の称呼を生ずるものであり、かつ、「生存する、住む、生きている、生の」などの観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用各商標との類否について判断するに、これらは、「ライブ」の称呼及び「生存する、住む、生きている、生の」などの観念を共通にするものである。
また、本願商標構成中の「LIVE」の文字と、引用商標1及び2、5ないし13の構成中の「LIVE」の文字は、その綴りを同じくするものであり、外観上類似するものである。
そして、本願の指定商品及び指定役務は、引用各商標の指定商品及び指定役務と同一または類似する商品及び役務を含むものである。
2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張
(1)請求人は、甲第1号証ないし甲第12号証及び甲第23号証ないし甲第24号証の9を提出し、「本願商標は、請求人の取り扱いに係る携帯電話機利用者向けインターネット接続サービスについて使用し、需要者間において広く認識された商標であって、常に一連一体として取引に資されるべきものであるから、本願商標は引用各商標と類似するものではなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。」旨主張する。
(2)請求人は、「本願商標の構成中『LIVE』の文字は、本願の指定商品及び指定役務との関係において自他識別力の極めて弱いものであるから、本願商標構成中の『VODAFONE』の文字部分のみを捉えて取引に資する場合があるとしても、『LIVE』の文字部分のみを捉えて取引に資するものではないから、本願商標は引用各商標と類似するものではなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。」旨主張する。
3 請求人の主張についての反論
(1)請求人提出による甲第1号証ないし甲第12号証及び甲第23号証ないし甲第24号証の9について検討する。
甲第1号証は、IT用語辞典e−Wordsに掲載された「VODAFONE LIVE!」についての説明であり、請求人の携帯電話網で提供しているインターネットサービスと記載されている。
甲第2号証及び甲第3号証は、請求人の発行する総合カタログ及びミニパンフレットであり、「VODAFONE LIVE!」のサービス内容や料金等について説明されている。
甲第4号証は、株式会社博報堂の作成による「VODAFONE LIVE! マスメディア4媒体(ラジオ・雑誌・新聞・交通)における宣伝広告報告書」であり、2003年9月から2004年7月末日における、「VODAFONE LIVE!」に関する宣伝・広告の内容について記載されている。
甲第5号証ないし甲第12号証は、社団法人電気通信事業協会、総務省、東京都のホームページ等に掲載された記事であり、「ボーダフォンライブ」または「VODAFONE LIVE!」の文字の記載がある。
甲第23号証は、株式会社博報堂の作成による2005年8月15日付け「VODAFONE LIVE! マスメディア5媒体表記素材に関して 新聞→なし テレビ・ラジオ・雑誌・交通のメディア関連資料」であり、「VODAFONE LIVE!」に関する宣伝・広告の内容について記載されている。
甲第24号証の1ないし9は、新聞記事情報であり、「VODAFONE LIVE!」及び「ボーダフォンライブ」の文字の記載がある。
以上の資料を総合判断すると、本願商標は、請求人の携帯電話網で提供しているインターネットサービスを表示するものであり、2003年頃から2005年頃まで、マスメディアにより、本願商標に関する宣伝・広告を行ったことにより、請求人が業として行う「携帯電話におけるサービス」を表示するものとして、需要者等に認識されていたものと判断することができる。
しかしながら、「VODAFONE LIVE」に関するサービスを利用するためには、請求人の業務に係る携帯電話通信の利用契約が必要であることから、このサービスを利用する需要者等は、自ずと限定されるとみるのが自然である。
さらに、現在においては、請求人が、国内において、「VODAFONE LIVE」と称するサービスを行っている事実が確認できないことからすると、本願商標が請求人の業務にかかる役務を表示するものとして広く知られているに至っている商標であるとは認めることができない。
そうとすれば、本願商標が、著名性を有し、その著名性ゆえに本願商標と引用各商標とが区別し得る等の特段の事情が存在するものとは認められないものであるから、上記1で認定したとおり、本願商標は、その構成中の「LIVE」の文字のみを捉えて、取引に資する場合があり、引用各商標とは、類似するものであるから、請求人の係る主張は採用することができない。
(2)請求人が主張するとおり、「LIVE」の文字が「生放送」の意味を有する語であるとしても、該語は、「生放送」以外の意味をも有するものであることに加え、本願商標及び引用各商標に係る抵触関係にあり、かつ、生放送とは関係の認められない商品及び役務との関係で、自他商品あるいは自他役務の識別標識としての機能を有しないとする特段の事情は存在しないと判断するのが自然である。
そうとすれば、本願商標構成中の「LIVE」の文字が、自他商品及び自他役務の識別標識として機能しないものとはいえず、上記1で認定したとおり、本願商標は、その構成中の「LIVE」の文字のみを捉えて、取引に資する場合があり、引用各商標とは、類似するものであるから、請求人の係る主張は採用することができない。
(3)その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
4 まとめ
以上からすると、本願商標と引用各商標は、「ライブ」の称呼及び「生存する、住む、生きている、生の」などの観念を共通とする類似の商標であり、さらに、本願商標と、引用商標1及び2、5ないし13とは、「LIVE」の文字部分において、外観上類似するものであり、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用各商標の指定商品及び指定役務と同一または類似する商品及び役務を含むものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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