Trademark Appeal Case
不正目的の有無と周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900404(T2009−900404/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5250493号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROCOCO」欧文字と「ロココ」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成21年1月6日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として同年6月22日に登録査定、同年7月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第97号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人がチョコレートに使用し、英国をはじめとする欧州各国、米国及び日本国内において周知・著名な商標「ROCOCO」と類似する商標であって、申立人の我が国市場への参入を阻止するなど、不正の目的をもって使用するものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人を示すものとして認識されている商標を、その事実を充分に知っているにもかかわらず、商標登録されていないことを奇貨として、商標権者がひょう窃的に出願・登録したものであり、かかる行為は、公正な商取引秩序を乱すおそれがあり、ひいては公の秩序を害するおそれがあるものである。
3 当審の判断
(1)申立人の使用する商標「ROCOCO」について
申立人がチョコレートに使用する商標「ROCOCO」(以下「引用商標」という。)は、本件商標の登録出願の時には、既に申立人の業務に係る商品「チョコレート」を表示するものとして、英国をはじめとする欧州諸国等の外国において広く認識されていたものと認められる。
しかしながら、申立人提出の証拠によっては、引用商標を付した申立人の商品が、我が国において、英国の観光案内やブログで紹介されていることは認められる(甲第44号証ないし甲第76号証)ものの、当該商品の売上げ高、広告宣伝の状況などは明らかでないから、引用商標は、我が国において海外旅行に関心を有する者等の一部需要者の間に相当程度知られていたとしても、一般需要者の間に広く知られていたものとまでは認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、上記(1)のとおり申立人の業務に係る商品を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されていたものであり、また、本件商標と引用商標は類似する商標と認められる。
しかしながら、商標権者は「ROCOCO」の文字からなる登録第1378875号商標(以下「先登録商標」という。)を所有していたこと、当該商標に係る商標権の存続期間の満了前6月の頃に本件商標が出願されていること、存続期間の満了前6月から商標権の存続期間の更新登録の申請ができることからその時期に更新登録の申請の要否が検討され、更新登録の申請をせずに近似する商標を出願することは必ずしもまれなことではないこと、及び商標権者は申立人の輸入代理店である株式会社ヤマノアンドアソシエイツに先登録商標について短期間ではあるが使用許諾をしていることを考慮すれば、商標権者が申立人及び引用商標の存在を知っていたからといって、本件商標は不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。また、これを認めるに足る証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、上記(2)と同様の理由により、その出願の経緯(目的)において、著しく社会的妥当性を欠くものであり、公正な取引秩序を乱し、或いは国際信義に反し、公序良俗を害するおそれがあるものと認めることはできない。また、これを認めるに足る証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(4)結び
以上のとおり、本件商標の登録は、その登録査定時において商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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