Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900428(T2009−900428/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5255894号商標(以下「本件商標」という。)は、「HEATNEXT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年1月14日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年6月24日に登録査定、同年8月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人ネクスト ピー エル シー(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
ア 登録第2577818号商標(以下「引用商標1」という。)は、「NEXT AND NEXT」の欧文字を横書きしてなり、平成3年7月18日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年9月30日に設定登録されたものであり、その後、平成15年12月3日に第3類、第6類、第8類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
イ 登録第2272314号商標(以下「引用商標2」という。)は、「NEXT」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年2月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録されたものであり、その後、平成14年2月13日に第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
ウ 登録第4845247号商標(以下「引用商標3」という。)は、「NEXT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年3月26日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年3月11日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中の「HEAT」の語は、「熱いこと、暖かさ」を意味する語であり、発熱機能や保温機能の如く暖かくなる機能を有する商品であることを表わしているにすぎないから、本件商標の要部は「NEXT」の文字部分にある。
他方、引用商標1の要部も「NEXT」であるから、本件商標と引用商標1とは類似する商標である。また、引用商標2及び3は、「NEXT」の文字からなるものであるから、本件商標と引用商標2及び3とは称呼、観念、外観上同一である。そして、本件商標と引用各商標の指定商品とは、互いに同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、衣料等の製造販売を業とするイギリス法人であり、1982年にイギリスで婦人服の販売を開始し、現在ではイギリス及びアイルランドに500以上の店舗並びに世界中に170以上のフランチャイズ店を有している。日本においては、提携先のゼビオ株式会社にフランチャイズ店25店舗及びオンラインショップを運営させている。そして、商標「NEXT」を申立人が提供する商品「被服」等について市場において積極的に使用した結果、「NEXT」商標は、本件商標の出願時には既に周知・著名なものとなっていたものである(甲第6号証ないし甲第18号証)。
してみれば、周知商標「NEXT」を明瞭に含む本件商標がその指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品との出所の混同を生じるおそれがあることは明白である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、同書・同大・同間隔に一体的に表現されており、これより生ずる「ヒートネクスト」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「HEAT」の文字部分が「熱いこと、暖かさ」を意味する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であり、「NEXT」の文字部分のみが分離・抽出され、取引に供されるとみるべき格別の理由は見いだせない。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ヒートネクスト」の称呼のみを生ずるものであって、単に「ネクスト」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から「NEXT」の文字部分も独立して認識されることを前提にして、そのうえで、本件商標と引用各商標とが称呼、観念及び外観において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用各商標(使用に係る「NEXT」「next」の商標を含む。以下この項において同じ。)を「被服」等の商品について使用して著名になっている旨主張しているが、申立人の提出に係る証拠は、申立人会社や株式会社ゼビオ等のホームページ、カタログ、チラシ等であり、それらの配布部数や配布地域も明らかではなく、また、我が国における商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用各商標の著名性を具体的に裏付ける証拠も何ら提出されていないため、申立人の提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、引用各商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
しかも、前記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、加えて、「NEXT」の語は、我が国においても、「次の、今度の」等の意味を表す英語として広く一般に理解・認識されている成語であるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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