Trademark Appeal Case
結合商標の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900008(T2010−900008/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5271326号号商標(以下「本件商標」という。)は、「TSand」、「ティーサンド」及び「てぃーさんど」の文字を三段に横書きしてなり、平成21年4月8日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ,乗馬用具,皮革」及び第25類「バンド,ベルト,履物,被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年9月17日に登録査定、同年10月9日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第810725号商標(以下「引用商標」という。)は、「SAND」の文字を書してなり、平成17年(2005)3月16日に国際商標登録出願(事後指定)、第3類、第9類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成18年10月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。
(1)商標法第4第1項第11号について
本件商標は、たとえ周知・著名な引用商標「SAND」と他の文字「T」とを結合し、まとまりよく一体に表されているとしても、その指定商品中「かばん類,袋物,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ,乗馬用具,皮革,被服,運動用特殊靴」において、引用商標と類似しており、本号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、その指定商品中「被服」において、「他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」である引用商標と類似しており、本号に該当する。
(3) 商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
本件商標は、その指定商品中「バンド、ベルト、履物、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」については、引用商標に係る指定商品と同一又は類似ではない。しかし、引用商標は周知・著名な商標と推認することができ、かつ引用商標がハウスマークであることや、申立人の多角経営の可能性に鑑みても、本件商標は、申立人と経済的・組織的に何等かの関係のある者の業務に係る商品と誤認、混同するおそれがある商標ということができ、同法第4条第1項第15号に該当する。
また、出所の混同が生じ得ないまでも、本件商標権者には、外国で周知な引用商標の使用者である申立人の本格的な国内参入を阻止するような「不正の目的」が推認されるため、引用商標に類似する本件商標は、同法第4条第1項第19号に該当する。
(4) 商標法第4条第1項第7号について
日本国においてその名称又は略称「SAND」をもって著名な外国の法人である申立人又は「SAND WOMEN−WHOLESALE A/S」と無関係な者が、その承諾を得ずに、当該法人の名称又は略称からなる商標に類似した商標の設定登録を受けることは、当該団体の名声を占用して不正な利益を得るために使用する目的、その他不正な意図をもってなされたものと認められるため、商取引の秩序を乱すものであり、ひいては国際信義に反するものとして、公序良俗を害する行為というべきである。
3 当審の判断
(1)第4条第1項第11号について
本件商標は、「TSand」、「ティーサンド」及び「てぃーさんど」の各文字からなるものであるところ、「ティーサンド」及び「てぃーさんど」と同様、「TSand」の文字も一連にまとまりよく構成されており、これを、あえて、「T」と「Sand」とに分離したうえ、「Sand」の部分のみが支配的印象をあたえるとすべき特段の理由はみいだせないものである。そして、「ティーサンド」及び「てぃーさんど」が、「TSand」の読みを特定した表示とみて自然なものであるから、本件商標より「ティーサンド」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生じさせない一連の造語からなるものとして看取されるというのが相当である。
一方、引用商標は、その構成文字に相応して「サンド」の称呼、「砂」の観念を生ずるものであること明らかである。
しかして、本件商標の称呼「ティーサンド」と引用商標の称呼「サンド」とを対比しても、語頭部で「ティー」の音の有無という明らかな差異があるから、両者は相紛れることなく判然と区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、外観構成において顕著な相違があるから、外観上、相紛れるおそれはなく、さらに、両者は観念について比較し得ないから、観念上、相紛れるおそれはないというべきである。
してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)第4条第1項第10号について
申立人提出の証拠によっては、引用商標が被服について使用されていることを窺い知ることはできるものの、本件商標の出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、需要者の間で広く認識されるに至ったものと認めるのに充分なものとはいえない。
そして、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)第4条第1項第15号及び同第19号について
ア 本件商標が、引用商標に類似するものといえないこと前記(1)のとおりである。また、引用商標は、本件商標の出願時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として需要者の間で広く認識されるに至ったものとは認められないものであるから、たとえ、本件商標の構成中に「Sand」の文字部分が含まれているとしても、本件商標は、引用商標と関連付けられることなく、別異の商標として看取されるというべきものである。
してみると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く誤認することはなく、商品の出所について混同するおそれはないといわざるを得ないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
イ 本件商標が引用商標に類似するものでないことは前記のとおりであり、また、申立人提出の証拠によっては、引用商標が日本国又は外国における需要者の間で広く認識されるに至ったものと認めることができないものである。
してみれば、本件商標は、他の要件(「不正の目的」等)に論及するまでもなく、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)第4条第1項第7号について
本件商標は、その構成自体において公序良俗に反する商標でないことは明らかである。そして、「SAND」「Sand」が広く親しまれた英語であることをも勘案すれば、本件商標の構成中に「Sand」が含まれることのみをもって、申立人らの名声を占用して不正な利益を得るために使用する目的、その他不正な意図をもって出願されたものとして、出願の経緯において著しく社会的妥当性を欠くものがあると断ずることはできず、商取引の秩序を乱すものであり、ひいては国際信義に反するとは言い難いものである。
したがって、本件商標は、公序良俗を害するおそれのある商標に当たるものとは認められないから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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