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Trademark Appeal Case

結合商標の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900042(T2010−900042/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5280846号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5280846号商標(以下「本件商標」という。)は、「ヴィンテージダイアモンド」の片仮名文字と「vintage diamond」の欧文字とを二段に併記してなり、平成21年3月23日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として、同年9月30日に登録査定、同年11月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1300832号商標(以下「引用商標1」という。)は、「VINTAGE」の欧文字を書してなり、昭和49年9月3日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和52年9月22日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成19年7月18日に第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(2)同じく、登録第1300833号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ヴィンテージ」の片仮名文字を書してなり、昭和49年9月3日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和52年9月22日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成19年7月18日に第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(3)同じく、登録第4927391号商標(以下「引用商標3」という。)は、「VINTAGE」の欧文字と「ヴィンテージ」の片仮名文字とを二段に併記してなり、平成17年7月13日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類,歯磨き」及び第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」を指定商品として、平成18年2月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(4)同じく、登録第4598377号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ダイヤモンド」の片仮名文字と「DIAMOND」の欧文字とを二段に併記してなり、平成13年6月15日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成14年8月23日に設定登録され、その後、指定商品については、一部取消しの審判により、指定商品中「せっけん類」について取り消しすべき旨の審決がなされ、その確定の登録が平成21年3月26日になされ、現に有効に存続しているものである。

(以下、一括していうときは「引用各商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1項により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第10号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、申立人の引用各商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品を同じくするものである。

すなわち、本件商標は、申立人が所有している登録商標「ヴィンテージ」「VINTAGE」と「ダイヤモンド」「DIAMOND」の両方の登録商標を結合したにすぎない商標である。しかも結合したことにより、特定の意味観念が生じているともいい得ないものであり、単に二つの語が結合された商標と理解するにすぎないものである。

ところで、申立人は、商標「VINTAGE」及び「ヴィンテージ」を30年以上に亘って化粧品に使用してきており、遅くとも本件商標が登録出願された当時には、商標「VINTAGE」及び「ヴィンテージ」は、申立人が製造販売する化粧品を指称する商標として、需要者、消費者の間に広く知られていたものである。

しかも、本件商標を構成する二つの語が、共に申立人が所有する登録商標であることにより、申立人が使用する商標と出所につき誤認を生じさせるものであるから、申立人が有する引用各商標のいずれか若しくは全てに類似するというべきものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることができない商標である。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、英文字からなる商標「VINTAGE」と片仮名文字からなる商標「ヴィンテージ」を、男性用の化粧品「化粧水、香水、クリーム、乳液、整髪料」等に、1975年7月から現在まで30年以上に亘って継続して使用してきており、1990年〜2008年までの過去18年間の、総売上金額はおよそ234億8500万円を越え、総売上個数は2120万個に達している(甲第6号ないし第10号証)。

前記「VINTAGE」及び「ヴィンテージ」商標は、30年以上という長年に亘る使用、その間における販売実績、宣伝広告実績等が相侯って、申立人の製造・販売する男性用の化粧品を指称する商標として、遅くとも本件商標の登録出願当時には、需要者、消費者に広く知られていた商標である。

したがって、申立人の広く知られた「VINTAGE」及び「ヴィンテージ」商標とその一部において一致する本件商標を、申立人と何等関連のない者が、化粧品或いは化粧品と密接に関連している化粧用具に使用した場合、取引者、需要者は、当該商品を申立人の周知の商標のシリーズ商品、或いは、申立人と何等かの関連のある者の商品であるかの如く誤認を生ずるであろうことは容易に予測できるところである。

よって、本件商標は、他人の周知商標と出所につき混同を惹起するおそれのある商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当し、商標登録を受けることができないものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標について

本件商標は、前記1のとおり、「ヴィンテージダイアモンド」及び「vintage diamond」の文字よりなるところ、一般に欧文字と片仮名文字を併記した構成の商標において、その片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。

そうすると、たとえ、「vintage」と「diamond」の文字との間に多少の間隔があるとしても、かかる構成からなる本件商標は、その構成文字全体をもって「ビンテージダイアモンド」とのみ称呼される一体不可分の一種の造語を表したものと認識されるとみるのが相当である。

してみれば、本件商標から「ビンテージ」あるいは「ダイアモンド」の称呼をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用各商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は、採用できないというべきである。

イ 引用各商標について

引用商標1は、「VINTAGE」の文字を、引用商標2は、「ヴィンテージ」の文字を、引用商標3は、「VINTAGE」及び「ヴィンテージ」の文字を、それぞれ書してなるものであるから、これらより「ビンテージ」の称呼のみを生じ、「優良ぶどう酒、年号物のワイン」等の意味を観念させるものである(甲第5号証)。

また、引用商標4は、「ダイヤモンド」及び「DIAMOND」の文字からなるものであるから、これより「ダイヤモンド」の称呼を生じ、「ダイヤモンド」の観念を有するものである。

ウ 本件商標と引用各商標との類否について

そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、本件商標から生ずる称呼「ビンテージダイアモンド」と、引用商標1ないし3から生ずる称呼「ビンテージ」とは、その構成音数において明らかな差異を有するものである。

また、本件商標から生ずる称呼「ビンテージダイアモンド」と引用商標4から生ずる称呼「ダイヤモンド」とも、その構成音数において明らかな差異を有し、それぞれを一連に称呼しても、音感、音調を明らかに異にするものであるから、称呼上、十分に聴別し得るものである。

そして、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては比較できないものである。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人提出の甲第6号ないし第10号証によれば、申立人が商品「男性用化粧品」に、引用商標1ないし3と類似する商標(以下「申立人商標」という。)を使用していることが認められる。

しかしながら、甲第10号証(ヴィンテージ販社売上・個数実績(1990〜2008年)によれば、1990年に24億9千万円弱あった売上金額が、本件商標の登録出願日(平成21年3月23日)の前年である2008年(平成20年)には、わずか3億6千万円弱しかなく、本件商標の登録出願時においては、その売上金額はさらに落ち込んでいたものと推測されるものである。

加えて、申立人以外による「ヴィンテージ」に係る著名性に関する公的証明書等の証拠の提出はない。

してみれば、上記甲各号証のみをもってしては、本件商標の登録出願時はもとより登録査定時において、申立人商標が、商品「男性用化粧品」に使用された結果、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものとまでは認め難いものである。

そして、前記(1)のとおり、本件商標は、申立人商標に類似する商標とは認められず、別異の商標というべきものであるから、その登録出願時及び登録査定時に、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者が申立人商標を想起、連想し、申立人あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品の如く誤認するおそれがあったとはいい難く、その商品の出所について混同するおそれはなかったというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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