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Trademark Appeal Case

称呼類似と観念の共通性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−685010(T2009−685010/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際商標登録第940202号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第940202号商標(以下「本件商標」という。)は、「BONNETERRE」の欧文字よりなり、2007年1月9日にフランス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2007年7月3日に国際商標登録出願、第33類「Alcoholic beverages(except beers),including any beverage made with organically−farmed products.」の外、第29類、第30類、第31類及び第32類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成21年5月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録第4239382号商標は、「BONTERRA」の欧文字よりなり、平成9年4月25日に登録出願、第33類「果実酒,洋酒」を指定商品として、同11年2月12日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)本件商標

本件商標は「BONNETERRE」の欧文字よりなるが、前半部分の「BONNE」は、「良い」を意味するフランス語「BON」の女性形であり、後半部分の「TERRE」は、「土地」を意味するフランス語である。

したがって、本件商標は、「良い土地」の観念を有する。

次に、本件商標の称呼についてみるに、フランス語では「e」の文字は末尾でしばしば無音となることが知られているから、「BONNE」の「E」及び「TERRE」の「E」を無音として発音すると、本件商標からは、「ボンテッル」の称呼を生ずるものである。

本件商標の称呼については、日本で一般に用いられるローマ字表記の発音に従えば、「ボンネテルレ」又は「ボンネテッレ」等の読み方もあると考えられる。

しかしながら、英語ほどではないとしても、近時著しく国際化しつつある我が国において一般大衆が外国語に親しむ傾向にあることからすれば、本件商標が「ボンテッル」とフランス語風に発音がされることは、むしろ自然であるというべきである。まして、フランス国は最も主要なワイン生産国として知られているから、ワインの商標とあれば、消費者は、フランス風称呼を自然な称呼として使用すると考えられる。

(2)引用商標

引用商標は、「BONTERRA」の欧文字よりなるが、前半部分の「BON」は、「良い」を意味するフランス語であり、後半部分の「TERRA」は、「土地」を意味するラテン語である。

したがって、本件商標は、「良い土地」の意味する造語であり、その構成全体から「ボンテッラ」の称呼を生ずる。

ところで、ラテン語は欧米の学芸に深い関係を有する言語であり、フランス語、イタリア語等はラテン系言語と呼ばれるものである。

これらの言語には、ラテン語を語源とする言語が多数含まれている。「土地」を意味するフランス語の「TERRE」がラテン語の「TERRA」と近似していることもこの一例である。

申立人が製造、販売するワインは、無農薬、無化学肥料、無除草剤による、カリフォルニア州最大の有機農法認定機関CCOFの認定を受けたボンテッラ ヴィンヤードと一部契約農家の葡萄から作られるもので、「BONTERRA」の商標で日本国でも販売されている。

「BONTERRA」は、日本では最初1997年9月にサントリー株式会社によって発売されたが、2006年1月からは、サントリー株式会社に代って、株式会社ファインズが販売代理店となっている。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標は、「良い土地」の観念を共通にする。

次に、称呼についてみるに、本件商標からは、「ボンテッル」の称呼を生じ、また、引用商標からは、「ボンテッラ」の称呼を生ずる。

両者は末尾において「ル」と「ラ」の差異音を有するが、両者の第3音「テ」は「テッ」のように吃音を伴うものであり、強く発音されるため、それに続く最終音の「ル」音又は「ラ」音は、前音「テッ」に吸収され、その差異音は弱くなり、明瞭に聴取され難くなる。さらに、両者は全体として同じ音調をもつ音構成であることから、全体として発音された場合には互いに相紛らわしい称呼を生ずるというべきである。

してみれば、本件商標と引用商標は、「良い土地」の観念を共通にするとともに、称呼上も相紛らわしい類似する商標であり、また、指定商品も同一又は類似するものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標

本件商標は「BONNETERRE」の欧文字よりなるところ、「BONNE」は「良い」の意味を有するフランス語であり、また、「TERRE」は「土地」の意味を有するフランス語であることから、本件商標が「良い土地」の意味を有する語であることは認められる。

しかしながら、我が国におけるフランス語の普及度からすれば、本件商標に接する取引者、需要者が、直ちに、上記意味を理解できるとはいい難いものである。

そうとすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標を、特定の意味及び特定の読みを有しない一種の造語であると認識、把握するというのが相当である。

ところで、一般的には、特定の意味又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みにならって称呼するのが自然であるといえる。

そして、本件商標は、ローマ字読みでは「ボンネテッレ」と称呼されると認められる。

また、本件商標の英語読みについてみると、本件商標「BONNETERRE」の「BONNE」は、英語の「bonnet」が「ボンネット」と称呼されることにならえば「ボンネッ」と称呼されるというべきであり、また、「TER」は、英語の「cutter」が「カッター」と称呼されることにならえば「タアー」と称呼されるというべきであり、さらに、9番目の「R」は、アルファベットの「R」が英語で「アール」と称呼されることにならえば「アール」と称呼されるというべきであり、加えて、語尾の「E」は、英語の語尾の「e」がほとんど黙字であることにならえば、黙字であるというべきである。

したがって、本件商標は、英語読みでは、「ボンネッターアール」と称呼されるとみるのが相当である。

ゆえに、本件商標からは、「ボンネテッレ」及び「ボンネッターアール」の称呼を生ずる。

(2)引用商標

引用商標は、「BONTERRA」の欧文字よりなるところ、「BON」は「良い」の意味を有するフランス語であり、「TERRA」は「土地」の意味を有するラテン語であることは認められる。

しかしながら、我が国におけるフランス語及びラテン語の普及度からすれば、引用商標に接する取引者、需要者が、直ちに、「良い土地」の意味を理解できるとはいい難いものである。

そうとすれば、引用商標に接する取引者、需要者は、引用商標を、特定の意味及び特定の読みを有しない一種の造語であると認識、把握するというのが相当である。

一般的には、特定の意味又は特定の読みを有しない欧文字にあって、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みにならって称呼するのが自然であるのは、上記(1)で認定したとおりである。

そして、引用商標は、ローマ字読みでは「ボンテッラ」と称呼されると認められる。

また、引用商標の英語読みについてみるに、引用商標「BONTERRA」の「BON」は、英語の「bond」が「ボンド」と称呼されることにならえば「ボン」と称呼されるというべきであり、また、「ER」は、英語の「cutter」が「カッター」と称呼されることにならえば「タアー」と称呼されるというべきであり、さらに、「RA」は、英語の「camera」が「カメラ」と称呼されることにならえば「ラ」と称呼されるというべきである。

したがって、引用商標は、英語読みでは、「ボンターラ」と称呼されるとみるのが相当である。

ゆえに、本件商標からは、「ボンテッラ」及び「ボンターラ」の称呼を生ずる。

(3)本件商標と引用商標の類否

ア 外観

本件商標は、10文字よりなるものであるのに対し、引用商標は、8文字よりなるものであって、第4音において「N」の文字及び第5音において「E」の文字の有無の差異を有するばかりか、語尾においても「E」と「A」の差異を有するものであるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合において、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観上互いに紛れるおそれはないというのが相当である。

イ 称呼

本件商標より生ずる「ボンネテッレ」及び「ボンネッターアール」の称呼と、引用商標より生ずる「ボンテッラ」及び「ボンターラ」の称呼とを比較すると、いずれも語調、語感が著しく相違しており、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。

ア 観念

本件商標と引用商標は、これに接する取引者、需要者によって、いずれも特定の意味を有しない造語を表したと理解されるとみるのが相当であるから、両商標は、観念上比較することができない。

(4)むすび

本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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