結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300678(T2009−300678/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4905178号商標(以下「本件商標」という。)は、「PASSION」の欧文字と「パッション」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成17年1月26日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製喫煙用具」を指定商品として、同17年10月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成21年6月24日にされたものである。
請求人は、「本件商標は、その指定商品中、『身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(弁駁書に添付の甲第1号証は甲第3号証とした。)を提出した。
請求人は、本件商標の使用状況について調査を行ったが、商標権者が本件商標を指定商品中の「身飾品」及び「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」について使用している事実を発見することができなかった。
また、本件商標の商標登録原簿には、専用使用権者及び通常使用権者のいずれも登録された事実はなかった。
そのため、本件商標は、日本国内において継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が上記の請求の趣旨に係る指定商品について、使用をしていない蓋然性が非常に高い。
(1)乙第1号証の商品の写真は、いずれも平成21年8月20日に撮影されたものであるので、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において登録商標の使用をしていることの証明とはならない。
また、乙第2号証ないし乙第5号証として提出されたウェブページの記事は、いずれも平成21年8月24日に印刷されたものであり、また、本件審判の請求の登録から同日までの間に、新たな記事を作成し、インターネット上に掲載することは十分に可能であるから、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標の使用をしていることの証明とはならない。
請求人は、本件審判請求前にインターネットで「PASSION」及び「パッション」の検索を行ったが、被請求人が提出した乙第2号証ないし乙第5号証のいずれの記事も検索結果にはないものであり、2008年(平成20年)11月21日に印刷した被請求人のウェブサイト(甲第3号証)においても、被請求人の取り扱いブランドの中に「PASSION」又は「パッション」の商標は見受けられない。
被請求人が主張するとおり、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用していたのであれば、当然に被請求人のウェブページに本件商標が掲載されているはずであり、本件商標の記載がないということは、この時点において本件商標は使用されていなかったことが明白である。その他、商標「PASSION」又は「パッション」が付された「ネックレス、ピアス、ペンダント」等が市場で流通していた事実は一切認められなかった。
乙第2号証1ページ目の商品写真下の商品説明には「クロスフォー社がプロデュースする新ブランド『パッション・スベシャルエディション』」との記載があり、乙第3号証及び乙第4号証には、「PASSION(旧クロスフォー)」との記載があることから、被請求人は、以前は「クロスフォー」という商標を付して販売していた商品を最近になって「PASSION」又は「パッション」と表示を変更したものと推察される。
しかも、被請求人は、本件審判請求書の副本が送達された後の平成21年8月4日に、本件商標を年5000ドルで請求人に使用許諾したいとの申し出を請求人代理人に電話で行っている。このことからも、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用をしていなかった事実が推認される。
また、被請求人は、乙第2号証ないし乙第5号証のウェブページに掲載されている商品は、被請求人が卸売業者に販売したものが小売業者まで流通したものであると主張しているが、被請求人が商品を販売した卸売業者が、各小売業者に販売したことの証拠は全く提出されていない。したがって、乙第2号証ないし乙第5号証をもって、商標権者又は使用権者が本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用したことの証明とはならない。
さらに、乙第3号証中の「更新日時2008/8/19 16:11」とは、本件商標とは関係のないブログ記事の更新日時を示すものであり、乙第5号証中の「2009/03/17更新」というのは、「SHOP GTO」という店のショップ情報の更新日時を示すものであって、これらの記事をもって本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたことの証明とはならない。
同様に、乙第6号証、乙第7号証、乙第9号証、乙第10号証及び乙第12号証中の「2009/03/16更新」というのは、「ラフ通販ヤフー店」のショップ情報の更新日時を示しているものであって、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたことの証明とはならない。
乙第8号証及び乙第11号証については、商品情報の下に「価格・商品情報は、2009/03/16時点の情報です。」と記載されているが、これも、ウェブページは加筆、改変が容易であるから、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたことの証明とはならない。
(2)乙第13号証には、確かに商標「Passion」の文字が商品写真とともに見受けられるが、その作成時期は不明であるから、本件審判の請求の登録前3年以内に使用したことの証明とはならない。
乙第14号証及び乙第15号証の納品書には、本件商標は一切記載されていない。被請求人は、「P−01」、「PB−01」のように符号で特定された商品は、乙第13号証に示す商標「Passion」を付した商品のことを指していると主張するが、乙第13号証の作成時期が不明な以上、単に「P−01」等の符号で特定し、販売していた商品を本件審判の請求の登録後に商標「Passion」を付して商品のオーダーシートやパッケージを作成し、「P−01」は、本件商標を付した商品であると主張することが可能であり、また、「P−01」等は別のブランド名を付して販売していた商品であることも考えられるから、乙第14号証及び乙第15号証に本件商標の記載がない以上、乙第13号証ないし乙第15号証をもって、本件審判の請求の登録前3年以内に使用したことの証明とはならない。
なお、乙第13号証に示す商標「passion」の入ったオーダーシートを本件審判の請求の登録前3年以内に使用したのであれば、卸売業者が当該オーダーシートを用いてFAXで注文したものが当然に被請求人の手元に残されているはずであるが、被請求人は、当該オーダーシートにより、かかる期間中に商品の注文を受けたという証拠を何ら提出していない。このことからも、乙第13号証は、他のパッケージと同様に本件審判の請求の登録後に作成されたものであると推察することができる。
(3)以上の理由により、本件商標は、その指定商品中の「身飾品」及び「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないため、それらの指定商品について取消しを免れないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証を提出した。
被請求人は、本件商標を、指定商品「身飾品」中、商品「ネックレス、ピアス、ペンダント」に、本件商標の登録直後から現在まで継続して使用している。
(1)乙第1号証は、商品の写真であり(撮影者:山口 毅、住所:山梨県甲府市朝気1−2−60株式会社クロスフォー内)、撮影日は平成21年8月20日である。
(2)さらに、使用の事実を示すものとして、インターネットを使用した通信販売において商標権者の商品が販売されている事実を示す資料を提出する。
乙第2号証ないし乙第5号証は、ウェブページに掲載された「e通販.com」、「Yahoo!」、「bidders」及び「マイコミジャーナル」の記事であり、これらの印刷日は、平成21年8月24日である。
ウェブページの記事は、現時点で掲載されたものばかりでなく、過去において掲載され、そのままの状態で継続されているものもあり、乙第3号証及び乙第5号証においては、記事中にそれぞれ「更新日:2008/8/19」、「2009/03/17更新」と記載されているから、これらは本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標が使用されていたことを証明するものである。
乙第6号証ないし乙第12号証も、更新時「2009/03/16」を記載した記事が掲載されているウェブページである。
(3)被請求人は、卸売業者であるエントリー株式会社(以下「エントリー社」という。)に「Passion」を付した商品「ペンダント、ブレスレット」を本件審判の請求の登録前3年以内の2007(平成19年)年5月11日に納品(販売)している。
エントリー社は、被請求人から供与された商標「Passion」を表示した在庫チェック&オーダーシート(乙第13号証)を参照して、所要の商品を被請求人に注文し、これに対して被請求人から同社に納品書(乙第14号証及び乙第15号証)が交付されている。
乙第14号証の納品書において、例えば、符号「P−01」は、前記オーダーシート中の対応する符号を付された商品「ペンダント」を指し、乙第15号証の納品書において、例えば、符号「PB−01」は、同オーダーシート中の対応する符号を付された商品「ブレスレット」を指している。また、これらの納品書において、四角の枠内の「ご署名」は、エントリー社の担当者の姓である。
前記乙第3号証、乙第5号証ないし乙第12号証に掲載された商品は、インターネットにおける小売業者が被請求人の取引先である卸売業者を通じて市場に流通させたものである。
(4)請求人は、「被請求人は、本件審判請求書の副本が送達された後の平成21年8月4日に、本件商標を年5000ドルで請求人に使用許諾したいとの申し出を請求人代理人に電話で行っている。このことからも、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用をしていなかった事実が推認される。」と述べているが、そのような許諾の申出をしたのは、「Passion」に係る商品が予期したような売上を達成できていなかったために、経営上、利益を増やすことを目的としたことが動機である。
また、請求人は、「2008年11月21日に印刷した被請求人のウェブページにおいても、被請求人の取り扱いブランドの中に『PASSION』又は『パッション』の商標は見受けられない。本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用していたのであれば、当然に被請求人のインターネットサイトに本件商標が掲載されているはずであり、本件商標の記載がないということは、この時点において本件商標は使用されていなかったことが明白である。」と述べているが、被請求人のウェブページは、「クロスフォー」の販売を主目的とするものであり、被請求人の取り扱うすべての商品を掲載しているものではないから、商標「Passion」又は「パッション」が掲載されていないとしても、本件商標を付した商品は、本件審判の請求の登録前3年以内に市場に提供されたという事実がある。
(5)以上述べたところにより、本件商標は、その指定商品について本件審判の請求の登録前3年以内に使用されているから、本件審判の請求は成り立たない。
(1)乙第1号証は、「本件商標の使用の事実を証する書面(1)」と題する書面と写真2葉が貼付されている用紙からなるものであり、書面には「撮影年月日 平成21年8月20日」、「撮影者の住所又は居所 山梨県甲府市朝気1−2−60株式会社クロスフォー内」及び「撮影者の氏名又は名称 山口 毅」と各記載されている。
また、写真2葉が貼付されている用紙は、上部に内容物が確認できるように開かれた包装箱の写真と下部に該包装箱と包装用袋の写真からなるものであり、上部の写真には、上蓋が開かれており、その上蓋の裏部分に市街地の風景写真とともに大きく「passion」の表示がなされており、箱内には商品「ペンダント」と値札が差し込まれ、値札の上段部分に赤地に筆字風の「Passion」の文字(以下「使用商標」という。)が白抜きで表示され、その下段に「税込¥10,000 本体価格¥9,524」と記載されており、該「ペンダント」と値札の左側に、赤地に使用商標が白抜きで表示された円筒形の商品ケースが収納されている。
また、下部の写真には、上部の写真に写された包装箱と使用商標が白抜きで表示された包装用袋が写されている。
そして、上記包装箱及び包装用袋は、撮影者の住所及び名称からみて、商標権者の取扱いに係る商品と解されるものである。
(2)乙第3号証及び乙第4号証は、「YAHOO!JAPAN」及び「bidders」に係るウェブページの各写しであり、いずれも右下に2009年(平成21年)8月24日に印刷されたと解される「2009/08/24」の文字が記載されている。
ア 乙第3号証には、「クリスマス 特別商品 送料無料 包装無料 Passion(旧クロスフォー)パッション 3つ花にジルコニアが輝くネックレス PPN−232」の見出しの下、ネックレスの写真と「価格:7,980円」及び「店舗情報:Rafu通販」の各文字が記載され、中央部の「Yahoo!ブログ検索-この商品に関するブログ記事」の見出しの下に「更新日時:2008/8/19 16:11[エンタの仏様]」と記載されている。
イ 乙第4号証は、3葉からなるところ、その1葉目には、「クリスマス 特別商品 送料無料 包装無料 Passion(旧クロスフォー)パッション 3つ花にジルコニアが輝くネックレス PPN−232」の見出しの下、ネックレスの写真が掲載され、2葉目には、中央部に1葉目の写真が拡大して掲載され、その下に使用商標を表示した円筒形の商品ケースと包装用袋の写真が掲載されており、さらに、3葉目には、上蓋の裏部分に市街地の風景写真とともに大きく「passion」の文字が表示され、上記商品ケースと「ペンダント」が収納された包装箱の写真が掲載されている。
上記見出し及びネックレスの写真は、乙第3号証の商品と符合するものであり、また、円筒形の商品ケース、包装用袋及び包装箱は、いずれも乙第1号証の写真に写されたものと符合するものである。
(3)乙第8号証、乙第9号証及び乙第11号証は、「ECナビ」及び「Livedoor価格比較」に係るウェブページの各写しであり、いずれも右下に2010年(平成22年)1月15日に印刷されたと解される「2010/01/15」の文字が記載されている。
ア 乙第8号証には、「バレンタインサービスで値下げしました!!送料無料 Passion(旧クロスフォー)パッション シザースネックレス PPN−177」の見出しの下、ネックレスの写真と「価格 5,980円(税込)」及び「※価格・商品情報は、2009/03/16時点の情報です。」の各文字が記載されている。
イ 乙第9号証には、「バレンタインサービスで値下げいたしました!!送料無料 Passion(旧クロスフォー)パッション 3つ花にジルコニアが輝くネックレス PPN−232」の見出しの下、ネックレスの写真と「価格 5,980円(税込)」の文字が記載されている。
そして、これらの下に「ショップ情報」の小見出しの下、「ラフ通販ヤフー店」及び「2009/03/16更新」と各記載されている。
上記の見出し及びショップ情報からすると、乙第9号証に掲載されたネックレスは、乙第3号証及び乙第4号証に掲載されたものと符合するものである。
ウ 乙第11号証には、「バレンタインサービスで値下げしました!!送料無料 Passion(旧クロスフォー)パッション 中央のジルコニアが輝くネックレス PPN−186」の見出しの下、ネックレスの写真と「価格 5,980円(税込)」及び「※価格・商品情報は、2009/03/16時点の情報です。」の各文字が記載されている。
(4)乙第13号証は、被請求人発行の在庫チェック及びオーダーシートとするものであり、1葉目には、黒地の横長矩形内に使用商標が白抜きで表示され、その下に「シルバー925に南洋真珠母貝を留めた新ブランド『パッション』」及び「ペンダント20型」との各記載があり、さらに、「ディスプレイ」、「ギャランティーカード」、「ショッピングバック・オリジナルケース」と題する写真等が掲載され、これらにも、使用商標が表示されている。
また、その2葉目には、「在庫チェックシート&オーダーシート」との表題があり、その左に黒地の横長矩形内に使用商標が白抜きで表示されている。そして、「ペンダント」の見出しの下に、「P−01」から「P−20」までの品番が付された20種の商品が価格と共に掲載され、「ブレスレット」及び「ピアス」の見出しの下にも、上記と同様に品番、商品及び価格が掲載されている
(5)乙第14号証及び乙第15号証は、いずれもエントリー社宛の「納品書(控)」の写しであり、右上に「株式会社 クロスフォー」及び「山梨県甲府市朝気1−2−60」と記載され、左上部に「2007年5月11日」と記載されている。
そして、乙第14号証の品名の欄には、「P−01 671547−00001 P−01ペンダントSV925シェル」、「P−02 671547−00002 P−02ペンダントSV925シェル」等と記載されており、これらの数量、単価及び金額の各欄にも順に「11」、「521」及び「5731」並びに「102」、「521」及び「53142」等と記載されている。
また、乙第15号証の品名の欄にも、「P−12 671547−00012 P−12ペンダントSV925シェル」等と記載され、その数量、単価及び金額の各欄にも「64」、「521」及び「33344」と記載されている。
(1)本件商標の使用等について
本件商標は、前記第1のとおり、「PASSION」の欧文字と「パッション」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなるところ、該欧文字部分は、「激情、熱狂」等の意味を有し、「パッション」の読みを生ずる英語として一般に知られているものであるから、該片仮名文字部分は、該欧文字から生ずる読みを無理なく特定したものと認められるものである。
そうすると、本件商標は、「パッション」の称呼及び「激情、熱狂」等の観念を生ずるものである。
一方、使用商標は、別掲のとおり、「passion」の欧文字を書してなるものであり、本件商標の欧文字部分とつづり字を同じくするものであるから、該欧文字からも「パッション」の称呼及び「激情、熱狂」等の観念を生ずるものである。
してみると、使用商標は、本件商標と「パッション」の称呼及び「激情、熱狂」等の観念を同じくする社会通念上同一と認められる商標ということができる。
また、乙第1号証、乙第13号証ないし乙第15号証によれば、後述のとおり、本件商標の使用者は、商標権者と認められ、本件商標の使用をする商品は、取消請求に係る指定商品中、「身飾品」の範ちゅうに含まれる「ペンダント」と認められる。
そして、以上の点については、当事者間に争いがない。
(2)使用時期について
請求人は、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人が以前に「クロスフォー」という商標を付して販売していた商品を最近になって「PASSION」又は「パッション」と表示を変更し、乙第13号証も本件審判の請求の登録後に作成されたものであると推察することができるとして、本件審判の請求の登録前3年以内(平成18年6月24日から同21年6月23日まで。以下「要証期間」という。)に本件商標の使用を証明したことにはならない旨主張している。
そこで、本件商標が要証期間に使用されたか否かについて検討するに、商標法第50条の規定による商標登録の取消し審判にあっては、たとえ、要証期間に本件商標を取消請求に係る指定商品のいずれかの商品について使用したことを証明する一の直接的な証拠が提出されていないとしても、被請求人が提出した各証拠を総合して要証期間に本件商標の使用を認めることができる場合には、本件商標の使用を証明したものとみて差し支えないというべきである。
確かに、乙第1号証の写真は、本件審判の請求の登録後である平成21年8月20日に撮影されたものであり、また、乙第13号証の2葉目の「在庫チェックシート&オーダーシート」には、これが使用された時期を特定することができる記載は認められない。
また、被請求人の主張によれば、同人は、乙第2号証ないし乙第12号証のウェブページに係る小売業者との取引を行っていないものであるから、乙第2号証ないし乙第12号証をもってしては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による使用とはいい得ないものである。
しかし、乙第14号証及び乙第15号証の納品書(控)には、品名の欄に「ペンダント」の文字が記載され、商標権者の住所及び名称及び「2007年5月11日」の各記載もあることからすると、要証期間に商標権者が商品「ペンダント」をエントリー社に販売したものと認められる。
そして、かかる「納品書(控)」に本件商標の表示がないとしても、品名の欄に記載された「P−01」等の品番は、使用商標が表示された「在庫チェックシート&オーダーシート」(乙第13号証)に記載された商品「ペンダント」の品番「P−01」等と符合するものであること、加えて、乙第8号証及び乙第11号証のウェブページは、本件審判の請求の登録後の2010年(平成22年)1月15日に印刷されたものであるとしても、「Passion(旧クロスフォー)パッション」との記載とともに、「※価格・商品情報は、2009/03/16時点の情報です。」の文字が記載されていること、また、乙第4号証のウェブページも、本件審判の請求の登録後の2009年(平成21年)8月24日に印刷されたものであるとしても、1葉目に「Passion(旧クロスフォー)パッション」と記載されているほか、「クリスマス 特別商品」と記載されていることからすれば、遅くても2008年(平成20年)12月ころには、かかるウェブページが掲載されていたと解されるものであり、2葉目に掲載された円筒形の商品ケース及び包装用袋並びに3葉目の包装箱が乙第1号証の写真に写されたものと符合するものであって、これらの商品ケース及び包装箱は、商標権者の取扱いに係るものであると解されることをも総合して勘案すると、少なくとも2007年(平成19年)5月11日ころまでに、商標権者は、「在庫チェックシート&オーダーシート」(乙第13号証)をもって、エントリー社から商品「ペンダント」の発注を受けて同月11日に同社に納品したと優に推認することができ、商標権者の取扱いに係る商品「ペンダント」ないし該ペンダントを付けた「ネックレス」は、その後、乙第4号証、乙第8号証及び乙第11号証の各ウェブページに係る小売業者等によって、エントリー社から購入され、該ウェブページに掲載されたといい得るものである。
しかして、商標権者が、本件商標の登録の取消しを免れるために「クロスフォー」等の他の商標を付して販売していた商品について、本件審判の請求後に本件商標に変更して使用をしたことを認めるに足りる証左はない。
以上を総合すると、商標権者は、遅くても2007年(平成19年)5月11日に使用商標を商品「ペンダント」に関する取引書類に付して頒布したものと優に推認することができるものであり、かかる行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品(略)に関する(略)取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布(略)する行為」に該当する。
(3)小括
以上の(1)及び(2)によれば、被請求人は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を要証期間に取消請求に係る指定商品中の「身飾品」の範ちゅうに含まれる「ペンダント」について使用をしたということができる。
請求人は、「被請求人のウェブページは、2008年11月21日時点において、被請求人の取り扱いブランドの中に『PASSION』又は『パッション』商標は見受けられない。本件商標を本件審判の請求の登録日前3年以内に使用していたのであれば、当然に被請求人のインターネットサイトに本件商標が掲載されているはずであり、本件商標の記載がないということは、この時点において本件商標は使用されていなかったことが明白である。」旨主張し、証拠として甲第3号証を提出する。
確かに、甲第3号証のウェブページには、「Crossfor」、「Love Angel」、「Glapier」等の被請求人に係るブランドが掲載され、本件商標の記載が見当たらないものである。
しかし、かかるウェブページに、被請求人の業務に係る商品に使用するブランドがすべて掲載されているとみるべき特段の事情を見いだせないものであり、前記のとおり、被請求人の提出に係る証拠を総合すると、商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定商品中、「身飾品」の範ちゅうに含まれる「ペンダント」について使用をしていたことが認められるものであるから、請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、取消請求に係る指定商品中、「身飾品」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を商標権者が使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。