Trademark Appeal Case
家庭の味の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第18696号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「家庭の味」の文字を横書きしてなり第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成6年10月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原審において、登録異議の申立てがあった結果、原査定は、『登録異議申立人の提出に係る甲各号証によれば、各種料理の紹介、解説、宣伝等において、その料理が一般家庭で作る料理と変わらない味が味わえる旨を表し商品の内容、特徴等を表現するものとして「家庭の味」の語がしばしば使用されている事実が認められる。
してみれば、本願商標を、主として加工・調理した食品を含む本願の指定商品について使用するときは、その商品が一般家庭で作る料理のような味・風味を持つものであることを表したものであり、たとえ具体的な味を表すものではないとしても、食物の味の特徴を表現したにすぎないものと理解し、把握するにとどまるから、単に商品の品質を表示するものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものと認める。』旨の理由によって、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記構成の文字よりなるものであり、登録異議申立人が提出した証拠甲第4号証の2と3(婦人之友社発行の「豆腐と乾物料理」の「乾物」の項目中)には「家庭の味」について、つぎのように記載されている。「食品加工技術や、冷蔵設備が発達した現在では、必ずしも家庭にいつもなくてはならない食品ではなくなってきたとはいえ、乾物は、台所の常備食品として欠かすことのできない大きな存在です。ひなびた味わい、こく、香り、歯ざわりは、昔ながらの′′家庭の味”“母の味”として、いつまでも食卓に“温かみ”を添えつづけることでしょう。」また、「大豆製品は、主菜としての華やかさはありませんが、昔ながらの深い味わいは、食卓にあってほっとする「家庭の味」です。」さらに、「毎日欠かさずに食べたい“乾物”は、お総菜の原点。切り干し大根、干し椎茸、ぜんまいなどの“乾物”を思い浮かべるとどれも懐かしい“家庭の味”につながります。」と記載されている。
そして、当審において本願商標の「家庭の味」のについて職権により調査するに、たとえば、1998年10月4日読売新聞大阪朝刊29頁には、「調理済み総菜今や「第2の家庭の味」食卓で幅を利かせる。メニューも多彩で、価格も、素材から買って調理するよりも安いという。メニューは「クラゲとキュウリの酢の物」「青菜入り卯(う)の花」「五目ひじき」「筑前煮」などと、まさに家庭の味がそろっている。」、1995年1月7日毎日新聞地方版千葉12頁には、「[伝える]太巻きずし家庭の味も講習で−−千葉戦後50年。」、1996年3月1日毎日新聞朝刊東京4頁には、「[みんなの広場]売っている弁当より家庭の味=主婦。自分で作るおかずは食べても胸やけなどしない。家庭の味はあきのこない味。」、1994年4月26日朝日新聞朝刊神奈川版には、「山里の味をどうぞ 藤野町営茶屋29日オープン 陣馬山/神奈川。手造り味噌を使った手打ちうどんが「家庭の味」として残っている。」といった記事の記載事実が認められる。
これらの記載事実を総合すると「家庭の味」の語は、「各家庭で作られるあきのこない昔ながらの味」を意味する語として総菜や加工食品などについて、広く一般に普通に使われていることが認められる。
してみれば、本願商標は、この「家庭の味」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中、「加工水産物、加工野菜」について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記実情よりして商品の品質を表示したものと理解し把握するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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