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Trademark Appeal Case

ピンクリボンと公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−22195(T2009−22195/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類、第8類、第9類、第10類、第11類、第14類、第16類、第20類、第21類、第22類、第24類、第25類、第28類、第34類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年11月1日に登録出願されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、当審における同21年11月13日受付けの手続補正書により、第16類「紙類,文房具類,ステッカー,自動車用ステッカー,携帯電話機用ステッカー,転写式ステッカー,シール,ラベル(布製のものを除く),印刷物,写真,写真立て」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『CauseRibbon』(『Ribbon』の文字はピンクで着色されている。)の文字と前記文字の右端のやや上部に一本のピンク色のテープ状のリボンが交差している図形を配した構成よりなるものと認められる。ところで、乳がんの早期発見・診断・治療の大切さを伝えるピンクリボン運動が1980年代にアメリカで始まり、そのシンボルとして『ピンクリボン』の語や、一本のピンク色のテープ状のリボンが交差している図形が記章として用いられ、この運動は現在も世界的に広まっているところであり、この商標登録出願に係る商標は、その構成中に前期ピンクリボン記章と類似するものを含むものといえる。そして、前記ピンクリボン運動は我が国においても一般的に認知され、各種法人や地方公共団体が主体的に参加することにより行われている実情が新聞記事から認められるものであり、また、ピンクリボンの図形も様々なものが使用されていることがインターネット情報より認められるものである。そうすると、本願商標は、前記ピンクリボン運動のシンボルを容易に想起させる図形を有するものであり、たとえ出願人が現在においてピンクリボン運動の協賛企業だとしても、将来においてその状況が変更されないといい難いものであるから、これを出願人の商標として登録することは、公正な取引秩序を害するおそれがあり、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものと言わざるを得ないものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨を認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「CauseRibbon」の欧文字とその右側に小さいリボン図形を配してなるところ、「Ribbon」の文字部分とリボン図形はピンク色に着色されているものである。

ところで、ピンクリボン運動については、乳がんで亡くなったアメリカの患者の家族が「このような悲劇が繰り返されないように」との願いを込めて作ったリボンからスタートした乳がんの啓蒙運動であって、乳がん患者が増えつつあった1980年代のアメリカで始まり、行政、市民団体、企業などが乳がんの早期発見を啓蒙するためのイベントを展開したり、ピンクリボンをあしらった商品を頒布しその売り上げの一部を財団や研究団体に寄付するなど、積極的に取り組み、市民や政府の意識を変えてきたものであり、日本においてもその運動は広く知られているところである。

そして、インターネット情報などによれば、この乳がん啓蒙運動において、乳がんに対する理解と支援のシンボルとして「ピンクリボン」の語やピンクリボンのマークが使用されており、そのシンボルマークとしてのピンクリボンのデザインは、運動団体ごとに異なるものとなっている。

そこで、本願商標をみてみるに、その構成中の「Ribbon」の文字部分とリボン図形はピンク色をしているものであるが、「CauseRibbon」の文字はまとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「コーズリボン」の称呼も冗長でなく一気に称呼できるものであって、一連の造語として看取されるものというのが相当である。

そして、リボン図形については、「CauseRibbon」の文字とこれより生ずる「コーズリボン」の称呼に応じたリボンとして捉えられるものであって、直ちにピンクリボンのシンボルマークとして想起されるものとはいい難いところである。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものとはいい難く、また、他の法律によってその使用が禁止されているものとすべき事実も認められないものである。

また、本願商標は、商標の構成自体にはきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでないことは明らかであり、さらに、上記認定判断のほか、米国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでなく、本願商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くというものでもない。

そうすると、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべきではない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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