結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2008−890132(T2008−890132/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4952253号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年1月7日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年5月12日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用した登録商標(以下「引用商標」という。)は、登録第4606459号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第4606458号商標(以下「引用商標2」という。)、登録第4665592号商標(以下「引用商標3」という。)、登録第4665594号商標(以下「引用商標4」という。)、登録第4669173号商標(以下「引用商標5」という。)、登録第4673614号商標(以下「引用商標6」という。)、登録第4695530号商標(以下「引用商標7」という。)、登録第4696061号商標(以下「引用商標8」という。)、登録第4722512号商標(以下「引用商標9」という。)、登録第4725687号商標(以下「引用商標10」という。)、登録第4727385号商標(以下「引用商標11」という。)、登録第4727386号商標(以下「引用商標12」という。)、登録第4727387号商標(以下「引用商標13」という。)、登録第4727388号商標(以下「引用商標14」という。)、登録第4727389号商標(以下「引用商標15」という。)、登録第4744223号商標(以下「引用商標16」という。)、登録第4746905号商標(以下「引用商標17」という。)、登録第4754602号商標(以下「引用商標18」という。)、登録第4771718号商標(以下「引用商標19」という。)、登録第4790163号商標(以下「引用商標20」という。)、登録第4829579号商標(以下「引用商標21」という。)、登録第4856556商標(以下「引用商標22」という。)、登録第4972937号商標(以下「引用商標23」という。)、登録第5116024号商標(以下「引用商標24」という。)、登録第5116025号商標(以下「引用商標25」という。)及び登録第2154392号商標(以下「引用商標26」という。)である。
これらの商標の構成態様、指定商品、出願日、設定登録日等は、別掲(2)ないし(27)に示すとおりである。(以下、引用商標23以外の引用商標を一括していうときは「引用各商標」といい、全てを引用するときは「引用商標」という。)
請求人は、「本件商標の商品及び役務の区分中、第16類の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第45号証を提出した。
本件商標と引用商標とは明らかに類似関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)請求人関連の会社は、本件商標と同一の商品分類で、本件商標と「類似関係」にある上記第2の引用商標を所有している。それらは明らかに本件商標と類似する。
(2)「スマイリー・フェイス」は1963年末、米国マサチューセッツ州ウスター市で「故ハーベイ・ボール」によって創作・著作された。本件商標はその「スマイリー・フェイス」を剽窃したものである。
上記「ハーベイ・ボール氏」の死後「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団」が設立され本件商標を含めた「スマイリー・フェイス」商標を「世界平和の礎にする為」世界的ボランティア活動をしている。
その日本での登録商標を管理しているのが、上記商標を所有する「ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッド」である。
上記財団の日本での「商品化事業」を行う代理人は「ジャス・インターナショナル株式会社」である。
(1)本件商標は、「引用商標」(甲第3号証)と明らかに関連して登録したものである。
しかし、「引用商標」は、平成21年5月8日付け等で計20件が別途「取消審判」により取消しになっている。
そうとすれば、本件商標と「引用商標」とは、同一の構成態様であり「類似関係」にある。もし「引用商標」がなければ「本件商標」は登録にならなかったと思われる。
「引用商標」に係る審判請求と同時に別途「無効審判」が請求されている(甲第4号証)。
「引用商標」は、取消審判請求により取消しになっている以上、そして近日中に「無効」になることが予想される限りにおいて、同時に「本件商標」の登録を「無効」にさせることが必要だと思われる。
(2)本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同法第3条第1項第6号に該当するから無効にされるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証(枝番号を含む。なお、すべてを引用するときは、枝番号を省略する。)を提出した。
(1)利害関係について
無効審判の請求人は、審判請求をするについて法律上の利益を有することを要すると解されるが、本件請求人は、本件商標の無効審判を請求する利益に関して何ら明らかにしていないから、請求人が本件無効審判の請求人適格を有するとは認められないものである。よって、本件無効審判は請求人適格を有しない者による不適法な請求である。
(2)本件商標と引用各商標との類否について
ア 本件商標と引用商標1の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標1の両目は、全体の構成バランスに照らしてかなり大きめに描かれ、しかも内部に白目を有するものであり、その縦の長さについては円輪郭の直径の長さの30%程度と、商標全体の中で存在感を示しているものである。また、両目の間隔もかなり広く感じられる。そのため、この目の部分の差異により既に、両者の視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標1の口を表す弧線は、目の大きさに相応してかなり太めに描かれているが、本件商標の口の部分は、やや細めの線で描かれている。
(ウ)色彩
引用商標1は、黄色に塗りつぶされているが、本件商標は、白地に黒の線のみで表現されたものであり、視覚上の印象が大きく異なる。
(エ)併存登録
引用商標1と全く同一の態様の商標(登録第4842260号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(登録第4347375号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第11号証)。
イ 本件商標と引用商標2の比較
(ア)顔の部分について
顔の部分については、目・口・色彩の全てにおいて引用商標1と同一であるから、顔の部分から受ける印象は、本件商標と引用商標2とでは大きく異なる。
(イ)付加部分
引用商標2は、円輪郭の外部に、当該円輪郭直径2分の1程度の半径の半円をやや縦に伸ばした形状で、顔を表す円内部の黄色と対象的なピンク色に塗りつぶした図形を等間隔に8つ配置して、全体としてヒマワリ状の図形を表してなるもので、色のコントラストとも相まって、ウインクしている笑顔のみを単色で表した本件商標とは、その印象が大きく異なる。
(ウ)併存登録
引用商標2と全く同一の態様の商標(登録第4613309号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(登録第4144134号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第10号証)。
ウ 本件商標と引用商標3の比較(図形部分のみ)
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標3の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標3の目は、円輪郭の上端部に極めて近いく、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標3の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標3は、逆に、円輪郭が細く、口が太い線で目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標3は、視覚的印象が大きく異なる。
エ 本件商標と引用商標4の比較(図形部分のみ)
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標4の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標4の目は、円輪郭の上端部に極めて近いく、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標4の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標4は、逆に、円輪郭が細く、口が太い線で目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標4は、視覚的印象が大きく異なる。
オ 本件商標と引用商標5の比較
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標5の両目及び口の部分は、黒で塗りつぶされている地の図に対し白塗りで表され、口の弧線は、両目の下端部の高さまで高さまで伸びた半円で両端部は上にまっすぐ伸び全体として相当深く描かれているものであり、全体的に悪魔の笑顔を認識させるものである。したがって、両者の視覚的印象は明白に大きく異なる。
カ 本件商標と引用商標6の比較
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標6については、両目とも黒塗りの楕円形である。
キ 本件商標と引用商標7の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標7の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標7の目は、円輪郭の上端部に極めて近いく、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標7の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標7は、逆に、円輪郭が細く、口が太い線で目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標7は視覚的印象が大きく異なる。
ク 本件商標と引用商標8の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標8の両目は、やや外側に開いた縦長楕円形であるから、両者の視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標8については、両目の下端部の高さまで半円周上で両端部は上にまっすぐ伸び、全体として相当深く描かれているものであるが、本件商標の口は、右上・左上に斜めに開いており、両者の視覚的印象は大きく異なる。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標8は、逆に、円輪郭が細く、目と口が太くで目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標8は、視覚的印象が大きく異なる。
ケ 本件商標と引用商標9の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標9の両目は、白抜きで表されていることから、両者の目から受ける視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標9は、かなり浅い白抜きの弧線で表されているが、本件商標の口は、顔の外輪郭を表す円の下半分の曲線に沿う弧線で描かれ、両端は全体の高さの2分の1のところに位置し、その両端には、楕円状の図形(左端)と平たい三角形状の図形(右端)を描いてなるものであるから、両者の視覚的印象は大きく異なる。
(ウ)顔の輪郭について
引用商標9は、正方形の輪郭に対し、本件商標は、正円の輪郭であるから、詳しく述べるまでもなく、構成に大きな差異があり、両者の視覚的印象も大きく異なる。
コ 本件商標と引用商標10の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標10の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標10の目は、円輪郭の上端部に極めて近いく、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標10の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標10は、逆に、口が太い線で目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標10は、視覚的印象が大きく異なる。
(エ)頬の部分について
顔を表す円輪郭の左右の羽とおぼしき図形の有無がある。つまり、引用商標10については、顔の輪郭の左右の線を一部切り取り、その切り取られた輪郭状に羽状の図形を配している点で本件商標とは異なる。
(オ)併存登録
多数存在する併存登録例の中の一例であるが、引用商標10と全く同一の態様の商標(登録第4750714号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(登録第4144134号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第9号証)。
サ 本件商標と引用商標11の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標11の両目は、白抜きの縦長楕円形を逆「ハ」の字形に左右に2つ並べて表されているから、両者の目から受ける視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標11の口は、本件商標と違い、円輪郭(下部)に平行に描かれてはおらず、円輪郭に比べて緩やかな弧を描いている。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標11は、逆に、円輪郭(と両目の輪郭線)が細く、口が太くで目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標11は、視覚的印象が大きく異なる。
シ 本件商標と引用商標12の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標12の両目は、白抜きの正円形を左右に2つ並べて表されているから、両者の目から受ける視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
本件商標は、黒塗りの弧線で表されている一方、引用商標12の口は、白抜きの弧線で表され、さらに両端部にT字上に白抜きのやや長めの弧線が結合されている。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標12は、全体として細い線で描かれている。
ス 本件商標と引用商標13の比較
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標13については、両目とも黒塗りの楕円形であり、その間隔も直径の約10分の1とかなり狭く(寄り目に)なっている。
セ 本件商標と引用商標14の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標14の両目は、白抜きの縦長楕円形を左右に2つ並べて表されているから、両者の目から受ける視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
本件商標は、黒塗りの弧線で表されている一方、引用商標14の口は、白抜きの弧線で表されている。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標14は、全体として細い線で描かれている。
ソ 本件商標と引用商標15の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標15については、両目とも黒塗りの楕円形であり、その間隔は直径の約2分の1とかなり離れている。
(イ)口の部分
引用商標15の口の弧線は、両目の下端部の高さまで伸びた半円で両端部は上にまっすぐ伸び全体として相当深く描かれているものであり、全体的に悪魔の笑顔を認識させるものである。
タ 本件商標と引用商標16の比較(図形部分のみ)
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標16の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標16の目は、円輪郭の上端部に極めて近いく、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標16の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標16は、逆に、口が太い線で目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標16は、視覚的印象が大きく異なる。
(エ)頬の部分について
顔を表す円輪郭の左右の羽とおぼしき図形の有無がある。つまり、引用商標16については、顔の輪郭の左右の線を一部切り取り、その切り取られた輪郭状に羽状の図形を配している点で本件商標とは異なる。
(オ)併存登録
多数存在する併存登録例の中の一例であるが、引用商標16の図形部分と全く同一の態様の商標(登録第4750714号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(登録第4144134号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第9号証)。
チ 本件商標と引用商標17の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標17の両目は、白抜きの正円形を左右に2つ並べて表されているから、両者の目から受ける視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
本件商標は、黒塗りの弧線で表されている一方、引用商標17の口は、白抜きの弧線で表されている。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標17は、全体として細い線で描かれている。
ツ 本件商標と引用商標18の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標18の両目は、白抜きのかなり小さめの点状の縦長楕円形を左右に2つ並べて表されているから、両者の目から受ける視覚的印象は大きく異なる。
(イ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標18は、顔を表す及び目の部分が細い線で表されているのに対し、口の弧線は目立つように太線で描かれている。
テ 本件商標と引用商標19の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標19の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標19の目は、円輪郭の上端部に極めて近く、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標19の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標19は、逆に、口が太い線で目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標19は、視覚的印象が大きく異なる。
(エ)頬の部分について
顔を表す円輪郭の左右の羽とおぼしき図形の有無がある。つまり、引用商標19については、顔の輪郭の左右の線を一部切り取り、その切り取られた輪郭状に羽状の図形を配している点で本件商標とは異なる。
(オ)併存登録
多数存在する併存登録例の中の一例であるが、引用商標19の図形部分と全く同一の態様の商標(登録第4750714号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(登録第4144134号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第9号証)。
ト 本件商標と引用商標20の比較
(ア)全体の構成
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標20の両目は、口の部分に比較して相当大きめのバランスで縦長楕円形を逆「ハ」の字形に左右に2つ並べて表されている。また、引用商標20には、顔の輪郭を表す円輪郭が存在しない。よって、このような目と口のバランス、円輪郭の有無からして、両商標から受ける視覚的印象は全く異なる。
(イ)併存登録
多数存在する併存登録例の中の一例であるが、引用商標20と全く同一の態様の商標(登録第4741832号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(登録第4135567号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第13号証)。
ナ 本件商標と引用商標21の比較
(ア)目の部分等
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標21の両目は、2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標21の目は、両方の目の間隔は極めて近い。 更に、引用商標21には、顔の輪郭を表す円輪郭が存在しない。
(イ)併存登録
多数存在する併存登録例の中の一例であるが、引用商標21と全く同一の態様の商標(登録第4523719号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(登録第4347375号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第12号証)。
ニ 本件商標と引用商標22の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標22の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標22の目は、円輪郭の上端部に極めて近く、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標22の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)線について
本件商標は、円輪郭がやや太線で、口の部分がやや細い線で描かれているが、引用商標22は、逆に、円輪郭が細く、口が太い線で目立つように描かれており、その線のコントラストからして、本件商標と引用商標22は、視覚的印象が大きく異なる。
ヌ 本件商標と引用商標23の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標23の両目は、全体の構成からして2つとも点のように小さく表されている。また、その位置についても引用商標23の目は、円輪郭の上端部に極めて近く、両方の目の間隔は極めて近い。そのため、この目の部分の差異により両者の視覚的印象が大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標23の口は、本件商標と違い、円輪郭に平行に描かれてはおらず鋭角気味であり、正円の弧の形状とはなっていない。
(ウ)付加部分
引用商標23は、スマイルマーク部分の外部が黒色で太く縁取られた態様であり、その縁取りの中に「SMILEY FACE」、「HARVEY BALL」の文字をアーチ上に配置してなるもので、この部分が商標全体に与える印象は大きいものであって、本件商標とは一見して印象が大きく異なる。
(エ)併存登録
引用商標23と全く同一の態様の商標(登録第4910186号)が、単色の単純な原型のスマイルマークの先登録(同第4383603号)の存在にも関わらず登録が認められている(乙第8号証)。
ネ 本件商標と引用商標24の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている様子を表し、左側の目は黒塗りの縦長楕円形である一方、引用商標24の両目は、長楕円形を逆「ハ」の字形に左右に狭い間隔で2つ並べて表されている。
(イ)口の部分
引用商標24の口を表す弧線は、手書き風に不安定な弧線として描かれている。
(ウ)色彩
引用商標24は、黄色に塗りつぶされているが、本件商標は、白地に黒の線のみで表現されたものであり、視覚上の印象が大きく異なる。
ノ 本件商標と引用商標25の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標25の両目は、やや縦長の楕円形であり、また左右の配置についても両目の間隔が円輪郭の直径の約6分の1とかなり狭く寄り目になっており、両者の視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標25の弧線については、商標の下端から全体の高さの5分の3のところまで伸び、両端部は真上に開いており、また弧線の下部も円輪郭の下端に近いところであることから、相当に深い弧線である一方で、本件商標の口は右上・左上に斜めに開き、またその両端部もたかだか全体の高さの2分の1程度のところであるから、両者の視覚的印象は大きく異なる。
ハ 本件商標と引用商標26の比較
(ア)目の部分
本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている一方、引用商標26の両目は、やや外側に開いた縦長楕円形であるから、両者の視覚的印象は大きく異なる。
(イ)口の部分
引用商標26は、かなり浅い弧線で表され、またその下端部は商標全体の高さの2分の1のところと、相当高い位置にある。一方、本件商標の口は、顔の外輪郭を表す円の下半分の曲線に沿う弧線で描かれ、両端は全体の高さの2分の1のところに位置しているものであるから、両者の視覚的印象は大きく異なる。
(3)比較に基づく類否判断
上記のとおり、本件商標と引用商標とは、商標を構成する構成要素の一又は二以上の部分について明確な差異を有するのであるから、本件商標と引用商標とはその全体から受ける印象が異なる。つまり、これら商標に接する需要者・取引者は本件商標と引用商標とを異なったものとして記憶し認識するとみるのが自然である。
以上のことより、本件商標と引用商標は、外観において相紛れるおそれはないものというべきである。
また、本件商標は、前記のとおり図形のみからなる商標であるから、これより特定の称呼や観念を生じるものではない。
その一方、引用商標は、引用商標3、4、16、19、22、23を除き図形のみからなる商標であるから、これよりは特定の称呼、観念を生じるものではなく、また、引用商標3、4、16、19、22、23についても、同様に図形部分よりは特定の称呼、観念を生じるものではなく、文字部分よりは「SMILEY FACE」、「SMILEY」、「HARBEY BALL」、「SMILE ANGELS」の各文字に相応して「スマイレイフェイス(又はスマイリーフェイス)」、「スマイレイ(又はスマイリー)」、「ハーベイボール」、「スマイルエンジェルズ」の称呼が生じるものである。また、引用商標3、4、16、19、22、23の文字部分のうち、「SMILE ANGELS」よりは「笑顔の天使」程度の観念が生じる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その称呼及び観念において類似するということはできないものである。
上記述べたことよりして、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても相紛れる おそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、同法第46条第1項第1号に基づく無効理由を有しているものではない。
(4)請求人によるその他の主張について
なお、請求人は、本件図形の創作者・著作者が米国人の故ハーベイ・ボール氏であり、本件商標は故ハーベイ・ボール氏のその創作物を剽窃したものである、と述べ甲第2号証を提出しているが、この甲第2号証中に記載されたスマイルマークは本件商標とは目の部分において相違するものであって、その意味において本件商標は故ハーベイ・ボール氏が創作者・著作者であるとはいえない。
また、甲第2号証は故ハーベイ・ボール氏の死後に設立された「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団」の単なる広報誌と思われる資料であるが、自己の又は自己に関わる商標を扱う団体による資料は、一般的に主観的な観点から自己に有利な事柄(真実・虚偽問わず)を何の客観性もなく記載することが多く、証拠能力に欠けることはいうまでもない。
そもそも、甲第2号証からは請求人がスマイルマークの範疇に属する商標についていかなる権利を有しているかは明確でなく、仮に万が一、故ハーベイ・ボール氏、請求人、又は「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団」が本件図形についての著作権を有しているとしても、商標法第4条第1項第11号は商標そのものの構成についてのみをもってして判断されるべきことを規定した条項であるから、そうした著作権の有無は本件商標の登録可否の判断に直接影響を及ぼすものではない。
本件審理に関し当事者間に利害関係についての争いがあるので、まず、この点について判断する。
特許庁の商標登録原簿の記載によれば、引用各商標は、有限会社ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッドが権利者であるが、引用商標26は、請求人に専用使用権が付与されていたものであり、引用商標1ないし引用商標8は、請求人から上記権利者に権利譲渡されたものであることが認められる。
また、請求人は、請求の理由中で、「請求人の関連会社が引用各商標を所有している旨」述べている。
そして、甲各号証によれば、当事者双方は、「スマイルマーク」に関連する商品化事業を行っていることが認められ、「スマイルマーク」の創作、著作の帰属を巡って争いがあることが認められる。
してみれば、請求人は、本件商標についてその登録の無効を求めることには理由があり、本件審判の請求について利害関係を有する者というべきである。
本件商標は、別掲(1)のとおり、円で顔の輪郭を表わし、小さい黒塗り縦長楕円で右目を表し、左端が重なった短い2本の弧線で左目を表し、両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表した図形よりなるものである。
そして、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められる。
(1)称呼及び観念について
本件商標は、別掲(1)の構成よりなるものであり、格別の称呼及び観念を生ずるとは認められないから、称呼及び観念については、引用各商標と比較することができない。
(2)外観について
ア 本件商標と引用商標1との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標1は、別掲(2)に示すように、黄色で塗りつぶした円で顔の輪郭を表わし、一対の黒塗り縦長楕円(縦長楕円の一部は白抜きとなっている)で両目を表し、両端上がりの長い弧線で口を表してなるものである。
そして、引用商標1は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標1とは、顔の輪郭及び目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標1は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標1を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
イ 本件商標と引用商標2との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標2は、別掲(3)に示すように、黄色で塗りつぶした円で顔の輪郭を表わし、一対の黒塗り縦長楕円(縦長楕円の一部は白抜きとなっている)で両目を表し、両端上がりの長い弧線で口を表し、当該顔の輪郭の周りに図案化した桃色のたてがみ又は桃色の八つの花弁と思しき図形を配してなるものである。
そして、引用商標2は、擬人化されたライオンの顔又は擬人化された花を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標2とは、たてがみ又は花弁と思しき図形の有無及び左目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標2は、擬人化されたライオンの顔又は擬人化された花を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標2を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
ウ 本件商標と引用商標3、引用商標4、引用商標6ないし引用商標8、引用商標13、引用商標15、引用商標22、引用商標25及び引用商標26との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標3の図形部分、引用商標4の図形部分、引用商標6ないし引用商標8、引用商標13、引用商標15、引用商標22の図形部分、引用商標25及び引用商標26は、別掲(4)、別掲(5)、別掲(7)ないし別掲(9)、別掲(14)、別掲(16)、別掲(23)、別掲(26)及び別掲(27)に示すように、円で顔の輪郭を表わし、一対の黒塗り縦長楕円で両目を表し、両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線等で口及び口元を表してなるものである。
そして、引用商標3の図形部分及び引用商標4の図形部分、引用商標6ないし引用商標8、引用商標13、引用商標15、引用商標22の図形部分、引用商標25及び引用商標26は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標3の図形部分及び引用商標4の図形部分、引用商標6ないし引用商標8、引用商標13、引用商標15、引用商標22の図形部分、引用商標25及び引用商標26とは、口及び左目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標3の図形部分及び引用商標4の図形部分、引用商標6ないし引用商標8、引用商標13、引用商標15、引用商標22の図形部分、引用商標25及び引用商標26は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標3及び引用商標4、引用商標6ないし引用商標8、引用商標13、引用商標15、引用商標22、引用商標25及び引用商標26を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
エ 本件商標と引用商標5との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標5は、別掲(6)に示すように、黒色で塗りつぶした円で顔の輪郭を表わし、一対の白塗り縦長楕円で両目を表し、両端上がりの白塗りの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表してなるものである。
そして、引用商標5は、ほほえんでいる顔を表現したものと認められる(顔の輪郭が黒く塗りつぶされているため、人間の顔を表現したものかは、判然としない。)。
しかして、本件商標と引用商標5とは、顔の輪郭、目及び口の表し方が、全く異なるものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標5は、ほほえんでいる顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標5を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
オ 本件商標と引用商標9との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標9は、別掲(10)に示すように、正方形で顔の輪郭を表わし、一対の白抜きの縦長楕円で両目を表し、白抜きの両端上がやや上がる弧線で口を表してなるものである。
そして、引用商標9は、仮面又はロボットの顔と思しき図形と看取される(輪郭が正方形であるため、人間の顔を表現したものかは、判然としない。)。
しかして、本件商標と引用商標9とは、顔の輪郭、目及び口の表し方が、全く異なるものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標9は、仮面又はロボットの顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標9を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
カ 本件商標と引用商標10、引用商標16及び引用商標19との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標10、引用商標16の図形部分及び引用商標19の図形部分は、別掲(11)、別掲(17)及び別掲(20)にそれぞれ示すように、円で顔の輪郭を表し、一対の黒塗り縦長楕円で両目を表し、両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表し、当該顔の輪郭の左右に翼を配してなるものである。
そして、引用商標10、引用商標16の図形部分及び引用商標19の図形部分は、架空の動物の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標10、引用商標16及び引用商標19とは、翼の有無及び左目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標10、引用商標16及び引用商標19は、架空の動物の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標10、引用商標16及び引用商標19を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
キ 本件商標と引用商標11及び引用商標18との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標11及び引用商標18は、別掲(12)及び別掲(19)にそれぞれ示すように、円で顔の輪郭を表わし、一対の白抜きの縦長楕円で両目を表し、両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表してなるものである。
そして、引用商標11及び引用商標18は、ほほえんでいる顔を表現したものと認められる(目が白抜きで表されているため、人間の顔を表現したものかは、判然としない。)。
しかして、本件商標と引用商標11及び引用商標18とは、目の表し方が、全く異なるものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標11及び引用商標18は、ほほえんでいる顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標11及び引用商標18を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
ク 本件商標と引用商標12、引用商標14及び引用商標17との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標12、引用商標14及び引用商標17は、別掲(13)、別掲(15)及び別掲(18)にそれぞれ示すように、円で顔の輪郭を表わし、一対の白抜きの縦長楕円で両目を表し、白抜きの両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表してなるものである。
そして、引用商標12、引用商標14及び引用商標17は、ほほえんでいる顔を表現したものと認められる(目及び口が白抜きで表されているため、人間の顔を表現したものかは、判然としない。)。
しかして、本件商標と引用商標12、引用商標14及び引用商標17とは、目及び口の表し方が、全く異なるものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標12、引用商標14及び引用商標17は、ほほえんでいる顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標12、引用商標14及び引用商標17を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
ケ 本件商標と引用商標20及び引用商標21との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標20及び引用商標21は、別掲(21)及び別掲(22)にそれぞれ示すように、一対の黒塗り縦長楕円で両目を表し、両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表した図形よりなるものである。
そして、引用商標20及び引用商標21は、いずれも、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標20及び引用商標21とは、顔の輪郭を表す円の有無及び左目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標20及び引用商標21は、いずれも、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標20及び引用商標21を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
コ 本件商標と引用商標24との類否
本件商標は、上記2のとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標24は、別掲(25)に示すように、黄色で塗りつぶした円で顔の輪郭を表わし、一対の黒塗り縦長楕円で両目を表し、両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表してなるものである。
そして、引用商標24は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標24とは、顔の輪郭及び目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標24は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標24を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
以上のとおりであるから、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼、観念のいずれに点おいても類似しない商標といわなければならない。
また、引用商標23については、本件商標の登録出願日は、平成17年1月7日であるのに対して、引用商標23の登録出願日は、同年11月8日である。そうとすれば、引用商標23は、本件商標の登録出願の日前の商標登録出願であるということはできないから、両商標の類否について検討するまでもなく、本件商標は、引用商標23との関係では、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その指定商品中、請求に係る第16類についての登録を無効とすべきではない。
なお、請求人は、平成21年7月31日付け弁駁書において、請求の理由を「本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同法第3条第1項第6号に該当するから無効にされるべきである。」旨主張しているが、係る主張は、請求の理由の要旨を変更するものであるから、商標法第56条第1項で準用する特許法第131条の2第1項の規定により認められない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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