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Trademark Appeal Case

地名表示の品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−26373(T2008−26373/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「皮革製被服」を指定商品として、平成19年6月5日に登録出願されたものである。

そして、原審における同20年1月15日受付けの手続補正書により、本願商標は、別掲2のとおりの商標に補正されたものである。

第2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、その構成中にアメリカ合衆国カリフォルニア州オークランドという地名を認識させる『OAKLAND.CALIFORNIA』の文字を有してなるものであるから、その指定商品中『アメリカ製の皮革製被服』以外の商品に使用するときには、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における平成22年4月6日付け拒絶理由通知書の要旨

本願商標は、その構成中に「カリフォルニア【California】アメリカ合衆国太平洋岸の州。州都サクラメント。経済規模は合衆国の州のうち最大。農業のほか電子工業・航空宇宙産業が盛ん。[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]」を意味する「California」の欧文字を青色の筆記体で右上がりに大きく表示してなるものであるから、これをその指定商品に使用したときは、取引者、需要者は、その商品が「カリフォルニア(米国)で製造、あるいは、販売されたもの」と理解されるというのが相当であり、これを本願指定商品中、上記文字に照応する『米国製の皮革製被服』以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

第4 当審の判断

1 本願商標の商標法第4条第1項第16号の該当性について

本願商標は、別掲2のとおり、金色の熊の図形を中央に配し、その上方に「STYLED AND TAILORED BY」の文字を小さめに書し、熊の図形に重ねて中央部に左下方から右上方へ斜めに「California」の文字を青色の筆記体で大きく書し、その右下方に「MFG Co.」の文字を青色の斜体字でやや小さめに配した構成よりなるところ、その構成中の文字部分は、構成文字全体をもって、一般に親しまれた特定の事物、事象を表すような熟語、成語であるといった格別の事情を見いだせないものであり、また、「STYLED AND TAILORED BY」、「California」、「MFG Co.」の各部分は、書体、文字の大きさ、文字の間隔及び表示された位置、色彩によって、それぞれ独立してみられるものであるから、これらの文字部分は、視覚上分離して認識されるものといわなければならない。

そして、その構成中、中央部に大書されて顕著である「California」の文字は、「米国カリフォルニア州」を意味することを容易に理解、認識させるよく親しまれた語である。そして、本願商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、該「California」の文字から,その商品が米国(カリフォルニア州)で製造、販売されたものと認識する可能性が十分にあるというべきである。

そうとすれば、本願商標は、その指定商品中、「米国(カリフォルニア州)で製造された皮革製被服」以外の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「米国(カリフォルニア州)で製造された皮革製被服」であるかのように品質の誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。

2 請求人の主張について

請求人は、「本願商標中の『California』と『MFG Co.』の文字部分は、『California』は『MFG Co.』に対して斜めに配置されているが、双方の文字が同一のブルーの色彩であること、および同一の斜体字で統一されていることから、この2つの文字が何らかの関連性を伴って視認される可能性は高く、相互の文字の結合性は高いものであり、また、『California』と『MFG Co.』とは、相互に関連性、結合性のある語であるから、全体として「カリフォルニア製造会社」という固有名称であることが一般的に認識されるため、需要者、取引者には、本願商標における『California』という語は、単なる地域表示ではなく『会社名』の一部であるものと判断される。」旨の主張をしている。

しかしながら、前記1で述べたように、色彩は同一ではあるものの、「California」の文字は、中央部に右上がりでひときわ大きく表されて看者の注意を惹くものであって、また、「MFG Co.」の文字は、該「California」の文字の右下に比較的に小さく横書きされて表されているものであって、その文字の位置関係からして、常に一体不可分なものとする特段の事情は認められず、両文字部分はそれぞれ独立、分離して把握される場合が多々あるものというべきである。そして、「California MFG Co.」という固有名称は請求人の会社名ではなく、さらに、一般的な熟語、成語として存在しないことからすれば、全体として一体の文字部分としてみなければならないということはできない。

よって、請求人の主張は、採用することができない。

また、請求人は、「本願商標構成中の『STYLED AND TAILORED BY』という語は、現在の日本の取引過程においても広く使用され、『スタイルが決められ、縫製された』という意味であることは、中学程度の英語の実力があれば容易に判明するものであるから、本願商標の文字部分は、全体として『カリフォルニア製造会社によってスタイルが決められ縫製されたものである』旨の、有意な標章となり、『California』の文字部分は、需要者、取引者に一義的に『アメリカ』を想起せしめるものではないから、全体として『アメリカ製の商品』であることを需要者、取引者に認識させる可能性はない。」旨の主張をしている。

しかしながら、請求人の主張するように「STYLED AND TAILORED BY」の語が、現在の日本の取引過程においても広く使用されているとすることを証明するに足る資料等の提出はない。

さらに、請求人は、「中学程度の英語の実力があれば、本願商標の文字部分は、全体として『カリフォルニア製造会社によってスタイルが決められ縫製されたものである』という意味を理解する」旨主張するが、「MFG Co.」の文字が「製造会社」の意味を直ちに理解させるほどに知られて親しまれた語といえるものではないというべきであるから、請求人の主張は妥当なものではなく、また、前記1で述べたとおり「米国カリフォルニア州で製造された商品」であることを認識させないとする主張を認めることはできない。

そして、請求人が反証として提示する登録例については、商標の構成等において本願とは事案を異にするものであり、その登録例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とすることは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の係る主張も採用することができず、その他の請求人の主張をもってしても、当審における拒絶の理由を覆すことはできない。

3 まとめ

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして、当審において通知した拒絶理由は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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