Trademark Appeal Case
称呼類否と語尾の「ン」
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−2961(T2009−2961/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「VIVION」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品」及び第10類「医療用機械器具」を指定商品として、2007年(平成19年)9月14日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成19年11月13日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、当審における平成21年2月9日付け手続補正書により、第9類「電子応用機械器具及びその部品」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4674694号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成14年6月11日登録出願、第9類「電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同15年5月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標の類否について
商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)(平成11年(行ケ)第422号 平成12年6月13日判決)。
以下、これを踏まえて本願商標と引用商標について判断する。
(2)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記1のとおり、「VIVION」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものである。
しかして、一般的には、特定の意味又は特定の読みを有しない欧文字にあってはこれに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるのが自然であるから、本願商標は、その構成中の「VIVI」の文字部分を、英語の「vivid」を「ビビッド」、「visit」を「ビジット」、「visa」を「ビザ」と発音する例にならい、「ビビ」と発音し、同様に「ON」の文字部分を「on」を「オン」と発音すれ例にならい「オン」と発音するとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、「ビビオン」の称呼を生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、別掲のとおり、普通に用いられる域を脱しない程度の方法で「BiBio」の欧文字を書してなるところ、該文字は辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味を有しない造語といえるものである。
しかして、該商標は、一般に親しまれているローマ字読みにならって「ビビオ」の称呼が生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標の類否について検討するに、本願商標から生ずる「ビビオン」の称呼と引用商標から生ずる「ビビオ」の称呼とは、語頭から3音目までの「ビビオ」を共通にし、語尾の「ン」の音の有無に差異を有するものである。
そして、差異音の「ン」の音は、それ自体響きの弱い鼻音であり、比較的聴取されにくい語尾にあることも相まって常に明瞭に聴取されるとはいえないものである。
そうとすると、該「ン」の音の有無が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼する場合には、全体として語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
また、本願商標と引用商標は、取引の実情において、出所の混同を生ずるおそれがないといえる特別の事情を認めるに足りる証拠はない。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観において、差異を有し、観念においては両商標とも特定の意味を有さない造語であることから比較することができないものであるとしても、称呼において相紛らわしい類似の商標である。
そして、引用商標の指定商品は、本願商標の指定商品を含むものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお、請求人は、他の審決例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張しているが、これらの審決例は、本願とは事案を異にするものであり、出願された商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、他の審決例に拘束されることなく検討されるべきものであるから、上記主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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