Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−22399(T2009−22399/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「BIOTECH ACCELERATOR」の欧文字を標準文字で書してなり、第35類、第36類、第37類、第39類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年3月20日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、原審における平成21年7月30日及び当審における平成22年1月13日付け手続補正書により、最終的に、別掲(1)のとおりの指定役務に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 本願に係る指定役務は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。
2 本願商標は、登録第4644508号商標(以下「引用商標」という。)と「アクセラレーター」の称呼において類似する商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、引用商標は、「ACCELERATOR」の欧文字及び「アクセラレーター」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年12月5日登録出願、別掲(2)のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年2月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 商標法第6条第1項について
本願商標は、その指定役務について、前記第1のとおり補正された結果、商標法第6条第1項の要件を具備するものとなった。
したがって、本願商標が、商標法第6条第1項の要件を具備しないとした原査定の拒絶の理由は解消した。
2 商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、前記第1のとおり「BIOTECH ACCELERATOR」の文字よりなるところ、構成中の「BIOTECH」と「ACCELERATOR」との間には一文字分程の間隙を有するものであり、また、その構成文字全体から生じる「バイオテックアクセラレーター」の称呼も13音からなる冗長なものであって、よどみなく一連に称呼し得るものとはいい難いというべきものである。
さらに、観念上も全体として特定の意味合いを生じるものではなく、他にこれを常に一体不可分のものとする理由のないものである。
さらにまた、本願商標の構成中、「BIOTECH」の文字部分は、「BIOTECHNOLOGY」の略で「生命工学」等を意味し、本願指定役務中には、「生命工学」に関係する「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究」や「農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究」等の役務が含まれていることからすれば、該指定役務との関係においては、その役務の対象が「生命工学」に関するものであること、すなわち、役務の質(内容)を表示するものと認められるから、「BIOTECH」の文字部分は、自他役務の識別力がないか又は極めて弱いものといわざるを得ない。
そうとすれば、簡易迅速を尊ぶ商取引の場において、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得る「アクセル,加速装置,促進剤」等を意味する「ACCELERATOR」の文字部分を分離、抽出し、その部分より生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないというべきである。
そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「バイオテックアクセラレーター」の称呼を生ずるほか、「ACCELERATOR」の文字部分に着目し、該文字に相応した「アクセラレーター」の称呼及び「アクセル,加速装置,促進剤」等の観念をも生ずるものといわなければならない。
一方、引用商標は、前記第2のとおり、「ACCELERATOR」及び「アクセラレーター」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「アクセラレーター」の称呼及び「アクセル,加速装置,促進剤」等の観念を生じるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、その外観において相違することを考慮してもなお、称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標の指定役務中には、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務が含まれているものである。
3 請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成文字「BIOTECH ACCELERATOR」は、当該文字全体がひと纏まりとなって、「バイオテクノロジーの促進者」、「バイオテクノロジーを促進するもの」といった特定の意味、観念を生ずるものであるから、当該構成文字の一部分のみが他から分離し、独立の出所識別標識として認識、理解されることはない旨主張している。
しかしながら、請求人の提出する平成22年1月14日受付の手続補足書における甲各号証を斟酌してみても、「BIOTECH ACCELERATOR」の意味を表す証左は、単にそれぞれの文字の意味を表す証左のみであって、全体として特定の意味を表す熟語的結合がされているものと認められる証左は見当たらず、しかも、全体として、直ちに上記観念を生ずるものとはいえず、単に2つの英単語を並列したものと理解するにすぎないものと認められる。また、職権において調査するも、「BIOTECH ACCELERATOR」が、ひと纏まりとなって特定の意味を表す熟語的結合によって不可分に連結されているものと認められる事実も見当たらないことから、前記認定のとおり、本願商標の構成中、「ACCELERATOR」の文字部分が他から分離し、独立の出所識別標識として認識、理解されるものとみるのが相当であり、請求人のこの主張を採用することはできない。
また、請求人は、過去の登録例、審判例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨の主張しているが、商標の構成及び指定役務との関係において、本願とは事案を異にするものであり、その登録例、審判例等をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のこの主張も採用することはできない。
4 まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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