Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−24976(T2009−24976/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年7月22日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、当審における平成21年12月17日付け手続補正書により、第35類「セラミドとハナビラタケの成分を含有する加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,セラミドとハナビラタケの成分を含有する清涼飲料水及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カタログ及びインターネットを用いたセラミドとハナビラタケの成分を含有する商品の販売に関する情報の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『セラミド&』、『ハナビラタケ』の文字を二段に表してなり、構成中上段の『セラミド』の文字は、『スフィンゴシンに脂肪酸が結合したもの。』等(広辞苑第六版)を意味し、構成中下段の『ハナビラタケ』の文字は、『ハナビラタケ科ハナビラタケ属のきのこ。』等(丸善食品総合辞典)を意味するところ、近時、『セラミド』及び『ハナビラタケ』は、飲食料品の成分として使用されている実情が認められるものである。そうすると、本願商標よりは全体として、『セラミドとハナビラタケの成分からなるもの』ほどの意味合いを容易に理解させ、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『セラミドとハナビラタケの成分配合の取扱商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』等であると理解するに止まり、単に役務の質(内容)、役務の提供の用に供する物等を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので。商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、赤色で「セラミド」、「&」及び「ハナビラタケ」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、商取引の実際においては、例えば、文字等に色彩を施し、かつ、文字の配置の仕方に多少工夫を凝らして上下二段に横書きすることは、普通一般に行われているところである。
そうすると、かかる構成からなる本願商標にあっては、普通に用いられる態様の域を脱しない程度の態様をもって表されているものと言わざるを得ない。
そして、本願商標構成中「セラミド」の文字は、「スフィンゴシンに脂肪酸が結合したもの。」等の意味を有し、「ハナビラタケ」の文字は、「ハナビラタケ科ハナビラタケ属のきのこ。」等の意味を有する語(「広辞苑第六版」及び「丸善食品総合辞典 丸善発行」を参照)であるから、これら両語に「&」を介して結合してなる本願商標全体からは、単に「セラミドとハナビラタケ」程の意味合いを容易に認識させるというべきである。
そしてまた、近時、「セラミド」及び「ハナビラタケ」が、飲食料品の成分(原材料)として一般に使用されている実情にあることは、請求人も認めているところである。
そうとすれば、本願商標をその指定役務である「セラミドとハナビラタケの成分を含有する加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等について使用したときには、その小売等役務に係る取扱商品の品質、原材料を認識、理解させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
なお、請求人は、「本願商標は、単に『セラミド&ハナビラタケ』と普通の書体にて一連に書したものでなく、丸みを帯びた独特の書体にて表示し、『セラミド&』と『ハナビラタケ』とを二段に分けて、上段と下段を若干左右にずらすというデザイン上の工夫を施したうえに、彩色しているものであり、かかるデザインと彩色の組み合わせにより、本願商標は、十分に識別力がある。」旨の主張をしている。
しかしながら、本願商標が請求人主張の如き工夫が施されていたとしても、上記したとおり、本願商標は、いまだ普通に用いられる態様の域を脱しない程度の態様をもって表されているものであることからすれば、これをもって、自他役務の識別標識としての機能を有するものともいえないから、請求人のこの主張は採用できない。
また、請求人は、「本願商標と同様に、指定商品の原材料等を表す文字について、二段書きにしたり、多少のデザインを施したり、彩色したりすると同時に指定商品を限定することによって登録されているものは多数存在し、本願商標も登録されるべきものである。」旨の主張をしている。
しかしながら、請求人が主張する過去の登録例にかかる商標は、本願商標とその構成態様及び指定役務を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、上記請求人の主張も採用できない。
してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するものというべきであり、登録することはできない。
なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶したものであるが、原査定と当審決とは、いずれも本願商標を本願指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという結論にいたるものであるから、両者は、その判断の内容において実質的に相違するものではない。
したがって、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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