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Trademark Appeal Case

称呼類似と周知商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900030(T2010−900030/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5277725号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5277725号商標(以下「本件商標」という。)は、「レジアス」の片仮名と「REGIUS」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成21年5月8日に登録出願、同21年9月11日に登録査定、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年10月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、取消理由に引用している商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」ということがある。)。

(1)登録第4473847号商標(以下「引用商標1」という。)は、「REGUS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年2月22日に登録出願、同13年3月26日に登録査定、第35類、第36類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務をを指定役務として、同13年5月11日に設定登録されたものである。

(2)登録第4473848号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成11年2月22日に登録出願、同13年3月26日に登録査定、第35類、第36類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年5月11日に設定登録されたものである。

3 本件登録異議申立ての理由

申立人は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第56号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標と同一又は類似し、指定役務も抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、世界各国の企業向けにサービスオフィスを提供するイギリスの法人であり、1989年に設立し、現在では、世界70力国、400都市、950拠点においてビジネスセンター事業を展開している(甲第4号証)。

申立人の提供する役務は、オフィス家具や備品、インターネット等が完備されたオフィススペースを利用者の業務の規模、時期的都合等に応じて提供し、併せて電話対応等の秘書代行サービスも行う(甲第10号証)ものであり、初期投資を抑えたい起業時、出張・移動の多い者、在宅ビジネス等を行なう者を主な需要者とし(甲第11号証)、現在広く供給されている。

申立人は、会社設立以来、継続的に引用商標及び商標「リージャス」を使用している。

申立人は、過去3年において、ポスター、雑誌、電車の中吊広告、電飾看板、空港のバナー広告、在日米国商工会議所会報等といった数々な媒体にて申立人のサービスを宣伝している(甲第14号証ないし甲第37号証)。

さらに、申立人のレンタルオフィスの貸与は、様々な媒体に取り上げられ注目された(甲第38号証ないし甲第49号証)。

また、インターネット上で「regus」を検索したところ、28件中23件が申立人の役務に関連する記事であった(甲第50号証)。

かかる事実から、引用商標及び商標「リージャス」は、申立人の商標として、不動産役務において全国的に広く知られていることが明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第19号について

申立人は、世界各国の企業向けにサービスオフィスを提供しており、世界中でビジネスセンター事業を展開している。これは、申立人を含むリージャスグループが展開しており、リージャスグループは、親会社リージャス・パブリック・リミテッドと申立人を含む多数の子会社からなる。親会社のりージャス・パブリック・リミテッドが株式の20%以上を保有する子会社は、16社にのぼる(甲第51号証)。

リージャス・パブリック・リミテッドが公表しているアニュアル・レポートによると、当該グループの2009年度の収益は、約10億5510万ポンド(日本円約1,528億円)、営業利益は、約8,600万ポンド(約124億5500万円)であり(甲第52号証)、アメリカ合衆国のフォーチュン誌が作成する企業ランキング“フォーチュン500”にランクインする企業の半数以上が、オフィス需要の一部を申立人のレンタルオフィス等に係る役務に委ねている(甲第4号証)。

また、ウィキペディアには、申立人の属するリージャス・グループについての記載があり、申立人の引用商標2が掲載されているとともに、「2010年3月現在、リージャス・グループの施設は、南北アメリカでの14カ国で483施設(アメリカ合衆国の400施設を含む。)、ヨーロッパ・中東・アフリカの45カ国で248施設、アジア・オセアニアの16カ国で116施設にのぼる。リージャス・グループは、世界中で約5,500人を雇用している。」と述べられている(甲第53号証)。

申立人のウェブサイトを確認すると、計77の国と地域の計565都市にて申立人の施設が分布している(甲第54号証)。

このように世界中の都市において、申立人に係る役務が引用商標の下で提供されており、外国において広く認識された商標である。

不正の目的については、商標権者は、本件商標を不動産物件シリーズ名として使用し、本件商標の実際の使用態様は、欧文字の大文字と小文字を「Regius」と書し、「g」の態様及び中央に王冠の図形を配しているから、申立人の引用商標2とは、その構成が極めて近似しており、時と場所を異にして両者を離隔観察した場合、かれこれ混同を生ずるほどに類似しているものである(甲第54号証及び甲第55号証)。

このような本件商標権者の実際の使用態様を考慮すれば、本件商標の使用は、申立人が長年の使用により蓄積した信用(グッドウィル)を毀損させるものであり、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって出願され使用されている商標であることが推認される。商標権者は、不動産の売買賃借・仲介・鑑定等の業務を行っており、申立人の業務「レンタルオフィスの貸与」とは類似する。そして、申立人の引用商標は、全世界で使用され、需要者の間に広く認識されているため、申立入と同じ第36類の不動産関連の役務を行う本件商標権者は、申立人の引用商標の存在を知った上で、不正の目的をもって本件商標を使用しているものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「レジアス」の片仮名と「REGIUS」の欧文字よりなるものであるところ、「REGIUS」は、「王の」の意味を有する英語(甲第5号証)であり、「リージャス」と発音されるところから、本件商標からは、上段の片仮名部分から生ずる「レジアス」の称呼のほか、欧文字部分から「リージャス」の称呼をも生じ、「王の」の観念を生ずるものと認められる。

一方、引用商標1は、「REGUS」の欧文字よりなるものであるところ、我が国英語教育の普及の度合いに照らして、これよりは、英語読み風に「リガス」又は「レガス」の称呼を生じ、特に観念の生じない造語よりなるものである。

他方、引用商標2は、別掲(1)に示したとおり、図形と文字との結合によりなるものであるところ、図形部分からは、特に称呼又は観念は生じないものである。

そして、その文字部分(Regus)は、独立して取引に資される場合があるものというを相当とし、これよりは、引用商標1と同様に、該文字に照応する「リガス」又は「レガス」の称呼を生じ、特に観念の生じない造語よりなるものというべきである。

そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標が「レジアス」の片仮名と「REGIUS」の欧文字よりなるものであるのに対し、引用商標1は、「REGUS」の文字よりなるものであって、欧文字部分の比較においても、第4文字「I」の有無に差異があるところであるが、この程度の文字数にあっては、その差異は、十分に把握できるというべきであるから、本件商標と引用商標1とは、外観上、区別できる程度に相違し、称呼においては、本件商標の称呼が「レジアス」又は「リージャス」であるのに対し、引用商標1の称呼は、「リガス」又は「レガス」であるから、本件商標の称呼と引用商標の称呼とは、構成音及び構成音数に明らかな差異が認められ、これらを一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。

また、観念においては、引用商標1から格別の観念が生じないから、比較すべきところがない。

してみれば、本件商標と引用商標1とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるところのない、非類似の商標である。

また、本件商標と引用商標2とは、引用商標2が、別掲(1)のとおり、図形と文字との結合によりなるものであるところ、該図形部分と本件商標とは、比較し得ないほどに相違し、該文字部分「Regus」と本件商標とは、上記本件商標と引用商標1との比較と同様に、外観上、何ら相紛れるところのないものであって、称呼及び観念においても、何ら相紛れるところがなく、本件商標と引用商標2とは、非類似の商標である。

なお、申立人は、引用商標「Regus」は造語であり、申立人の日本現地法人を「日本リージャス株式会社」と称しながら引用商標を使用していることから、「リージャス」の発音が第1称呼として特定し得る旨述べている。

しかしながら、そのように頻繁に使用され、定着している場合は格別、後掲(2)で述べるように、引用商標が、本件商標の出願の日前に周知・著名なものであったとまではいい得ないから、この点に関する主張は、採用し得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、世界各国の企業向けにサービスオフィスを提供するイギリスの法人であり、1989年に設立以降、現在では、世界70力国、400都市、950拠点においてビジネスセンター事業を展開し(甲第4号証)、我が国においても、1998年に日本リージャス株式会社を設立して以来、継続的に引用商標及び商標「リージャス」を使用しており、申立人の提供するレンタルサービスオフィスセンターは、既に21カ所となり、毎年次々と新たなセンターが設立されている旨述べているが、本号に該当するというためには、本件商標の出願日前においても、申立人の業務に係る商品又は役務を表すものとして広く知られていなければならない(商標法第4条第3項)ところ、提出に係る甲第14号証ないし甲第34号証、甲第38号証ないし甲第45号証及び甲第47号証は、出願後の事柄であり、出願前における我が国の「リージャス」の使用は、僅かに、甲第35号証、甲第36号証、甲第37号証、甲第46号証、甲第48号証及び甲第49号証の6件だけであり、しかも、その時期も2008年4月から、2008年から、前年の11月、2009年2月、本件商標の出願の月のように、本件商標の出願の日の直近の事実であり、ホームページにおける申立人の会社概要(甲第4号証)、申立人ホームページにおける業務紹介(甲第11号証)、レンタルオフィス検索サイトの企業一覧(甲第13号証)及びインターネット上における“regus”検索結果(甲第50号証)は、出力日が本件商標の出願後であって、掲載日が特定できず、また、甲第12号証は、申立人の「リージャス」に関するものでなく、甲第51号証ないし甲第54号証は、我が国における商標「リージャス」の使用に関するものではない。

そして、その余の提出に係る甲各号証は、商標「リージャス」の使用に関するものではない。

してみれば、本件商標から「リージャス」の称呼が生じ、申立人の使用に係る商標が「リージャス」であるとしても、その使用に係る商標が申立人提出の甲各号証によっては、本件商標の出願の日前に周知・著名なものであったとまではいい得ないから、本件商標をその指定役務について使用しても、本件商標の出願の日前において、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係にある者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について誤認・混同を生ずるおそれがあったものということはできないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標から「リージャス」の称呼が生じ、申立人の使用に係る商標が「リージャス」であるとしても、上記(2)の認定のとおり、申立人の使用に係る商標「リージャス」が周知・著名なものということができないばかりでなく、不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる証左はない。

なお、申立人は、「商標権者は、本件商標を『Regius』と書し、中央に王冠の図形を配した使用をしている(甲第55号証及び甲第56号証)。その標章は、引用商標2と、極めて近似した構成であるから、本件商標の不正使用をしている。」旨、述べている。

しかしながら、商標権者が本件商標を引用商標2と近似した構成態様で使用することが、引用商標2あるいは本件商標との関係において、商標法の他の規定に触れるか否かの問題は、別途、判断されるべきことである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(4)結び

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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