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Trademark Appeal Case

商標著名性と商品類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900038(T2010−900038/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5279374号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5279374号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年6月11日に登録出願、第8類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月17日に登録査定,同年11月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第5016852号商標(以下「引用商標」という。)は、「G−UNIT」の欧文字を標準文字で表してなり、2002年9月30日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成15年1月14日に登録出願、第9類、第25類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年1月12日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標とは、称呼を同じくし外観においても同一構成文字をを有する点で共通する類似のものである。そして、本件商標の指定商品中の「電気かみそり及び電気バリカン」は、引用商標の指定商品中の「電気通信機械器具」に含まれる「テレビジョン受信機、ラジオ受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具」と類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、「50 Cent」として1999年から音楽活動を行っており、申立人の所属する2003年に結成されたグループ「G−UNIT」は、音楽業界等で広く知られている。申立人は、音楽活動以外にも「G−Unit Collection」や「G−Unit Clothing」というファッションブランドも立ち上げ、被服等やビタミンウォーターフレーバー、ボディスプレー、男性用香料の開発、映像制作会社を通じての作品の発表等も行っている(甲第3号証、甲第4号証)。

したがって、引用商標と紛らわしい本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断

(1)「G−UNIT」の文字からなる標章の著名性について

申立人の提出に係る証拠によれば、「G−UNIT」の文字からなる標章(以下「G−UNIT」標章という。)が申立人の所属する音楽バンド名として、我が国においてもある程度知られていることを認めることができる。

しかしながら、申立人の提出に係る証拠は、主に、「50 CENT」及び「G−UNIT」による音楽活動に係るものであり、「50 CENT」や「G−UNIT」等の商標が多くの国において商標登録されており(資料14、15)、被服やビタミンウォーターフレーバー、男性用香料等が販売されている事実は認められる(資料16、17)としても、これらについて具体的な販売実績や販売地域等は明らかにされていない。

そして、宣誓供述書(甲第4号証及びその訳文)には、2003年から2008年にかけての50 CENTのアパレル事業における総計は2億5000万米ドルである旨記載されているが、これにしても、各年における販売額に換算してみれば、さほど多い販売額ということはできないうえ、我が国における取引の状況は不明である。

そうとすれば、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願の時はもとより、登録査定時においても、「G−UNIT」標章が申立人の業務に係る被服等の商品を表示するものとして、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおり、「G−UNIT」の各欧文字をそれぞれ異なった色彩で表してなるものであり、引用商標は、前記したとおり、「G−UNIT」の欧文字を標準文字で表してなるものであるから、両者は、「ジイユニット」の称呼及び構成文字を共通にする点において類似の商標ということができる。

しかしながら、申立人が類似商品である旨主張している本件商標の指定商品中の「電気かみそり及び電気バリカン」と引用商標の指定商品中の「電気通信機械器具」に含まれる「テレビジョン受信機、ラジオ受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具」とは、商品の用途及び品質を全く異にするばかりでなく、その生産部門等も異にする非類似の商品というべきものである。

この点について、申立人は、特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準〔国際分類第9版対応〕」によれば、「電気かみそり及び電気バリカン」と引用商標の指定商品中の「電気通信機械器具」に含まれる「テレビジョン受信機、ラジオ受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具」とは類似するとされている旨主張している。

確かに、「類似商品・役務審査基準〔国際分類第9版対応〕」によれば、第8類の「電気かみそり及び電気バリカン」の「備考」欄において、「電気かみそり及び電気バリカン」は、第9類の「テレビジョン受信機、ラジオ受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具」に類似すると記載されている。

しかしながら、当該審査基準は、その前書きにおいて、「・・・原則として、互いに類似商品又は類似役務であると『推定』するものです。本審査基準は全審査官の統一的基準ですが、具体的、個別的に商品又は役務の類否を審査する際において、あるいは商取引、経済界等の実情の推移から、本基準で『類似』と推定したものでも『非類似』と認められる場合又はその逆の場合もあり得ます。」と記載されているように、あくまでも類似商品であることを推定するものである。

これを「電気かみそり及び電気バリカン」と「テレビジョン受信機、ラジオ受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具」との関係についてみれば、両者の用途及び品質及びその生産部門等が異なることに加え、後者が電子技術の著しく進展している分野の商品であることを考慮すれば、両者を当該審査基準の推定のとおり類似商品と判断することは、むしろ今日の取引の実情にそぐわないものというべきである。

そして、そもそも、商品の類似とは、対比される商品に同一又は類似の商標を付した場合、当該商品の取引者・需要者に同一の出所の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれがあることをいうものと解されているところ、申立人は、上記両商品が類似することの理由として上記審査基準において備考類似の関係にあることを主張しているのみであって、両商品が類似することについての個別具体的な取引の実情は何ら主張・立証していない。

そうとすれば、この観点からみても、上記両商品は、同一又は類似の商標を使用した場合に出所の混同のおそれのある類似の商品ということはできない。

したがって、本件商標と引用商標とは、類似の商標であるとはいえても、両者の指定商品は類似するものとは認められないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

上記したとおり、本件商標と引用商標とが類似の商標であるとしても、申立人の業務に係る「G−UNIT」標章は、音楽バンド名として知られているとはいえても、申立人の業務に係る被服等の商品を表示するものとして、本件商標の指定商品の取引者・需要者の間に広く認識されていたものとはいえず、他に本件商標が引用商標とその出所について混同を生じさせるおそれがあるとする格別の事情も見いだせない。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用したとしても、これに接する取引者・需要者が申立人の業務に係る「G−UNIT」標章を想起又は連想して、当該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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