Trademark Appeal Case
ミルククラウンの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900084(T2010−900084/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5293386号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成21年4月22日に登録出願され、第29類「食用油脂,乳製品,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,食用たんぱく,ラクトフェリン・ラクチュロース・ビフィズス菌・乳酸菌・乳・ペプチド・ビタミン・脂質・糖質・カルシウム・たんぱく質・ミネラル・アミノ酸・鉄・亜鉛・アロエ・食物繊維・炭水化物・デキストリン・麦芽糖・豆乳・豆腐・青汁・ケールを主原料とする粉状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・チュアブル状・ペースト状・ゲル状・ゼリー状・クリーム状・液状・固形状の加工食品」を指定商品として、平成22年1月8日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第7号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第50号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は、その構成態様から、平らな面に薄くのばしたミルク(牛乳)の液面にミルクの雫を落とし、ミルクどうしの衝突した瞬間の形が王冠のように見える様を単純に図案化したにすぎない。
そのような図案は、ミルク、ミルクを使用した商品及びミルク風味の商品パッケージ、それら商品のカタログ、それら商品を掲載したホームページ等に多用されており、本件商標の指定商品中、ミルク、ミルクを使用した商品及びミルク風味の商品に使用した場合には、自他商品の識別標識として機能せず、また、ミルク、ミルクを使用した商品及びミルク風味の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質につき誤認する。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録されるべきではない。
(2)商標法第3条第1項第6号について
本件商標は、子供から大人までの実験・研究テーマとして「ミルククラウン」が採択され、親しまれ、「ミルククラウン」を認識できると言える。
さらに、「ミルクラウン」は、絵画のモチーフとして、写真の被写体として多用され、中には写真素材として販売されて、多くの人に「ミルクラウン」が認識されている。
また、「ミルクラウン」は、ミルク、乳飲料、発酵乳、その他ミルクを使用した商品及びそのカタログ、ホームページ等販促ツールや、ミルククラウンを模した時計、ミルククラウンを模したトレイ、ミルククラウンを模したアッシュトレイのような種々商品デザインのモチーフとして、「ミルククラウン」は、多用されている。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当しないとしても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第第3条第1項第6号に該当し、登録されるべきではない。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、上記(1)及び(2)のとおり、ミルク、ミルクを使用した商品及びミルク風味の商品等において多用され、また、将来的にもそのような商品及び販促ツールにおいて使用される可能性が推認され、さらには、多くの商品デザインのモチーフとして採用されており、独占適応性を欠く商標であり、商標法第1条の目的に照らし、公正な取引秩序を乱すおそれがあり、需要者の利益(社会の公共の利益)に反するものであるから、何人も使用を欲する商標を独占させることは、商標法第4条第1項第7号に該当し、登録されるべきではない。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は、別掲のとおり、王冠の如き形状をした図形よりなるところ、この形状が、申立人が主張するように、ミルクに雫が落ちたときにできる「ミルククラウン」をモチーフにしたと看取させる場合があるとしても、該図形は黒く塗りつぶされており、かつ、真ん中が抜け落ちて空白となっていることからしても、直ちにこれが「ミルククラウン」であるとはいい難いものである。
また、申立人の提出に係る証拠を勘案しても、申立人が主張する如く、本件商標の指定商品中「ミルク、ミルクを使用した商品及びミルク風味の商品」の品質を直接的かつ具体的に表示している事実を見いだすことができないものであるから、かかる形状を有する図形を商標として使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならず、また、本件商標をその指定商品について使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないというべきである。
したがって、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(2)商標法第第3条第1項第6号について
本件商標は、王冠の如き形状をした図形であるが、申立人が主張するように、「種々商品デザインのモチーフとして」使用されている場合があるとしても、それらの商品は、いずれも本件指定商品に含まれるものではなく、また、本件商標は、前記(1)で認定したとおり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいい得ないものであり、商標法第第3条第1項第6号には該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号について
申立人は、「本件商標は、ミルク、ミルクを使用した商品、ミルク風味の商品、カタログ、それらの商品を掲載したホームページ等販促ツールにおいて多用され、また、将来的にもそのような商品及び販促ツールにおいて使用される可能性が推認され、さらに、多くの商品デザインのモチーフとして採用されており、独占適応性を欠く商標である」旨主張するが、前記(1)で述べたとおり、本件商標は、その指定商品との関係においては直接的かつ具体的な商品の品質等を表すものではなく、また、商標法第3条との関係においても独占適応性を欠く図形であるとはいえないものである。
そして、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与える図形からなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもない。
さらに、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められないから、商標法第4条第1項第7号には該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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