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結論

敗訴(請求棄却)

商標「アユール」と「アユーラ」の称呼・外観の類似性(第4条第1項第11号・第4条第1項第15号|審判異議2010−900085(T2010−900085/J7))

審判番号
異議2010−900085(T2010−900085/J7)
審判種別
異議

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「アユール」引用商標「アユーラ」
争点(論点)
称呼・外観の類似性
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
第35類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2010−900085(T2010−900085/J7)・異議)は、本件商標「アユール」と引用商標「アユーラ」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼・外観の類似性」です。指定商品・役務は第35類に属します。特許庁は「登録第5291404号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第5291404号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5291404号商標(以下「本件商標」という。)は、「アユール」の片仮名と「Ayur」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成20年10月2日に登録出願、第35類「広告,経営に関する診断又は経営に関する助言,事業に関する指導及び助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年11月2日に登録査定がなされ、同22年1月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(10)のとおりであり、現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5195881号商標(以下「引用商標1」という。)は、「アユーラ」の片仮名と「AYURA」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成19年4月1日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同20年11月19日に登録査定がなされ、同21年1月9日に設定登録されたものである。

(2)登録第5195882号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成19年4月1日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同20年11月19日に登録査定がなされ、同21年1月9日に設定登録されたものである。

(3)登録第3245115号商標(以下「引用商標3」という。)は、「アユーラ」の片仮名と「AYURA」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成6年5月23日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同8年8月1日に登録査定、同9年1月31日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

(4)登録第3319867号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成7年4月11日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年3月27日に登録査定、同年6月6日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

(5)登録第3292576号商標(以下「引用商標5」という。)は、「アユーラ」の片仮名と「AYURA」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成6年5月31日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年1月23日に登録査定、同年4月25日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

(6)登録第3366939号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成7年4月11日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年9月25日に登録査定、同年12月19日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

(7)登録第3277818号商標(以下「引用商標7」という。)は、「アユーラ」の片仮名と「AYURA」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成6年6月10日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同8年11月14日に登録査定、同9年4月11日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

(8)登録第4547919号商標(以下「引用商標8」という。)は、「アユーラ」の片仮名と「AYURA」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成13年6月5日に登録出願、第16類及び第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同14年2月12日に登録査定、同年3月1日に設定登録されたものである。

(9)登録第4984601号商標(以下「引用商標9」という。)は、「AYURA」の欧文字と「アユーラ」の片仮名とを上下二段に書してなり、平成18年2月15日に登録出願、第1類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年7月19日に登録査定、同年9月1日に設定登録されたものである。

(10)登録第5187771号商標(以下「引用商標10」という。)は、「アユーラ」の片仮名と「AYURA」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成20年4月14日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月21日に登録査定、同年12月12日に設定登録されたものである。

なお、これらをまとめていうときは「引用商標」と、また、引用商標1、3、5、7、8、9及び10をまとめるときは「引用A商標」、引用商標2、4及び6をまとめるときは「引用B商標」という。

3 本件登録異議申立ての理由

申立人は、登録異議申立に係る理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、甲第1号証ないし甲第10号証(引用商標1ないし10)の登録商標と類似する商標であって、その指定役務中「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標と同一又は類似する役務であるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、甲第3号証ないし甲第6号証(引用商標3ないし6)の登録商標を平成7年頃から現在まで、化粧品及び化粧用具について使用してきており、その販売数量・販売額の多さ、宣伝広告量・広告費用の多さ、販売店舗数の多さ、販売地域の広さ等と申立人が日本国内はもとより外国においても非常に良く知られた化粧品メーカーであることとが相まって、商標「AYURA」は、需要者、消費者の間に広く知られている商標である。したがって、かかる周知、著名な商標「AYURA」と、称呼において紛らわしい本願商標を化粧品や化粧用具の小売等の役務に、資生堂と何らの関連もない者が使用した場合、一般の需要者、消費者は、当該小売等役務は、資生堂若しくは資生堂と何らかの関連のある者が提供していると誤認するであろうことは、容易に理解できるところであり、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「アユール」及び「Ayur」の文字よりなるところ、構成中の「アユール」が「Ayur」の読みを特定したものと無理なく認識できるものであるから、本件商標よりは「アユール」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を有しない一種の造語と看取されるというのが相当である。

他方、引用A商標は、「AYURA」と「アユーラ」の文字よりなるものであり、また、引用B商標は、別掲に示すとおり、ややレタリングしてなるものの、容易に「AYuRA」の文字よりなるものと看取できるものであるから、引用商標からは、その片仮名に照応する「アユーラ」(欧文字については、ローマ字読みの「アユラ」の称呼をも生ずるが、引用商標の場合、「アユーラ」と称呼されている取引の実情がある。)の称呼を生じ、特に観念は、生じないものというのが相当である。

そこで両商標を比較するに、外観においては、本件商標と引用A商標とは、片仮名部分においては4文字と比較的少ない文字数における末尾の「ル」と「ラ」の差異、及び欧文字部分においては2文字目以降の小文字と大文字の差異並びに末尾の「A」の文字の有無という複数の差異を有するものであり、また、引用B商標とは、大文字・小文字の差異並びに末尾の「A」の有無の差異に加え、片仮名の有無という明らかな差異を有するものであるから、本件商標と引用商標とは外観において相紛れるおそれはないものといえる。

そして、称呼上よりみるに、本件商標の称呼「アユール」と引用商標の称呼「アユーラ」とは、語尾音において「ル」と「ラ」の差異を有するところ、該差異音は、長音に続く音であることから比較的明瞭に聴取される音となり、かつ、全体で4音という比較的短い音構成からなることとも相まって、これら差異音が両称呼の全体に及ぼす影響は、決して小さいものとはいえず、両商標をそれぞれ一連に称呼した場合には十分聴別し得るものというのが相当である。

また、観念においては、両商標は共に格別の観念が生じないものであるから、比較すべきところがない。

してみると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用商標3ないし6の登録商標を平成7年頃から現在まで、化粧品及び化粧用具について使用してきており、その販売数量・販売額の多さ、宣伝広告量・広告費用の多さ、販売店舗数の多さ、販売地域の広さ等と申立人が日本国内はもとより外国においても非常に良く知られた化粧品メーカーであることとが相まって、商標「AYURA」は、需要者、消費者の間に広く知られている商標である旨述べているが、その販売数量あるいは宣伝広告量等を具体的に示す証拠の提出は一切ないものであるから、申立人提出の証拠「日本有名商標集」のみをもって、本件商標の周知性を証明したということはできないものであり、また、本件商標と引用商標とは、前記(1)のとおり、相紛れるおそれのない別異の商標であるから、本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係がある者の役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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