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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−11821(T2009−11821/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、第29類、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、平成20年7月22日に登録出願され、その後、指定商品又は指定役務については、原審における平成21年3月11日付け手続補正書により、第43類「博多風のもつ鍋料理を主とする飲食物の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりである。

(1)登録第4214179号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ダイエットグルメ」の片仮名文字と「健康美食」の文字を上下二段に表してなり、平成9年4月11日に登録出願され、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成10年11月27日に設定登録されたものである。

(2)登録第4335727号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ヘルシーグルメ」の片仮名文字と「健康美食」の文字を上下二段に表してなり、平成9年4月15日に登録出願され、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成11年11月19日に設定登録されたものである。

(3)登録第5189384号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成19年4月24日に登録出願され、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成20年12月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)引用商標1及び2について

引用商標1の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、平成20年11月27日に商標権の存続期間が満了したことによって、消滅し、その抹消登録が平成21年8月19日になされているものである。

また、引用商標2の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、平成21年11月19日に商標権の存続期間が満了したことによって、消滅し、その抹消登録が平成22年7月28日になされているものである。

したがって、引用商標1及び2を引用して、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、解消した。

(2)本願商標と引用商標3との類否について

本願商標は、別掲1に示すとおり、黄金色の円形状の図形内に「こがね。きん。」を意味する「黄金」の文字と「人の住むためにつくった建築物。家号や雅号、書斎に用いる語。」を意味する「屋」の文字とを結合した「黄金屋」の文字を中央に大きく書し、「黄金屋」の文字の上部に「身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと。」を意味する「健康」の文字と「うまい物や贅沢な物をたべること。」を意味する「美食」(いずれも、広辞苑 第六版)の文字とを結合させた「健康美食」の文字、「博多もつ鍋と」及び「炭火ホルモン焼」の文字とを三段に表し、「黄金屋」の文字の下段に小さく、インターネットのアドレスと認められる「www.koganeya.net」の文字とを配してなるものであるが、その構成中「博多もつ鍋と炭火ホルモン焼」の文字部分は、本願商標の指定役務との関係では、役務の用に供する物を表示する語と理解されるものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。

そして、本願商標を構成する「黄金屋」、「健康美食」及び「www.koganeya.net」の各文字は、文字の大きさ及び態様が別異であることから視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見いだせないものであるから、それぞれの文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。

してみれば、本願商標は、「黄金屋」の文字部分に相応した「コガネヤ」又は「オウゴンヤ」の称呼、「健康美食」の文字部分に相応した「ケンコウビショク」の称呼、そして、「www.koganeya.net」の文字部分は、その構成中「www.」の文字部分は、「ウェブ」を意味し、「.net」の文字は、インターネットにおけるドメイン名の組織種別コード(「.net」はネットワーク事業者、ネットワーク用を表す)を認識させるものであるから、「www.」と「.net」の文字は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際において、「koganeya」の文字に着目して取引に資する場合も少なくないものというのが相当であるから、「koganeya」の文字に相応した「コガネヤ」の各称呼をも生ずると認められるものである。

そして、観念については、「黄金屋」及び「koganeya」の文字より「黄金屋(こがねや)なる屋号の店舗」、「健康美食」の文字より「健康に良いうまい物や贅沢な物をたべること」ほどの観念を認識させるとみるのが相当である。

他方、引用商標3は、別掲2に示すとおり、黄色い狐の後ろ姿の背景図形にかかるように縦書きで「おうごん。きん。」を意味する「こがね」の文字と、「人の住むためにつくった建築物。家号や雅号、書斎に用いる語。」を意味する「家」の文字を結合した「こがね家」の文字、狐の図形の左側に灰色で狐の足跡と思しき図形、その足跡の図形の下に赤色で「こがね家」の印章を表してなるところ、かかる構成にあっては、図形部分、「こがね家」の文字及び「こがね家」の印章部分は、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものであるから、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。

してみれば、引用商標3は、「こがね家」の文字及び「こがね家」の印章部分に相応して「コガネヤ」の称呼が生ずるものであり、観念については、「こがね家なる屋号の店舗」ほどの観念を生じるとみるのが相当である。

しかして、本願商標と引用商標3とは、外観において相違するとしても、「コガネヤ」の称呼及び「黄金(こがね)屋(家)なる屋号の店舗」の観念を共通にする類似の商標であり、本願商標の指定役務は、引用商標3の指定役務と同一または類似する役務と認められる。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、「本願商標は、2004年から現在に至るまで、本願指定役務について使用され、マスコミ等にも取り上げられた結果、東京に7店舗、大阪に1店舗展開している請求人の業務に係るもつ鍋・炭火ホルモン焼飲食店の商標として需要者に広く知られている。」旨主張し、その証拠として、証拠資料1ないし4、甲第2号証及び甲第4号証を提出している。

しかし、請求人の業務に係るもつ鍋・炭火ホルモン焼飲食店として、東京に7店舗、大阪に1店舗展開している事実は認められるものの、提出された全証拠を総合勘案しても、本願商標が、我が国の取引者及び需要者間において、請求人による役務の提供であると、十分認識、理解されていることを認めるに足る証左はないものであるから、請求人の該主張は採用することができない。

イ 請求人は、引用商標3の使用状況について、「引用商標3が使用されていたと思われる店舗は閉店となっており、また、ホームページを有していた形跡があるものの現在はなくなっていることから、本願商標との出所混同はあり得ない。」旨主張し、甲第3号証の1ないし3を提出しているが、平成17年(行ケ)第10618号判決(知的財産高等裁判所 平成18年2月16日判決言渡)において、「商標法4条1項11号にいう先願の『他人の登録商標』は、後願の同一又は類似商標の査定時又は審決時において、現に有効に存続しているものであれば足り、現実に使用されていることを必要とするものではないと解するのが相当である。」旨判示されており、引用商標3が本願商標の査定時又は審決時において、現に有効に存続しているものである以上、引用商標3がその引用商標権者により、現実に使用されていなくても、それが使用された場合に混同を生ずるか否かを一般的、恒常的な取引の実情に照らして判断すべきものである。

そして、本願商標と引用商標3とは、両商標の役務の出所の混同を生ずるおそれがないと判断すべき理由を見いだすことはできず、かつ、請求人は、該主張を裏付ける具体的な資料も提出していないから、需要者が両商標に時と所を異にして接した場合、互いに相紛れるおそれは極めて高いというべきであり、請求人の該主張は採用することができない。

(4)むすび

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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