Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−2141(T2010−2141/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第42類「ガス量・電気量・二酸化炭素量の測定,計測器の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として、平成21年3月9日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4532852号商標(以下「引用商標」という。)は、「MIL」及び「ミル」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年9月13日に登録出願、第42類「編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与,鉱山機械器具の貸与,印刷用機械器具の貸与,ボイラーの貸与,動力機械器具の貸与,風水力機械器具の貸与,搾乳器の貸与,孵卵器の貸与,漁業用機械器具の貸与,芝刈機の貸与,理化学機械器具の貸与,電気磁気測定器の貸与,ガソリンステーション用装置の貸与(自動車の修理又は整備業のものは除く。),加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,冷凍機械器具(業務用)の貸与,暖冷房装置(業務用)の貸与,理・美容機器の貸与,家具の貸与,敷物の貸与,カーテンの貸与,壁掛けの貸与,光学機械器具の貸与,カメラの貸与,医療用機械器具の貸与,測定機械器具の貸与,ショーケースの貸与」を指定役務として、平成13年12月28日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本願商標は、別掲のとおり、丸を基調として描かれた白抜き文字の「e」「c」「o」をそれぞれ三枚の葉内に配した黄緑色の三葉風植物図形(以下「三葉風図形」という。)とその右側にオレンジ色で「miru」(なお、「i」の上部には、黄緑色の葉の如き図形が表されている。以下、同じ。)の文字を配した構成よりなるものである。
そして、その構成中、三葉風図形部分と右側の「miru」の文字部分とは、若干の空白により、視覚上分離して看取されるものであり、また、これらが一体となって特定の観念を有するものとは認められないばかりでなく、「miru」の文字部分と三葉風図形とは、黄緑色とオレンジ色という顕著な色の違いがあって、両者が渾然一体として融合した構成態様からなるものともいいえず、常にこれらを一体不可分のものとして看取、把握しなければならない特段の事情を見いだし得ないから、本願商標は、該図形部分と該文字部分とがそれぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすとみるのが相当である。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、本願商標に接する取引者、需要者は、「miru」の文字部分から生ずる称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体から「エコミル」の称呼を生ずるとしても、その構成中の「miru」の文字部分に着目し、該文字に相応した「ミル」の称呼をも生ずるものであり、また、該文字は、一般的な成語とは言えないことから、直ちに特定の観念を有するものとは認識し得ないものである。
これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「MIL」及び「ミル」の文字を上下二段に書してなるところ、下段の「ミル」の片仮名文字が、上段の「MIL」の欧文字の読みを特定するものとして無理なく認識できることからすれば、引用商標は、その構成文字に相応して「ミル」の称呼を生ずるものである。また、該文字は、「ヤード−ポンド法の長さの単位。1ミルは0.001インチで、0.0254ミリメートル。」の意味を有する成語であるものの、これに接する取引者、需要者は、直ちに該意味を有する語であると認識するものとは言えないことからすれば、引用商標は、むしろ、特定の観念を生ずるものではなく、一種の造語であると認識させるものというのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、共に特定の意味合いを看取させないものであるから、観念においては比較することができないとしても、「ミル」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務中に、同一又は類似の役務が含まれているものであるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、全体的に植物などの自然や環境をイメージした色(緑色、オレンジ色など)で統一されていて、左側の植物と右側の植物の葉を含む「miru」とは関連性がある統一感のあるデザインであって、さらに左側の「eco」の文字と、右側の「miru」の文字とは、ほぼ同一の大きさであることなどを鑑みると、全体的にまとまりの良い一連の商標である。」旨の主張をしている。
しかしながら、本願商標は、その採択の意図はともかく、前記(1)のとおり、これに接する取引者、需要者は、その大半をオレンジ色で着色された「miru」の文字部分に強く印象を留め、記憶し、これから生ずる称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当であるから、必ずしも一連の商標であるとはいいえず、請求人のこの主張は採用することができない。
また、請求人は、過去の登録例、審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨の主張をしているが、過去の登録例、審決例等は、商標の構成及び指定商品又は指定役務との関係において、本願とは事案を異にするものであり、その登録例、審決例等をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のこの主張も採用することはできない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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