Trademark Appeal Case
次世代型表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−4622(T2009−4622/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「NEXT GENERATION RANGEFINDER」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、2007年8月24日に米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の規定による優先権を主張して、平成19年11月2日に登録出願され、その後、指定商品については、平成20年6月27日付け手続補正書により、第9類「ゴルフコースでの距離を測り関連する適切なデータ・統計にアクセスするために使用されるコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェアから構成される電子衛星追跡情報装置,距離測定機能を有するゴルフコース用のナビゲーション装置,距離測定機能を有する電気通信機械器具,距離測定機能を有する電子応用機械器具及びその部品」に補正されているものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『次の,来...』を意味する英語の『NEXT』と『世代,時代』を意味する英語の『GENERATION』との組合せから容易に『次世代』の意味に看取される『NEXT GENERATION』の文字に、『距離測定器、距離計』を意味する英語の『RANGEFINDER』の文字を連結してなり、全体として『次世代型距離測定器』ほどの意味合いの語句として理解認識されるものであるから、これをその指定商品中、距離測定機能を有する機械器具に使用しても、次世代型即ち新型の距離測定機能を搭載した商品であることを伝えんがための、いわばキャッチフレーズの一種として理解されるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「NEXT GENERATION RANGEFINDER」の文字よりなるところ、その構成中の「NEXT」の文字は、「次の」を意味する英語であり、「GENERATION」は、「世代,時代」を意味する英語であって、「NEXT GENERATION」の語全体で「次世代」を意味するものである。また、「RANGEFINDER」は「距離計、距離測定器」を意味する英語である。
ところで、「次世代」の文字は、技術革新などにより、その技術、性能等がこれまでのものと飛躍的に向上しているものについて、商品名(機器名)等の文字と結合し、「次世代コンピューター」、「次世代ロケット」、「次世代携帯電話」、「次世代電気自動車」などのように普通に使用されているものである。また、ゴルフに関しても、「次世代GPSゴルフナビ&レコーダー」(http://www.eagleview.jp/)、「次世代ゴルフボール」(http://www.urban.ne.jp/home/okiurag/commodity/index.html)、「特許技術が生み出した次世代ゴルフギア」(http://www.sev-golf.com/)、「練習場の次世代練習分析システム」( http://albatross.co.jp/index.html)などのように使用されている。
また、「RANGEFINDER」(レンジファインダー)の文字は、カメラ等の「距離測定器」を意味する語として使用されているほか、ゴルフの距離測定器を意味する語として使用されているものである(例えば、「http://www.tantan.co.jp/detail/SD-80G」、「http://www.kenko-tokina.co.jp/optics/monoculars/4961607405079.html」、「http://www.sunagaimpulse.com/Syozai/Lasersite/GolfLaserRangeFinder.html」)。
そうすると、本願商標は、全体として「次世代の距離測定器」の意味合いを容易に理解させるものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、商品の特性を端的に表した宣伝文句ないしキャッチフレーズとして理解、把握させるに止まり、結局、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというべきである。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
請求人は、我が国の一般の消費者・需要者が、複数の英語から構成される商標に接する場合に、単語の意味分析を行って、その意味を特定しつつ取引に当たるということは現実的にあり得ず、原査定の分析的認定は、経験則に反する。日本人は、一般に複数の英単語からなる商標に対し、分析的に意味を把握するというよりは、情緒的・感覚的に(例えば、「何となくかっこよさそう」と)反応するのが普通であり、本願商標もそのようなものとして理解すべきである、旨主張している。
しかしながら、請求人は、上記主張の取引の実情について何ら証左を提出していない。そして、一般の消費者、需要者については、日本語に限らず、ローマ文字であっても文字からなる商標については、一義的にその意味を理解しようとするのであって、本願商標を構成する「NEXT」、「GENERATION」及び「RANGEFINDER」は、いずれも平易な英語であるから、本願商標より、何ら意味合いを認識しないということはできない。
請求人は、本願商標は、構成中の「NEXT GENERATION」の語からは何らかの良いイメージが暗示されるかもしれないが、ただちに特定の意味を持つものとしては理解されず、その全体の結合によって、一定の出所を表示しうるものであるとして、登録例を挙げ主張している。
しかしながら、一般に機械、機器は、斬新な技術革新により、技術革新前の製品と性能等に顕著な差異がある場合がある。このような場合は、前述のように「次世代○○」と使用され、また、本願の指定商品もこのような機械、機器の範ちゅうの商品といえるものである。そうすると、本願商標に接する需要者は、「(性能等が非常に向上した)次世代の距離測定器」の意味合いを容易に認識するというべきであって、商品の特徴等を端的に表すものとして、キャッチフレーズ程度に認識するものというべきであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというのが相当である。
請求人は、本願商標について、米国での登録出願が主登録簿に登録されているのであり、英語を母国語とする米国でさえ、本願商標は識別力を有するものとして認定されている事実からも、英語に精通しない我が国の消費者・需要者にとって、本願商標は、十分に自他商品識別標識として機能する、旨主張している。
しかしながら、前述のとおり、商品の性能等が向上した新型のものについて、「次世代○○」のように使用されている事実が認められるのであり、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標より、「次世代の距離測定器」の意味合いを容易に理解するというべきであるから、請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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