Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−4625(T2009−4625/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「PLAY BETTER,PLAY FASTER,AND HAVE MORE FUN 」の文字を書してなり、第9類「ゴルフコースでの距離を測り関連する適切なデータ・統計にアクセスするために使用されるコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェアから構成される電子衛星追跡情報装置,ゴルフコース用のナビゲーション装置,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品とし、2007年8月24日に米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の規定による優先権を主張して、平成19年11月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『もっとよく、もっと速くプレーし、もっと喜びが得られる』ほどの意味合いを表現した語句として看取される『PLAY BETTER,PLAY FASTER,AND HAVE MORE FUN』の文字よりなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、その商品に関するキャッチフレーズの一種として理解されるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「PLAY BETTER,PLAY FASTER,AND HAVE MORE FUN 」の文字よりなるところ、上記構成各文字は、いずれも我が国においても親しまれている英語であるから、構成全体より「もっとよく、もっと速くプレーし、もっと喜びが得られる」の意味合いを認識させるものである。
そして、本願指定商品は、ゴルフを始めとする競技に関しても使用される商品やコンピューターゲーム等の娯楽に関しても使用される商品を含むものである。
そうすると、本願商標は、「もっとよく、もっと速くプレーし、もっと喜びが得られる」の意味合いを容易に理解させるものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、商品の効果、セールスポイントを端的に表した宣伝文句ないしキャッチフレーズとして理解、把握させるに止まり、結局、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというべきである。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
請求人は、我が国の一般の消費者・需要者が、複数の英語から構成される商標に接する場合に、単語の意味分析を行って、その意味を特定しつつ取引に当たるということは現実的にあり得ず、原査定の分析的認定は、経験則に反する。日本人は、一般に複数の英単語からなる商標に対し、分析的に意味を把握するというよりは、情緒的・感覚的に(例えば、「何となくかっこよさそう」と)反応するのが普通であり、本願商標もそのようなものとして理解すべきである、旨主張している。
しかしながら、請求人は、上記主張の取引の実情について何ら証左を提出していない。そして、一般の消費者、需要者については、日本語に限らず、ローマ文字であっても文字からなる商標については、一義的にその意味を理解しようとするのであり、加えて、前記のとおり、本願商標を構成する「PLAY」、「BETTER」、「FASTER」、「AND」、「HAVE」、「MORE」及び「FUN 」は、いずれも平易な英語であるから、本願商標より、何ら意味合いを認識しないということはできない。
請求人は、キャッチフレーズの登録を認めないのは、通常、それが商品の広告や内容の説明を効果的にするために使用されるからであるが、本願商標は、仮に原査定において認定するような意味を有するとしても、「もっとよく、もっと速くプレーし」とは具体的に何をプレーするのかは不明であって、その意味合い自体が漠然としている旨主張している。
しかしながら、商標は、商品との関係において使用されるものであるから、その商品との関係において適切な意味合いを想起するのである。例えば、本願商標がゴルフプレーの際に使用する商品に付されている場合には、当然にそのゴルフについて「もっとよく、もっと速くプレーし」と認識するのであるから、明確にその意味合いを認識するものというのが相当である。
請求人は、本願商標について、米国での登録出願が主登録簿に登録されているのであり、英語を母国語とする米国でさえ、本願商標は識別力を有するものとして認定されている事実からも、英語に精通しない我が国の消費者・需要者にとって、本願商標は、十分に自他商品識別標識として機能する旨主張している。
しかしながら、本願商標は、前述のとおり、商品の効果、セールスポイントを端的に表すものであって、自他商品の識別機能を有しないものであるから、請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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