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Trademark Appeal Case

不使用取消と原材料の商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300140(T2010−300140/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2583967号商標の指定商品中、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」,第20類「揺りかご,幼児用歩行器」及び第28類「おもちゃ,人形」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2583967号商標(以下「本件商標」という。)は、「エバーライト」の文字を横書きしてなり、平成3年7月19日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年10月29日に設定登録され、その後、平成15年7月15日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、平成17年3月9日に、指定商品を第6類「アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台,金属製あぶみ,拍車」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第18類「乗馬用具」、第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」、第20類「揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ」、第21類「コッフェル」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第24類「ビリヤードクロス」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」、第27類「体操用マット」、第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」及び第31類「釣り用餌」とする指定商品の書換の登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」、第20類「揺りかご,幼児用歩行器」及び第28類「おもちゃ,人形」について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項により取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 乙各号証について

(ア)乙第3号証(商標権者の有価証券報告書)

乙第3号証によれば、その3頁の〔沿革〕には、「1959年8月ポリウレタンフォーム(エバーライト)の生産を開始」となっているが、その沿革の記述中には、「エバーライト」を本件請求に係る指定商品(以下「本件指定商品」という。)について使用した旨の記述は一切なく、具体的商品名が列挙されていない。

したがって、乙第3号証は、「ポリウレタンフォーム」の生産の開始であって、「おもちゃ」の生産を開始したのではないから、使用の事実を証明する証拠とは足りえない。

(イ)乙第4号証(商標権者のニュースリリース1999.7.7 No.43)

乙第4号証には、「エバーライト」の文字が散見されるが、「おもちゃ」ではなく、「硬質ウレタンフォーム断熱材」であって、「集合住宅およびオフィス向け結露防止用断熱材」と明記されている。ここからも、硬質ウレタンフォーム断熱材、すなわち、原材料名としての「エバーライト」の使用でしかなく、乙第4号証は、本件指定商品についての使用とは到底言えず、使用の事実を証明する証拠とは足りえない。

(ウ)乙第5号証(商標権者のウェブサイトから抜粋のウェブページ)

乙第5号証には、乙第4号証と同様に、「エバーライト」の文字が散見されるが、「エバーライト」は、ポリウレタンフォーム断熱材、すなわち、原材料の名称としての使用しかされていない。玩具・文具の箇所において、容器のふたの材料として、「エバーライト」というポリウレタンフォームが使用されているにすぎず、また、「おもちゃ(玩具)」の写真は掲載されておらず、「おもちゃ」について「エバーライト」の使用をしていると言う被請求人の主張は著しく正当性を欠くものである。

さらに、被請求人は、「『ポリウレタンフォームをはじめとした高機能素材で、多様なニューズにお応えします』と謳っていることからも、需要者・取引者からの具体的な商品の製造・販売の要望に対応することが可能としている。」と述べている。しかしながら、いくら可能であっても、実際に本件指定商品について商取引をしていることを何ら証明するものではないことは乙第5号証から明らかであり、被請求人は、「ポリウレタンフォームをはじめとした高機能素材」と述べていることから、製品の原材料であって、本件指定商品を製造・販売していないことは明白である。

したがって、乙第5号証は、本件指定商品についての使用とは到底言えず、使用の事実を証明する証拠とは足りえない。なお、乙第5号証は、本件審判の請求の登録前に掲載されていたことが立証されていない。

(エ)乙第6号証(商標権者のカタログ「ブリヂストン加工品商品案内」2008年11月発行)

乙第6号証には、「エバーライト」は、7頁の「生活用品・産業資材」の項において、材料名としてそれぞれ記載されているにすぎない。このカタログは、工業資材、建設資材、メーカー向けの自動車用部品、日用品、産業資材に関するものであって、「おもちゃ」に関するカタログではない。

したがって、乙第6号証は、本件指定商品についての使用とは到底言えず、使用の事実を証明する証拠とは足りえない。

イ その他

被請求人は、「おもちゃ」についてのカタログや納品書を提出していない。

さらに、商標が、商品の素材、すなわち原材料を指し示す標章として機能するだけでは、当該商標は、商品本体の出所表示機能、自他商品識別機能を発揮し得ないことになり、商標法の制度趣旨たる、需要者利益保護の観点からも好ましいとは言えない。かかる法制度趣旨を逸脱するような商標の使用を認めることは、本来の商標法の目的から鑑みても、得策ではないと思慮する。

ウ むすび

以上のとおり、乙各号証からは、本件商標がポリウレタンフォーム素材の名称、すなわち、原材料の名称として使用されていることを証明するにとどまり、本件商標が「おもちゃ」に使用されていることを立証するものではない。

したがって、本件商標の指定商品中、本件指定商品についての登録は、取り消されるべきである。

3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。

(1)使用の事実

ア 以下のとおり、本件商標は、その商標権者によって、本件審判の請求の登録(平成22年2月23日)前3年以内に日本国内において、本件指定商品中の「おもちゃ」について使用されていたものであるから、商標法第50条により、その登録が取り消されるべきものではない。

イ 商標権者は、1959年8月よりポリウレタンフォームをベースとした商品の生産を開始し、かかる商品について本件商標を使用している(乙第3、4号証)。

ポリウレタンフォームをベースとした商品には、家電製品、OA機器用部材、リビング・生活用品、医療健康関連用品等の幅広い用途がある。商標権者は、ポリウレタンフォーム素材のみならず、これら成型品についても共通して本件商標を使用している。乙第5号証(商標権者のウェブサイトから抜粋したウェブページをプリントアウトしたもの)には、その一例として、家庭雑貨、衣料、玩具・文具、スポーツ用品、ベビー用品が挙げられているが、自己のウェブサイトにおいて、「ポリウレタンフォームをはじめとした高機能素材で、多様なニーズにお応えします」と謳っているように、需要者・取引者からの具体的な商品の製造・販売の要望に対応することが可能であり、乙第5号証は、常時掲載されている。また、乙第6号証(カタログ)は、2008年(平成20年)11月に発行された。

(2)むすび

以上より、本件商標は、商標権者によって本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件指定商品中の「おもちゃ」について使用されており、乙第3号証ないし乙第6号証により、本件商標が使用されている事実が証明されている。

4 当審の判断

(1)被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録(平成22年2月23日)前3年以内に日本国内において、本件指定商品中の「おもちゃ」について本件商標を使用しているとして、乙第3号証ないし乙第6号証を提出しているので、以下検討する。

(2)乙第3号証ないし乙第6号証によれば、以下の事実を認めることができる。

ア 乙第3号証は、商標権者の第91期事業年度(2009年1月1日〜同年12月31日)の有価証券報告書であるところ、「沿革」(3頁)によれば、商標権者は、1959年8月に「ポリウレタンフォーム(エバーライト)」の生産を開始したこと。

イ 乙第4号証は、1999年7月7日付け商標権者のニュースリリース(No.43)であるところ、ここには、「ノンフロンの水発泡技術を開発/現場吹き付け施工タイプの硬質ウレタンフォーム断熱材『エバーライト NFR』を発売」との見出しのもと、該硬質ウレタンフォーム断熱材が集合住宅及びオフィス向け結露防止用断熱材の新商品として「エバーライト NFR」の名称で7月から発売される旨の記事が掲載されたこと。

ウ 乙第5号証は、商標権者のウェブサイトからの抜粋ページ(掲載日は不明)であるところ、ここには、「ブリヂストンは高い樹脂加工技術を基にポリウレタンフォームをベースとした製品(エバーライト)を生産及び販売しております。・・エバーライトシリーズの用途は幅広く、自動車内装から家電製品、OA機器用の部材、更には家具や雑貨のリビング用品から生活用品、そして医療健康関連用品におよび、・・」と記載され、「製品ピックアップ」欄には、「エバーライトSF」、「エバーライトモラン」、「環境対応粘着」の文字と共に、これら製品の写真が掲載されていること。そして、上記「エバーライトSF」の商品説明として「ポリウレタンフォームを特殊加工し・・三次元構造の骨格組織を持つ素材です。フィルター材、化粧用パフ材、ヘッドフォン用イヤーパッド、衣料用、雑貨用等の多くの用途に使用されています。」と記載され、また、「エバーライトモラン」の商品説明として「EPDMゴムの持つ優れた耐候性・・を活かし厳しい条件の用途に使用可能です。」などと記載され、さらに、「生活資材」のページには、上記「エバーライトSF」を素材に使用した「家庭雑貨」として「ソープトレイ」、「洗濯ボール」などが、また、「玩具・文具」として「液体容器」が掲載され、その他、「衣料」、「スポーツ用品」、「防護用パット」、「ベビー用品」が掲載されていること。

エ 乙第6号証は、2008年11月発行に係る「ブリヂストン化工品商品案内」との表題のあるカタログであるところ、そのうちの「生活用品・産業資材」の項目(7頁)には、「《産業資材》」の文字の下に「エバーライトSF(フィルター、粧材)」と記載されていること。

(3)前記(2)で認定した事実によれば、使用に係る商標「エバーライト」は、商標権者の業務に係る商品「ポリウレタンフォーム」について使用される商標と認めることができる。そして、エバーライトシリーズの商品は、自動車内装、家電製品、OA機器用の部材、家具、雑貨、生活用品、医療健康関連用品等の素材として幅広く使用されることを推認することができる。

しかしながら、上記ポリウレタンフォームを素材として生産された「玩具」を含む様々な商品についてもなお、「エバーライト」の文字よりなる商標が使用されていたと客観的に認めるに足りる証拠の提出はない。

そうすると、乙各号証によっては、商標権者が本件指定商品中の「おもちゃ」について「エバーライト」の商標を使用していたものと認めることはできない。その他、商標権者が使用する「エバーライト」の文字よりなる商標が、本件指定商品中の「おもちゃ」について使用されていたことを裏付ける証拠は見出せない。

(4)以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「結論掲記の商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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