Trademark Appeal Case
周知商標と不正登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91004号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4258582号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年11月10日登録出願、「Auntie Anne’s」の欧文字を表してなり、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月2日に設定の登録がされたものである。
2 登録異議の申立て理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用に係る登録商標、すなわち、平成7年1月5日登録出願、「AUNTIE ANNE’S」の欧文字よりなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同9年8月22日に設定の登録がされた登録第4046008号商標と実質的に同一である。そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務とは類似関係にある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定役務とは類似の関係にあり、かつ、引用商標は需要者間に周知されているから、本件商標をその指定商品について使用するときは、それら商品が申立人と何らかの関係のある者によって製造・販売されているものであるかの如く、商品の混同が生ずる。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)引用商標は、申立人がアメリカ合衆国においてフランチャイズシステムによって全国展開しているプレッツェル及びこれを店内で食しまたはテイクアウトの商品として販売する店舗の名称として、本件商標の登録出願日以前、既に需要者間に広く周知されており、アジア諸国においても需要者に知られるに至った。プレッツェルは、パンの一種であり、小麦粉を練って好みに応じて各種の味付けをして焼き上げるスナックである。引用商標は申立人が創業以来成長を続けるフランチャイズ事業の象徴ともいうべき商標である。従って、引用商標が本件商標権者の興味の的となったことは容易に推認できる。従って、本件商標は不正の目的をもって出願されたものというべく、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 本件商標に対する取消理由
登録異議の申立てがあった結果、平成12年2月14日付取消理由通知書をもって商標権者に対して期間を指定して意見を述べる機会を与えつ示した本件商標の取消理由は、要旨つぎのとおりである。
本件商標は、「Auntie Anne’s」の欧文字よりなるところ、申立人「アンティ アンズ」(Auntie Anne’s,Inc.)提出の甲各号証によれば、申立人は、1988年以来、「AUNTIE ANNE’S」、「Auntie Anne’s」の文字よりなる商標(以下、「引用商標」という。)は商品「プレッツェル」(焼き菓子)」及び「プレッツェルの提供」に係る役務を表示するものとして永年使用され、1997年現在、アメリカ合衆国41州及び同国外4カ国においてフランチャイズ店を471店とその営業規模を拡大している状況が認められ、また、1997年4月頃、我が国の業界雑誌、新聞において、しばしば、引用商標「Auntie Anne’s」(アンティ アンズ)に係る製品紹介並びに当該事業活動を報道していた状況が認められる。そうすると、引用商標「Auntie Anne’s」(アンティ アンズ)は、本件商標の登録出願の前までには、申立人の業務に係る商品「プレッツェル」及び「プレッツェルの提供」に係る役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたことを十分推認させるものである。しかして、本件商標は、その構成において、引用商標の文字綴りと全く同じであり、その表示態様も酷似していて、偶然の一致とは到底認め難いものであるから、かかる状況よりみて、引用商標が我が国において当該菓子類について商標登録されていないことを奇貨として、本件商標の商標登録の所作に及んだであろうことを推測するのに十分である。そして、かかる行為は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的)をもって使用するものといわなければならない。してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ない。(取消理由通知書記載の「Antie Anne’s」または「ANTIE ANNE’S」の表示は、文字綴りにおいて明瞭な記載の誤りがあったので、これをそれぞれ本書のように記載を改め、審理した。)
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由通知に対し、何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由(上記3)は妥当であって、本件商標は、申立人が1997年現在アメリカ合衆国41州ほか4カ国において471店もの広範な地域範囲に亘ってフランチャイズ店を展開するフランチヤイズ事業を表彰し、かつ、その取り扱いに係るプレッツェル(焼き菓子)について永年使用している引用商標(「AUNTIE ANNE’S」、「Auntie Anne’s」)とその文字綴り、文字態様において酷似すること等の点よりして、不正の目的をもって使用するものといわざるを得ない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項により、これを取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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