sokuhyo

Trademark Appeal Case

運動用特殊衣服の定義

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−301357(T2009−301357/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4960173号商標の指定商品「第25類 運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4960173号商標(以下「本件商標」という。)は、「MYJOY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年9月30日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年6月9日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がない。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人の業務内容は、事業所使用の作業服や事務服及び小・中学校生や幼児用の衣服であり、具体的に取引した商品も幼稚園児用レオタード、スパッツ、小学生が体操に用いるハーフパンツが挙げられているにすぎない。運動用特殊衣服というのは、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服であり、日常生活一般ではほとんど使用されないものである。「トレーニングパンツ」「ランニングシャツ」等は、スポーツ以外の日常生活でも使用され、特殊なものでないから、この概念には含まれない。

(2)被請求人は、「スパッツ」に類似群コード「17A04」と「24C01」とが付されているので、「運動用特殊服」に該当することが明らかと述べているが、この類似群コードは「スパッツ」のうちの「運動用特殊衣服」についてはこれに該当するという意味であり、全ての「スパッツ」に当てはまるものではない。

(3)被請求人の取引に係る「スパッツ」が運動用特殊衣服にあたるか、という点についてみると、被講求人はこれらのスパッツは「大阪音楽大学附属幼稚園の園児たちに使用されて」いると述べていることから、このような教育環境で園児たちが何らかのスポーツを行っていて、そのスポーツをする目的に限って着用しているとは考えられず、このスパッツは日常生活においても使用されている性質のものと思われる。乙第9号証の写真からも特殊な衣服であることを示す特徴は全く見られない。したがって、このスパッツは運動用特殊衣服とは認められない。

(4)乙第2号証ないし乙第8号証、乙第13号証は、容器又は製品を収納した容器の写真等で、「体操服袋を50枚セットにして販売」等の記載から、総じてダンボールを含むこれら容器は運送のための道具であって、容器に付した「MYJOY」の商標も、大きく印刷されていて果たして製品の商標であるか、容器の商標であるか判然としない印象を受ける。一方、それぞれの商品自体に付された商標は見えず、これらの商品が被請求人又はその使用権者の製品であるか否か定かでない。

(5)被請求人提出の取引書類は納品書に限られ、内容の真偽の程は確認できず、証拠として採用できない。

なお、被請求人は、本件商標の「運動用特殊靴」についての使用については、何も述べていない。

(6)結び

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、その指定商品中、「運動用特殊衣服、運動用特殊靴」について、商標権者又はその使用権者によって日本国内で使用されていないことが明らかである。

第3 被請求人の主張

1 答弁の趣旨

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第14号証を提出している。

2 答弁の理由

(1)通常使用権者による本件商標の使用

本件商標は、被請求人の個人所有となっているが、被請求人がエムズユニフォーム株式会社(以下「エムズ社」という。)に使用を許諾している(乙第1号証)。

(2)現在、エムズ社は、各種事業所使用の作業服や事務服、小中学校・幼稚園関係の制服など多種の商品を製造、販売している。同社は三鈴繊維株式会社(三重県伊勢市)を製品製造の主力工場として、同社が販売する多くの商品に、「MYJOY」ブランドが印刷された製品袋、納品出荷用ダンボールケース(乙第2号証ないし乙第6号証)等で本件商標の使用をしている。

その実例として、株式会社中外(大阪府豊中市)に体操服袋を50枚セットにして販売し(乙第7号証)、また、幼稚園児用の運動用特殊衣服としてツーウェイの生地を使用したレオタード、スパッツ(乙第8号証ないし乙第12号証)を販売している。なお、この体操服袋は豊中市全域の小学生に、レオタード・スパッツは大阪音楽大学附属幼稚園の園児たちに使用されている。また、小学生の体育授業に着用する体操服である裏綿ジャージを使ったハーフパンツ(乙第13号証及び乙第14号証)を村上呉服店(和歌山県御坊市)に販売している。

上記の行為態様は、商品又は商品の包装に標章を付する行為(商標法第2条第3項第1号)及び商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為(同項第2号)に該当し、本件商標の使用にあたる。

(3)指定商品についての本件商標の使用

本件商標は「運動用特殊服」に使用されている。まず、「運動用特殊服」の意義を解釈(国語辞典の「大辞泉」)すると、「運動」とは「からだを鍛え、健康を保つために身体を動かすこと。「特殊」とは機能・用途・目的などが限られること。専門・専用であること。」を意味する。すなわち「運動用特殊服」とはからだを鍛え健康を保つために身体を動かす際に用いられる専門・専用的な衣服であることを意味する。

上記商品(体操服袋、レオタード、スパッツ、ハーフパンツ)は、いずれも小学生や幼稚園児が健康を保つために身体を動かす体育の授業の際に、その専門服として用いられるものである。

したがって、体操服袋、レオタード、スパッツ、ハーフパンツは「運動用特殊服」に該当する。

また、特許庁商品役務名リストで検索すると、「スパッツ」には類似群コード「17A04」と「24C01」とが付されているので、「スパッツ」が「運動用特殊服」に該当することは明らかである。

(4)結語

このように被請求人は本件商標の使用をしているので、本件商標の登録は、取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断

1 乙各号証によれば、以下の事実が認められる。

被請求人(商標権者)は、平成18年7月10日に、エムズ社との間で、同社に対し本件商標に係る商標権を日本全国で全指定商品について契約締結の日から平成19年7月9日までの期間を使用範囲とする通常使用権を許諾する旨の契約をした(乙第1号証)。

乙第2号証は、OPPフイルム製の製品袋の現物であり、また、乙第3号証は、ビニロン製の製品袋の写真であって、これらの製品袋には、第1文字目の「M」がややデザイン化されているが容易に「MYJOY」の欧文字を表したものと認識できる、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。しかしながら、これらの袋には社名などの記載はなく、また、製品は収納されていない。

乙第4号証及び乙第5号証は、いずれも段ボール箱の写真であるが、これらの段ボール箱には、第1文字目の「M」がややデザイン化されているが容易に「MYJOY」の欧文字を表したものと認識できる、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。しかしながら、これらの段ボール箱にも社名などの記載はなく、製品も収納されていない。

乙第6号証は、平成21年8月26日付け及び同年12月14日付けの納品書の写しであり、いずれも八木段ボール株式会社(三重県伊勢市)が三鈴繊維株式会社(三重県伊勢市)に段ボール箱を納品したことが記載されている。そして、後者の納品書の商品名の欄には「MYJOY」の記載があるが、前者には「MYJOY」の記載はない。また、両社はいずれも本件商標の商標権者ではなく、使用権者とも認められない。

乙第7号証は、被請求人が体操服袋50枚をセットにして販売したとする商品が「MYJOY」の記載がある乙第2号証又は乙第3号証の製品袋に収納されている写真であり、水色とピンク色の体操服袋があり、いずれにも「学校名」「学年組」及び「なまえ」の記入欄がある。しかしながら、社名などの記載は見当たらない。

乙第8号証は、ピンク色及び緑色のレオタードと認め得る商品が「MYJOY」の記載がある乙第2号証又は乙第3号証の製品袋に収納されている写真である。しかしながら、社名などの記載は見当たらない。

乙第9号証は、赤色のレオタード及び緑色のスパッツの写真であるが、本件商標(社会通念上同一のものを含む。以下、この項において同じ。)及び社名などの表示は見当たらない。

乙第10号証は、売上日を平成21年03月30日及び同20年04月03日とする納品書の写しであり、いずれもエムズ社が株式会社中外(豊中市)に体操服袋を納品したことが記載されている。しかしながら、本件商標の表示はなく、また、乙第7号証の商品との関係は確認できない。

乙第11号証は、売上日を平成19年09月12日及び同20年10月16日とする納品書の写しであり、いずれもエムズ社が株式会社中外(豊中市)に、「レオタード、コンビスパッツ、靴下」及び「スパッツ、靴下」を納品したことが記載されている。しかしながら、本件商標の表示はなく、また、乙第8号証及び乙第9号証の商品との関係は確認できない。

乙第12号証は、生地見本であるが、本件商標及び社名などの表示は見当たらない。

乙第13号証は、「ハーフパンツ」が「MYJOY」の記載がある乙第2号証又は乙第3号証の製品袋に収納されている状態と取り出された状態の写真であるが、社名などの記載は見当たらない。

乙第14号証は、売上日を平成21年11月06日及び同20年09月26日とする納品書の写しであり、いずれもエムズ社が村上呉服店(和歌山県御防市)にハーフパンツを納品したことが記載されている。しかしながら、本件商標の表示はなく、また、乙第13号証の商品との関係は確認できない。

2 使用商品について

(1)「運動用特殊衣服」について

被請求人は、「運動用特殊衣服」(「運動用特殊服」と述べているところもあるが同義と認める。)に本件商標の使用をしている旨主張している。

そこで、まず、第25類に属する「運動用特殊衣服」について検討すると、商標法施行規則別表には、第25類に属する商品として「一 被服」「二 ガーター 靴下止め ズボンつり バンド ベルト」「三 履物」「四 仮装用衣服」「五 運動用特殊衣服」及び「六 運動用特殊靴」が挙げられている。

そして、「一 被服」の範ちゅうには「(一)洋服」として「ジョギングパンツ スウェットパンツ スキージャケット」などが、「(四)ワイシャツ類」として「スポーツシャツ ポロシャツ」などがそれぞれ例示されている。また、「五 運動用特殊衣服」の範ちゅうには「空手衣 剣道衣 柔道衣 スキー競技用衣服」などが例示されている。

そうとすれば、「運動用特殊衣服」とは、「空手衣 剣道衣 柔道衣 スキー競技用衣服」など、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服をいい、これに対して、「ジョギングパンツ スウェットパンツ スキージャケット スポーツシャツ ポロシャツ」など、スポーツ以外の日常生活でも使用される商品は、「運動用特殊衣服」には含まれず、「被服」の範ちゅうに属する商品といわなければならない。

(2)本件商標の使用をしている商品について

製品袋又は段ボール箱(乙第2号証ないし乙第5号証)には、商品(製品)が収納されていないので、これらによっては本件商標を使用している商品が確認できない。

被請求人が「体操服袋」という商品(乙第7号証)は、外見よりすれば第18類「袋物」の範ちゅうに属する商品のように見受けられ、また、豊中市の小学生に使用されているなどの被請求人の主張や当該袋に表示されている「学校名」「学年組」及び「なまえ」の記入欄からすれば、小学生が体育の授業等で着用する「体操服を入れる袋」とみるのが相当であるから、「運動用特殊衣服」の範ちゅうに属する商品とはいえない。

レオタード及びスパッツ(乙第8号証及び乙第9号証)は、いずれも大阪音楽大学附属幼稚園の園児が使用するものであり、ハーフパンツ(乙第13号証)は小学生が体育の授業に着用する体操服であるから、いずれの商品も、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣類「運動用特殊衣服」ではなく、スポーツ以外の日常生活でも使用される商品であって、「被服」の範ちゅうに属する商品と判断するのが相当である。

なお、被請求人は、「体操服袋、レオタード、スパッツ、ハーフパンツ」は、いずれも小学生や幼稚園児が健康を保つために身体を動かす体育の授業の際に専門服として用いられるものであり、また、「スパッツ」には類似群コード「17A04」と「24C01」とが付されているので、これらの商品は「運動用特殊衣服」に該当する旨主張しているが、「運動用特殊衣服」がスポーツをする際に限って着用する特殊な衣服であること上記(1)のとおりであって、また、「スパッツ」には、日常生活で使用するものと、例えば「運動競技用のスパッツ」のようにスポーツをする際に限って着用する特殊なものがあることから、「被服」の範ちゅうの商品であることを表す類似群コード「17A04」と「運動用特殊衣服」を表す類似群コード「24C01」が付されているのであって、上述のとおり乙第9号証のスパッツは「被服」に属する商品であるから、被請求人の主張は採用できない。

してみれば、被請求人が、通常使用権者が本件商標の使用をしているとする商品「体操服袋、レオタード、スパッツ、ハーフパンツ」は、いずれも「運動用特殊衣服」の範ちゅうに属するものということはできない。

3 まとめ

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)の使用をしていたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、その指定商品中「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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