Trademark Appeal Case
欧文字の称呼認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−3078(T2010−3078/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「QpID」の文字を標準文字で書してなり、第38類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年12月12日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、原審における平成21年7月29日付け手続補正書により、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,電気通信に関する情報の提供,衛星テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機及び電子計算機用プログラムの環境設定・インストール及び機能の拡張・追加,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4508226号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成12年4月27日に登録出願、別掲2のとおり役務を指定役務として、平成13年9月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「QpID」の文字よりなるところ、欧文字を一音ずつ発音した場合には、「キュウピーアイディ」の称呼を生ずるものであり、また、その構成中「p」の文字のみが小文字で表されているものであったとしても、同じ書体で等間隔に一体的に書されているところからすれば、欧文字全体を一つの語と捉えて発音する場合もあるものと認められ、その場合には、「QpID」の語を、我が国で最も親しまれた英語風読みに倣って「キューピッド」と称呼する場合もあるものとみるのが相当である。
そして、本願商標からは、直ちに特定の観念を有する語とは認められないものである。
これに対し、引用商標は、別掲1のとおり、「キユーピッド」の片仮名文字及び「Cupid」の欧文字を、キューピッドと思しき図形を挟んで上下二段に横書きした構成よりなるところ、その構成各文字に相応して「キューピッド」の称呼を生ずるものであり、キューピッドと思しき図形と相まって、「キューピッド(ローマの恋愛の神)」の観念を生ずるものというべきである。
そこで、本願商標と引用商標について比較するに、両者は、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、「キューピッド」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、引用商標の指定役務中には、本願商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるから、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、小文字『p』が他の大文字の間に挟まれることにより、語頭部の大文字『Q』が、後部の『ID』と切り離され、結果として単語の一体性を失っており、また、『ID』が、『システムの利用者を識別する符号』を意味し、『ユーザーID(ユーザーアイディと称呼)』、『契約者ID(ケイヤクシャアイディと称呼)』等の表現で広く使用されていることから、これに接する需要者・取引者は、先頭の大文字『Q』や『ID』に着目して、『キュウピーアイディ』の称呼を発すると考えられる。また、欧文字よりなる商標の構成文字の一部が、小文字で表されることが一般に行なわれているからといって、本願商標からは、『キューピッド』のような称呼が発生する根拠になり得ない。」旨主張している。
しかしながら、本願商標は、前記(1)で認定したとおり、「キュウピーアイディ」の称呼以外にも、「キューピッド」の称呼をも生じるものであり、また、当審における職権調査によれば、請求人は、本願商標と近似する「Q」と「pID」とをハイフンで連結したにすぎない「Q−pID」の標章を、ハイフンがあるとしても一つの語として捉えて「キューピッド」と称して使用している取引の実情(「http://www.sotomiru.net/ID/q-pid/qpidocr.html」、「http://japan.zdnet.com/news/software/story/0,2000056195,20341953,00.htm」等)があるから、請求人は、本願商標から「キューピッド」の称呼を生ずることを自認しているというべきである。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
また、請求人は、本願商標の指定役務は、「通信サービス及びコンピュータシステム提供」を主体としており、電話一本で注文し、購入を決定する類のサービスでなく、本役務の需要者・取引者は、いったん導入が決まれば、長期にわたって同じ提供先からサービスを受ける結果になることから、サービスの内容、他の提供業者との相違点、サービス価格等を慎重に検討したうえ、導入を決定するのが取引の実態であり、称呼に紛らわしい点があるとしても、両商標が混同を生ずるおそれがない旨の主張をしている。
しかしながら、請求人は、前記主張をするのみで、これら取引の実態を裏付ける具体的な資料の提出はなされていないところからすれば、取引の実態を前提として、両商標が混同を生ずるおそれがないとする請求人の主張は採用することができない。
さらに、請求人は、過去の審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨の主張をしているが、過去の審決例等は、商標の構成及び指定商品又は指定役務との関係において、本願とは事案を異にするものであり、その審決例等をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のこの主張も採用することはできない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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