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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「複合語の記述性判断」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2009−19827(T2009−19827/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2009−19827(T2009−19827/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
複合語の記述性判断
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2009−19827(T2009−19827/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「複合語の記述性判断」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「クリティカルソリューション」の片仮名を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年9月3日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、同20年8月2日付け手続補正書により、第9類「コンピュータプログラム」、第35類「経営システムの構築に関するコンサルティング」及び第42類「通信によるコンピュータプログラムの提供,コンピュータプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータサーバの貸与,コンピュータ通信におけるサーバシステムの構築」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『クリティカルソリューション』の片仮名を標準文字で表示してなるものであるが、該構成中の前半部の『クリティカル』は『決定的に重要な、重大な』の意味を有し、また、後半部の『ソリューション』は指定商品(役務)との関係からは『情報システムによる企業の問題解決』を意味するものである。また、指定商品(役務)を取り扱う業界において、『ミッションクリティカル(24時間365日、止まらないことを要求される基幹業務)』や『ビジネスクリティカル(メールサーバなどサービスを停止するとビジネスに支障をきたす業務)』に対応する『ソリューション(情報システムによる企業の問題解決)』が広く提供されていることからすれば、本願商標は、全体として、『決定的に重要な業務に対応する情報システムによる企業の問題解決』といった意味合いを容易に認識させるものと認める。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に『決定的に重要な業務に対応する情報システムによる企業の問題解決のためのコンピュータプログラム』といった意味合いを理解するにとどまり、また、その指定役務に使用しても、単に『決定的に重要な業務に対応する情報システムによる企業の問題解決のための役務の提供』といった意味合いを理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、商品の用途・機能及び役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用した場合、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記したとおり、「クリティカルソリューション」の片仮名を横書きした構成からなるところ、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上まとまりよく一体に表してなるものである。

ところで、本願商標の構成中の「クリティカル」の文字は、「危機的な様子。事態が重大であるさま。」(「コンサイスカタカナ語辞典第3版」株式会社三省堂 2005年10月20日発行)の意味を有する外来語であり、また、「ソリューション」の文字は、「問題解決」(前出「コンサイスカタカナ語辞典第3版」)の意味を有する外来語であるところ、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、前者は、「極限の状況下で稼働するシステムを形容する場合や、今後の成り行きに重大な影響を与える事項などを形容する言葉。」(「標準パソコン用語事典最新2009〜2010年版」株式会社秀和システム 2009年1月15日発行)の意味を有し、後者は、「業務上の問題点を解決し、仕事の効率を高めるための手段のこと。顧客の業務内容や要望に応じて、メーカーやシステムインテグレーターが提案する製品や情報システムを指すことが多い。」(「日経パソコン用語事典2009年版」日経BP社 2008年10月20日発行)の意味をも有するものであることが認められる。

しかし、本願商標を構成する「クリティカル」及び「ソリューション」の各語がそれぞれ上記意味を有するものであるとしても、前記した構成からなる本願商標は、本願の指定商品及び指定役務との関係において、特定の商品の用途・機能・品質及び役務の質を直接的、かつ、具体的に表示するものとは認められないものである。

また、当審における調査においては、本願商標を構成する文字は、数件使用されている事実を見いだすことができるものの、いずれも原審説示のような意味合いをもって使用されているものとは認められず、かかる使用事実をもって、本願商標が直ちに自他商品及び自他役務の出所標識としての機能が無いと判断することもできないものであり、ほかに「クリティカルソリューション」の文字が本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、特定の商品の用途・機能・品質及び役務の質を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実を発見することはできなかった。

そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体をもって一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務のいずれに使用しても、これに接する取引者、需要者をして、単に商品の用途・機能・品質及び役務の質を表示したものと認識させるものではなく、自他商品及び自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得るとみるのが相当であり、かつ、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれもないというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、その理由をもって本願を拒絶することはできない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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